KACの季節が来ましたね(高みの見物)。
2024年02月29日
どうも、あじさいです。
本日、KAC2024が始まりましたね。
第1回の指令は、「○○には三分以内にやらなければならないことがあった」という書き出しで書け、とのこと。
https://kakuyomu.jp/info/entry/8thanniv_KAC20241
例年のKACは、お題としてキーワードやシチュエーションを指定する形式だったので、冒頭の1文を指定するという変則的な形式に、カクヨム公式のTwitter(現X)アカウントにはユーザーから驚きの声が寄せられています。
加えて、「KACスペシャルアンバサダーの春海水亭氏」(カクヨムの有名な書き手さんで、落語家ではないらしい?)からの挑戦状として「自由挑戦お題『全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ』も出題」されているそうです。
筆者(あじさい)は先月書いたエッセイで、今年のKACには(頑張ってまで)参加するつもりはないと表明しておいたわけですが、正直、もし参加や皆勤賞を宣言していたら、少なからず後悔していたでしょう。
別に企画の指令自体がおかしいとは思いませんが、少なくとも筆者には不向きというか、筆者が苦手とする要素が詰まった第1回になっています。
最初や最後、あるいは途中の1文を指定し、短期間で小説を書こうというイベントは、一般ユーザーによる自主企画でもたまに見かけますが、筆者からすると、この形式は制限が強すぎるんですよね。
毎度のことながら、筆者ごときが
「お手洗いくらい、行きたいときに行かせてよ」
と思うのと同じで、小説の中に入れる1文も、書きたいように書かせてもらえないと意味がないもののように思えるのです。
今回のKACの指令「○○には三分以内にやらなければならないことがあった」について言えば、この1文を成立させるためには、「やらなければならないこと」の内容をすぐには明かさない理由が必要になります。
たとえば爆弾の解体とか、恋人へのプレゼントの用意とか、「三分以内にやらなければならない」という状況が何の問題もなく緊張感を生み、読者の興味を引きうる事柄なら、わざわざもったいぶる必要がありません。
「○○は三分以内に爆弾を解体しなければならなかった。しかし、肝心の爆弾の場所が分からない。この建物のどこかにあることは間違いないのだが――」
「○○は三分以内にプレゼントを選ばなければならなかった。遅くとも五分以内には店を出ないと、新幹線に乗り遅れてしまう。今日は遠距離恋愛中の恋人と××ヶ月ぶりに会う日で――」
といった具合に書けばいいからです。
つまり、冒頭の1文でもったいぶることが確定しているからには、この段階では明かさない方が読者の興味を引くような、絶妙な題材を目指さないといけないわけです。
発想力が貧相な筆者にとっては、それを考えるだけでかなり難しく、肝心の物語の起承転結を構想するより先にタイムリミットを迎えてしまいそうです。
これから参加する皆さんは頑張ってください。
筆者は高みの見物をさせていただきます。
ちなみに、「自由挑戦お題」の「全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ」については、順当に考えるなら、実際にバッファローを登場させるのではなく、比喩で攻めることになると思います。
筆者の見立てでは、これがお題に指定されている時点で、小説内に「全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ」というフレーズを入れただけでは読者へのインパクトが物足りなくなります。
そのため、仮に筆者が書くなら、早い段階でバッファローの比喩を入れた上で、後の展開に合わせて、さらに突飛な比喩を重ねていくという方向性になるでしょう。
とはいえ、基本的に比喩というものは、分かりにくいものを分かりやすくするための修辞法なので、初手がバッファローの時点で「分かりにくい比喩」という「悪手」をとることになります。
第1文の緊迫感に反して、あまりシリアスな題材は書けないのではないかな、なんて思います。
軽い世間話のつもりが、すっかり長くなってしまったので、今回はこの辺で。
お付き合いくださり、ありがとうございました。
最後に、このことは報告しておいた方が良かろうということでお話しさせていただきますが、先月自主企画を1つ開催しました。
企画の名前は、「【注意喚起】「特定の作品へ誘導している」企画は削除される場合があると、カクヨムのガイドラインに明記されています。」
https://kakuyomu.jp/user_events/16818023212056577718?order=published_at#enteredWorks
この企画名だけで、だいたい察していただけると思います。
自主企画一覧にガイドライン違反の疑いが濃厚な企画が乱立していることへの苛立ちに任せて、
自主企画の開催期間としては最短の1週間で終わらせたのは、この企画はひとまず平和的に終わらせること、平和的に終わったという事実を作ることが大切だと考えたからです。
「利用規約やガイドラインを守りましょう」
「ルールを守っている(守ろうとしている)書き手さんって素敵ですよね」
というのがこの企画の趣旨なので、文句が来ることはないと思い、近況ノートでの相談窓口は設けませんでした。
ところが、予想外なことに、賛同してくださる方々がそのことを筆者に伝えに来てくださり、新年のご挨拶の近況ノートがこの話題で
ご参加くださった皆さん、応援してくださった皆さん、ありがとうございました。
これも予想外なことでしたが、この企画を立てた直後は、「特定の作品へ誘導している」新しい自主企画がぐっと減っていたように思います。
ただの偶然かもしれませんが、そのことも嬉しかったです。
2月も終わろうという現在は、すっかり元通りというか、概要欄の末尾で主催者の作品へ誘導する自主企画ばかりの状況に戻ってしまいました。
ですが、1回の注意喚起ですべてがガラリと変わるという期待は最初からしていなかったので、「まあ、そうでしょうね」といったところです。
どこかのタイミングで2回目の注意喚起を入れるのが、こんな自主企画を立ててしまった人間の責任だろうなと思っていますが、とはいえ、ガイドラインの
なお、筆者が自主企画を通して
このことは、以前このエッセイにも書きましたね。
ただ、評価やレビューの確約、読み合いという
不正な方法で評価を水増しする作品が増えれば、小説投稿サイトという場そのものが劣化し、質の低い作品群が不当に流行する事態を
また、筆者の自主企画に賛同してくださった方の文章に書かれていたことですが、自分の作品をガイドライン違反の誘導や評価確約の企画に参加させることは、「そうでもしないと評価やレビューを得られない、その程度のクオリティだ」と自ら白状しているようなもの、という側面もあります。
ルールを破る人間だと思われないためにも、ご自身の作品のクオリティに胸を張るためにも、ガイドライン違反の企画には近付かないように、皆さんにもご注意いただければ、筆者としては嬉しいです。
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