紙飛行機


小学生の頃の私は他の子供より親に愛されていないんじゃないかとか、本当に家族や先生、友達は私を待っていてくれるのかとか、待っていてくれるのかとか、必要としてくれるているのだとかを、いつも心配していたのを覚えている。


そのせいか高校生になったって私は人を待つのがとても苦手だった。待ち合わせの待ち時間が私の最も苦しい時間で、来なかったらどうしよう、忘れてしまわれてないかな、とかをずっと考えている。それはとても苦しいし、悲しい。そんな私が情けなかったが、どうしたらそう考えてしまうのを辞められるのかが分からなくて、その度に自分のことすらも理解出来ずにコントロール出来ない事が嫌でたまらなかった。自分のことを自分がわからないという、苦しさ、自分でも自分のことがわからないのに他人ひとが私のことをわかってくれるわけが無い。そんなことはわかってるのに、彼らを簡単に信じて裏切られることに脅える自分が何だか恐ろしかった。こんな気持ちをときには涙が止まらなくなるほど強く感じたり、あるいはそんなものまるでないように振舞ったりして私は生きている。

この自分のことさえも受け入れられない感情は起伏が激しいが、皆無という時間は1秒もない。人間は一人一人私と同じように苦しいものを何かしら抱えて、疑問に思いながら離すことができずに、生きているんだろうか。

私を傷つけたあの子も、私を見下しているあの人も、私の嫌いな人も、そうであるのなら少しずつ自分の中で緩せるような気もする。そして私の好きな人達もそうであるのなら、なぜだかすごく安心してしまう。"皆同じ"という、ことでしか安心できない私の安くて薄い人間性に気づいてしまい、またどうしょうもない不安に駆られ、また同じこと考え始めた。私は死ぬまでこんなことをし続けているような気がした。私にとって生きるということはこういうことなのだろうか。



私は今でもふと、小学二年生のことを思い出した。あの時きり紙飛行機をおる事なんてなかったし、紙飛行機の折り方なんて忘れてしまったから、もう二度とあんなに上手に飛ぶ紙飛行機は作れないと思った。


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