実験


ふむふむ。


俺は今現実世界に戻れるようになるという方法を試している。

どうやら元の世界に戻るには儀式のようなものが必要らしい。


まず、鏡を用意する。

そして呪文を唱えながらその鏡の中に飛び込むというものだ。

しかし、さっきから何回やってもうまくいかない。

ほんとにこの方法で合ってるのかよ。。。。。

と思ってあきらめ変えていた時。

おそらく三十回目くらいで鏡の中に入ることができた。

まぶしい空間が続きその先にはいつもの俺の部屋が待っていた。

どうやら戻れたようだ。



「それ絶対嘘だろ」


「いや、ほんとだって」


「今時異世界転生なんてあるわけないだろ。お前ラノベの読みすぎだろ」


案の定信じてもらえなかった。


でもいい、俺の記憶には確かにリリがいる。

だからあれは夢なんかじゃない。


それに現実世界との時間関係も一致している。

俺があっちの世界に迷い込んでから過ぎている時間もおおよそ同じ。

つまり俺はほんとにどこか知らないところへ行っていたってことだ。

それにあそこは人間なんか一人もみなかった。


さて、元の世界に戻ってきたところでなにもねえよなああ。

あっちの世界には俺の世話をしてくれるかわいい子がいるし、やっぱ戻らないほうがよかったのかな。

いや、そんなことはない。

俺はいったい何のために戻ってきた言うのだ。


俺は異世界の力なんて使わなくても彼女の一人くらい作って見せる。

そう決心した。


だからこんなところであきらめるわけにはいかねえ。

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