第47話

「いたか」


「ああ、いたぜ」


見ればそれはネズミ。


ただ普通のネズミと違うところはその身体がやけに大きく、おまけに身体から人間の手足にしか見えないものが生えており、二本足で立っていることだ。


「キーーーッ」


ネズミにしては大きく、そして低い声で鳴くと、そのまま魁斗に向かって来た。


「ふん」


魁斗は無造作に戦鎚を振り下ろした。


それは化けネズミの頭に当たり、化けネズミはそのまま倒れた。


見れば頭がぱっくりと割れて、中の脳みそが見えている。


「やったぜ。一丁あがり。それにしても弱すぎるぜ。おまけにキモい」


「おそらく最初はネズミだったんだろう。ここの邪悪な気のせいで、時間をかけてこうなったんだな」


「そうなのか」


「あやかしの中には元々動物だったものがけっこういる」


「そうか。で、これで終りじゃないだろうな」


「まだまだ先がある。一番奥まで行かないと終わらない」

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