第41話

「封印の風穴って遠いのか?」


青柳が答える。


「ちょっと遠いな」


「じゃあ俺、寝るわ。着いたら起こしてね」


そう言うと魁斗は本当に寝てしまった。


紫苑が言った。


「バカはなにも考えないから、寝るのも早いわね。それじゃああたいも寝るから、着いたら起こしてね」


紫苑もそのまま寝てしまった。


まあ、静かでいい。



目的地に着いた頃にはお昼を回っていた。


「おい、着いたぞ」


「あん? 着いたか。いい朝だぜ」


「まったく。初めてあやかしとやりあうのに、ずっと寝てるやつなんて聞いたことがないぞ」


「俺様、それくらい当たり前だぜ」


紫苑がまだ寝ていた。


私はロリコンの趣味はないが、それでも紫苑の寝顔は心底かわいいと思った。

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