生きたくて泣いてる
凪
カミヒコウキ
小学2年生の頃、親子で行うレクリエーションのイベントがあった。紙飛行機を作ろうというもので、私は内容にそこまで興味もなかったが、クラスの浮かれた雰囲気に感化されてわくわくしていたのを今も覚えている。親が仕事で来れないのは私だけで、担任の先生がレクリエーションのペアになってくれるはずだったのに先生は他の生徒の親に捕まってしまったから私はひとりでカミヒコウキを作っていた。女の子は普通、紙でハートやリボン、鶴を折るので折り方がさっぱりだった。
ザワザワした空気の中必死に説明を聞いて大して欲しくもないカミヒコウキを折っていた。立派にできた私のカミヒコウキを飛ばすと風に乗って飛んで、雨上がりの校庭に落ちて少し汚れてしまった。あの切なさは今も鮮明に残る。
私の通っていた小学校にはこういった親子で行うイベントが多かった。私の両親は仕事が多忙なのでこういったイベントに来ることは無かった。両親は私に優しかったし教育熱心な方だと思うし、愛してくれていたと今は思うけれど、小学生の頃は幼かったし幸せそうに親と手を繋いで笑いあってる友達を見ると私は不幸で可哀想なんじゃないかと感じてしまっていた。
そんな弱い私は、今年で高校生になった。小学二年生の私は高校生というのはすごく大人で、素敵なものだと思っていたけど、小学二年生の私と1番変わっていて欲しいところは変わってないような気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます