マジカルルート000
(※ 元々『あとがき』として書いてあったものに手を加えたものです)
『マジカルルート000』は、自主企画【この作品の続きを書いてみませんか?】に参加作品だが、縛りプレイとしてトライした作品だ。
主催者さんが書いた第一話を元に続きを書くという内容だ。
【この作品の続きを書いてみませんか?】 https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054887904119
元々、自分であれば思いつかない設定だったし、スタイルが大きく違う。
書き進めることにマンネリ化していたのでリハビリ的な意図もあったのでこのトライはとても刺激になった。
この自主企画が面白かったのは、先に第一話があることだった。
そこからストーリーを作り上げるわけだが、まず悩んだのはスタートである一話を継承するか、全く違うエピソードとして物語を作るかということだった。
結局、選んだのは第一話を継承する方で、できればイメージもオリジナルに寄せる方向でいきたいと思った。なので、イメージをつかむ為に何度も一話を読み返したり、主催者さんの別作品を読んでみたりもした。
"縛りプレイ"のルールは、【第一話の設定を活かすこと】。
ここに集中することにした。
まず、最初に考えたのは主人公の葛藤を見つけ出すことだった。
これは【敵対者】の設定にもつながりやすい。
葛藤を乗り越えるのが主人公の潜在的な行動理由であり、物語の原動力になると考えるからだ。いろいろ置き換えれるものはあるが、トラウマが一番変換しやすい。
一話にはオタク趣味を馬鹿にされていじめられてのがトラウマという一文あったのでこれをアレンジすることに。
だが、なかなかイメージをしにくくて悩んだ。
オタク趣味が別に恥ずべきことでもないという認識だったし、それでイジメられるのにしっくり感がなかったからだ。
とりあえず、いじめっ子の記憶が驚異になるストーリーラインを一度書いてみた。
3話の冒頭の夢シーンはその名残。
なぜ名残なのかというと、どうも腑に落ちなかったので取りやめたからだ。
いろいろ考えた結果、いじめっ子ではなく、オタク趣味をいじめられた経緯から否定意識とオタク趣味を肯定し楽しむ意識の対立構造に移行した。
それが二つの時間軸の対立というアイデアに発展することになる。
・好きな事を選ばなかった未来のアリッサ
VS
・その分岐点にいるアリッサ
000号線が道という事も都合よかったと思う。
「運命の分かれ道」「運命の曲がり角」の例えもある。"道"という舞台設定を時間概念にかぶせることもアリかなと思った。
別時間軸の多次元とタイムリープは、ここ何年もSFの常用アイデアとしてあるネタで好みでもある。ただタイムリープはより面倒な構成になると感じたので今回は抑えた。
これで【敵対者】は、主人公の時間軸が異なった別の自分であるという設定が出来上がった。
主人公より、時間を経ていることすることで、主人公より実力が上。おのずと主人公が成長している姿となった。
次に【敵対者】の葛藤を決める。
【敵対者】は主人公の対になる部分の影、シャドーともなる。
葛藤がキャラの行動理由でもあり原動力という考え方に基づく。
【敵対者】はネガティブな選択をした未来のアリッサである黒衣の貴婦人。
トラウマが原因で自己否定感が強くなっっておりそれが葛藤になっている人物とした。同時にそれが力を強めた原動力にもなっているとした。
そこから逆に主人公アリッサがポジティブな選択をしようとするキャラにした。
後は、メンター(賢者)、ヘラルド(使者)、ヘラルド(協力者)の順に考えていくことにした。個人的なストーリーの作りの好みだが、まっさらな状態から物語を作るとしたら、この優先順位の方が物語の作成に流れがつけやすいと思うからだ。
とはいえ当然、人によって考え方は違うとは思う。
まずメンター(賢者)は、主人公を導くキャラを新たに作る必要と考えた。
ポラリスは、場所が固定されていてキャラの役割が一話で終わっている。
そこでポラリスと瓜二つの妹エライを登場させることにした。
理由のひとつは、ポラリスを一話きりのしたくなかったから。妹にすればポラリスとの関係性も生まれるし、再会もドラマ性があると踏んだからだ(初期の時点では)
しかし、この設定は一回目のストーリーラインを作った後、『ポラリスが違う未来の選択をした結果である設定』というふうに変わっていく。
さらにストーリーラインの二稿目になると、『実は敵対者の協力者であった』という設定が加わる。先にエライは、黒衣の貴婦人ルートに出会っているといわけだ。
幸い第一話にエルフは長寿過ぎて見た目が若い一般的設定がある。主人公アリッサと敵対者"黒衣の貴婦人"との時間差は、十年程度の設定。エルフ的の時間では数ヶ月(?)だろうから、年令による見た目にアリッサが気が付かなくてもおかしくないだろう……という解釈だった。
次は主人公を冒険へ誘う役割のヘラルド(使者)だが、これが実はすごく困った。
一話でポラリスがヘラルドをこなしているからだ。
【冒険へのいざない】がすでに一話に済ませてあるから、それにつづく【冒険の拒絶】には触れていない。つまり、二話目となる書き出しは【冒険の拒絶】から?という事になってしまう。(これは一週間悩みました……)
出した結論は、【日常の世界】→【冒険へのいざない】をもう一度繰り返すこと。
つまり、オリジナルの第一話(【日常の世界】→【冒険へのいざない】)→第二話【日常の世界】→第三話【冒険へのいざない】
【冒険へのいざない】となる第一話の延長という風をみせること、だった。
アライズ(協力者)は、ドワーフにした。
ドワーフ市場を舞台にするには、魅力を感じなかったから、あまり触れずにおかないでおこうと思った。しかし、流れ的にどうしてもドワーフ市場が第一関門となってしまう。
印象深いエピソードが思いつかなかったので、市場からドワーフの仲間が加わる事で印象を残すことにした。
あと、忘れてはならないのが、相棒ポジションのジャッカ・ロープのジロー。
ちょくちょく扱いを忘れがちになったが、アリッサのある部分の肩代わりもさせた。
一話に渋い声設定がされているので、声のイメージは、声優の大塚明夫さん。
実は削除した文に「メタルギアソリッドの主人公みたいな声」というものもがあった。
あと、中編、長編にする予定はなかったので、各キャラとも役割をいろいろと兼ねさせることは最初から予定していた。
各キャラの役割は以下の通り
英雄(ヒーロー)=アリッサ
賢者(メンター)=エライ(別の選択をしたポラリス)
仲間・協力者(アライズ)=ゴーリ
使者(ヘラルド)=ポラリス
影/悪者(シャドウ)=黒衣の貴婦人(未来のアリッサ)
いたずら者(トリックスター)=ジロー
門番(シュレスホールド・ガーディアン)=市場のドワーフたち
変化する者(シェイプシフター)=エライ
役割を決め、アリッサ、ポラリス以外は名前さえ決めていないポラリス妹と仲間ドワーフという仮名称状態でストーリーラインとアウトラインの作成をスタートさせる。
ストーリーライン
【目的が曖昧な主人公が本当に欲しい何かを手に入れる(見つける)】
基本アウトラインは以下の通り。
○第一幕【設定】 ~出立・離別~
<1.日常の世界>
<2.冒険へのいざない>
【第2話 マジカルルートで朝食を】
<3.冒険の拒絶>
【第3話 目覚めたら出発】
<4.賢者との出会い>
<5.第一関門突破>
【第4話 ドワーフの市場へようこそ】
【第5話 道での遭遇】
【第6話 ドワーフの商工会議所】
○第二幕【対立】~試練・通過儀礼~
<6.敵との戦い(試練)・仲間との出会い(繰り返し)>
【第7話 外れた道】
【第8話 霧の中で】
【第9話 黒衣の貴婦人】
【第10話 不穏な招待】
【第11話 城塞での晩餐】
【第12話 アリッサの受難】
【第13話 城からの脱出】
【第14話 時間の道は交差す】
【第15話 向き合う未来】
<7.最も危険な場所への接近・事態の複雑化>
【第16話 アリッサの潜入作戦】
【第17話 アリッサの企み】
<8.最大の試練>
【第18話 告白】
【第19話 魔術の儀式】
○第三幕【解決】 ~帰還~
<9.報酬>
【第20話 心の奥の奥】
10.帰路
11.復活
12.宝を持っての帰還
【第21話 終わり良ければ全て良し】
第一幕、第二幕、第三幕の比率は、
3対6対1を意識した。
今は、話数とタイトルを記している部分にラフに展開を書き込んでいく。
流れだけ作れればよいので箇条書きだったりメモ程度だったり、その日の体調で書き方は様々。
物語の全体像を把握できるし、ストーリーの問題点も早めに気づくこともできるし、気分が乗っていなくてもやれる作業でもある。
こうして自主企画参加作品『マジカルルート000』は創られました。
「マジカルルート000」URLはこちら
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