第48話
「よかったぜ。こんなんじゃ物足りないにもほどがある」
私は「遊びじゃないぞ」と言おうとしたが、やめた。
そんなことを言ったら魁斗がよけいに遊んでしまうような気がしたからだ。
魁斗は倒れたあやかしをまたいで進んだ。
私は避けて進み青柳もそうしたが、紫苑はまたいで進んだ。
しばらく進むと紫苑が私の前に出てきて、魁斗のすぐ後ろを歩きはじめた。
「どうした?」
「どうせ見学でしょ。それならなるべく近くで見ようと思って」
「そうか。でも危ないから気をつけろよ」
「大丈夫よ。このバカがやられても、あたいがやっつけてやるわ」
「おい、この俺がやられたりするもんか。それに俺はバカじゃねえ」
「どんな化け物が出てくるかわからないのに、なにが出てきても勝って当然だと思ってる。それがバカだっていうのよ」
「なに言ってる。俺は強いから勝つに決まってるだろう」
「相手もわからないのに」
「そんなの関係ねえ。化け物全部、どたまかち割ってやる」
「あらそう。それ全部間近で見届けてあげるわ」
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