勇者パーティ流刑に処される

第1話 『愚者悔改』愚か者どもよ、悔い改めよっ‼︎—— 世界を救った勇者パーティ、流刑に処される。

勇:「あんのっっ、腐れ幼女ロリ女神めぇーーっ‼︎」



『勇者』エリック・エリクソンは怒り狂っていた…。


拘束衣こうそくい』を着せられ。


手は後ろ手に組まされ。


そぉーいっ!と地面にポイされ、べちゃっとゴロンゴロン。


粗雑なあつかいをしてくれた『女神』に対し、『勇者エリック』はジッタン、バッタン。


芋虫の様にのたうち回り。


『くぁwせdrftgyふじこーーっ‼︎』と絶叫。


手が使えないにもかかわらず、ブリッジなんかきめて怒り狂っていた。


アホである。


そんなアホな『勇者』のとなりでは、『魔法使い』ペドロ・フィリアスが荒ぶっていた。



魔:「ふごふご……」『〝幼女神ロリ☆ゴッデス〟懲らしめるべし、慈悲は無い。フフフフ—— オ・シ・オ・キ・DA☆』



猿轡ギャグボール』を口にくわえて、ふごふご言いながら。


魔法使いペドロ』はペンを使わずとも、指でなぞるだけで文字や絵をかく事の出来るマジックアイテム。


『スケブゥ』にむかって、ひたすら『女神』への復讐計画を練り練りニヤニヤ、書き殴っていた。


その内容は最低でもR-15指定のモノ。


酷いモノは、完全に良い子には✌︎('ω'✌︎ )\見せられないよ/なモノばかり。


ヘンタイだぁ…。



そして、ヘンタイ『魔法使い』のとなりでは、『戦士』マルコ・シヤスが今にも死んでしまいそうになっていた。



戦:「おぉ、おおぉっ…!余の、余の筋肉があああああーーっ、うおえぇっ…‼︎」



戦士マルコ』はドレス・・・が汚れるのも構わず、両手両膝を地に付け。


失意体前屈で号泣—— 号泣しすぎて嘔吐。


ひゅぅひゅぅ…と、呼吸は短く浅く。


うわ言のように『き、筋肉ぅ…』と呟きながら、死にそうになっている。


無理もない…。


彼—— いや、今や〝幼女彼女〟になってしまった『戦士マルコ』は、『女神』に大切なモノを奪われてしまったのだ…。


戦士マルコ』にとって、大切なモノ。


それは—— 筋肉。


戦士マルコ』は、筋肉がなければ生きられない。


なぜなら、『戦士マルコ』は筋肉至上主義者マッチョだから…。



そして、瀕死の筋肉至上主義者マッチョ『戦士』のとなりでは、哀れな『僧侶』ティクス・クリスタが途方に暮れていた。



僧:「『女神』ロリィ様…これは流石に、あんまりです…」



僧侶ティクス』は——絶海の孤島・・・・・の崖っぷちに立ち尽くし、己が不幸を嘆いていた。


可哀想に…。


他三人と違い。


彼はとばっちりを受けただけの、被害者である。


『女神』いわく—— 連帯責任。


あんまり過ぎる…。



僧:「死にたい…」



僧侶ティクス』は天を仰いで一言呟き。


涙を流しながら、拳をキュッと握りしめて俯いた。


可哀想が、過多だすぎる


彼は勇者パーティ唯一の良心なのに…。



勇:「絶対、あの幼女ロリ女神に復讐してやるっ!絶対に、絶対だああぁっ‼︎」


魔:「ふごふご……」『あぁ、エリック。俺もそう思うっ!幼女神ロリ☆ゴッデスには絶対、復讐しなければいけないっ…‼︎』


戦:「余の、余の筋にきゅぅ…。おのれぇ、女神めがあああっ‼︎」



見敵サーチ&必殺デストロイ—— 不倶戴天アイツ絶対許さねぇ‼︎


復讐に燃える『勇者エリック』『魔法使いペドロ』『戦士マルコ』の三人。



僧:「………はぁ?」



ぷっち〜ん。


そんなバカ三人に対し、ついにパーティ唯一の良心の堪忍袋の尾が切れた。



僧:「ボクは開いた口が塞がらないよ…。こうなったのは君たちのせいだろう?ねぇ、三人とも、そうだよねぇ…?」


勇.魔.戦:「「「おうっふぅ…」」」



ジトリ、三人を厳しく睨みつける『僧侶ティクス』。


そんな『僧侶ティクス』の視線から、ス…と顔を逸らし押し黙る三人のバカ野郎ども。


『アホ』と『ヘンタイ』と『マッチョ』でも、一応パーティ唯一の良心に対し、申し訳ないという気持ちはあるようだ。



僧:「はぁ…。これからボクたち、どうなるんだろう…」


勇.魔.戦:「「「………」」」



途方に暮れる『僧侶ティクス』。


苦労人すぎる彼に、どうか幸多からんことを…。



僧:「……なんか言いなよ」


勇:「す、すみませんでしたぁっ‼︎」


魔:「ふごふご…」『ティクスきゅん、ごめん』


戦:「う、うむ。申し訳ない…」



深々と『僧侶ティクス』に土下座で謝辞るあやまる、『勇者エリック』『魔法使いペドロ』『戦士マルコ』。


〝ゴスっ!〟という、三つの地面を打つ音を背に、『僧侶ティクス』がついた。


長い、長いため息は、絶海の孤島の空の果て—— 溶けて消えていった。



勇:「本当ぉーに、すみませんでしたぁっ‼︎」


魔:「ふごふご…」『ティクスきゅん、マジごめん』


戦:「かくなる上は、この貧相な身体をもって償わーんっ!」


僧:「もういいよ…」



勇者パーティ唯一の良心、『僧侶』ティクス・クリスタの明日はどっちだ…。

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