第49話

「好きにしろ。けど俺の邪魔だけはするな」


「あんたの邪魔なんてする価値もないわよ」


「なんだとう、このアマ」


「おい、やめないか」


私がそう言うと、二人とも静かになった。


青柳が「やっぱり」と言った。


「なにが、やっぱりなんだ?」


「あとで」


その間も四人の歩みは止まらない。


もう何回目なのかわからない角を曲がると、魁斗の足が止まった。


――いたか。


まわり込んで見ると、いた。


そいつはほぼコウモリだった。


しかしその大きさが牛くらいはある。


それが洞窟の天井からぶら下がっているのだ。


「今度はコウモリか。さっさとどたまかち割ってやるぜ」

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