神社でお祓いとは、よく見る光景です。
しかし、こちらの神社は、Webの世界に棲む邪念を祓うという、風変りな神社でした。
恨み、ねたみ、嫉みに嫉妬――どれも人間らしい感情といえるものですが、時にそれらは邪念となり、誰かを苦しめることが現実にあります。
現代では、主にWebやSNSのなかにそれらは棲んでいます。
少女を襲ったWebに潜む邪念の姿は、それこそ嫉妬の念を可視化したらこうなるのだろうと納得させられました。
邪念の荒々しさと、それを浄火する干支神禰宜と巫女の凛としお祓いのシーンは、現実にありそうなリアリティがありました。
それこそ、作品自体が神社の雰囲気を醸しているように感じられます。
電脳世界の邪念を祓おうとする物語――作者様の着眼点に驚かされました。
今までにない神社ものだと思います。
現時点では一話完結のうえ、非常に読みやすい文体なので、すぐに読めてしまうでしょう。
それでも、心に刺さるものはきっとあるはずです。
主人公はある日、彼女の様子がおかしいことに気付いた。しかし、普段おとなしい彼女が、何故急にスマホを打ち付けるまでになったのか、分からない。彼女はWEBで小説を書いていた。それが原因なのか?
彼女が心配になった主人公は、ある神社の存在を知る。
――あなたの恨み、祓います。
主人公は彼女と共にその神社に赴き、御祓いを受けることに。その最中に顕れたのは、恐ろしいものだった。
果たして、御祓いを受けた少女が口にした「コンテスト」とは?
彼女は無事に帰ることが出来るのか?
今、こうして画面に向かい合っている方も気を付けたほうがいい。
あなたも、御祓いが必要かもしれません。
是非、御一読下さい。