スー


俺は自分の名前を思い出せるまでスーという名前でやってくことにした。

気分転換に、このあたりを散歩してみるか。



このあたりを歩いているとすれ違うほとんどが猫族の猫だ。

猫っていうだけにオスはイケメンが多く、メスに関しては、

どの猫もとてつもなくかわいい。

そういえばさっきから不自然な視線を感じるな。

もしかして俺って変な奴って目で見られてるのかな。

見られてるっていうより、周りの猫たちは獲物を狙うかの如くこちらに

まなざしを向けている。


どこかで水の滴る音がした。


その瞬間!


一斉に猫たちがこちらに向かってくる。

いったい何事かと思い俺は一目散に走りだした。

のだが、自分に体力がないことを忘れていて、すぐに止まってしまう。

それでも猫たちは追いかけてくる。

もしかして、俺はここで終わりなのか。

と思っていたが、この先には意外な展開が待っていた。


~十分後~


俺はとてつもない数の雌猫たちに囲まれていた。

どうやら何十匹の猫に逆ナンされたということらしい。

たくさんの猫に求愛行動をされたが、いったんすべてを振り払ってリリが

いる家へと帰る。


「なんか外すごい騒ぎだね。なんかあったの?」


「ものすごい数の猫に追いかられた」


「確かに君イケメンだからね。モテるのも仕方ないよ」


イケメンだなんて初めていわれた。もしかして俺は猫界隈ではイケメンという扱いになるのだろうか。

そう言えば昔からよく猫になつかれてたっけ。

昔の疑問を今になってようやく解決することができた。


「それにしてもこんな有様じゃ迂闊に散歩もできないや」


「仕方ないよ。モテる男は罪なんだから」


困ったな。

ますます俺の生活が狂ってくヨ。

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