2024年

自分を形作る言葉。

2024年01月03日


 どうも、あじさいです。


 縁起でもない話ですが――、と災害の話題を出して2日ほどでまさかこんなことが起こるとは驚きましたが、ここで罪悪感を覚えるのは自意識過剰であり、傲慢というものでしょう。

 被災された方々が1日でも早く安全で平和な日々を取り戻されることを願っています。



 今回のエッセイは言葉遣いあるいは言い方のお話。


 Twitter(現X)の一部では、

「明けましておめでとうと言える感じではなくなった」

「自粛ムードは誰も得しないからやめろ」

 などと言われていますが、

「新年を祝うにはあまりにも大変なことが起きた」

「つらいときだからこそ、被災者も含めて元気になれる話題を大切にしていきたい」

 などの言い方をした方が良いのではないか、と筆者は思っています。


 我ながら、揚げ足取りや言葉狩りに近いことを言っている気はします。

 ですが、人間は気持ちがあって言葉を発するだけではなく、言葉を発することで自分の気持ちを確認したり、逆に、気持ちを的確に表現できなかったと違和感やもどかしさを覚えたりするものです。

 たとえば、「笑う門には福来る」という諺について、幸せなことが起こった後に笑うのではなく、笑うから幸せになるのだ、とよく言われますね。

 言葉についても同じことが言えるのではないでしょうか。

 とすると、「他者に届ける言葉」という観点だけでなく、「自分を形作る言葉」という観点からの配慮も大切になるはずです。


 上に挙げた例、

「明けましておめでとうと言える感じではなくなった」

「自粛ムードは誰も得しないからやめろ」

 といった言い方は、周りの目を気にしすぎているように思います。

“周りの人の顰蹙ひんしゅくを買いそうだから「おめでとう」と言えない”

“みんなで気落ちするのをけるために、気が進まないかもしれないが明るい話をすべきだ”

 そんなニュアンスがないでしょうか。

 これを言っているご本人の気持ちはどうなのでしょうか。


 もちろん、ほとんどのかたが震災に心を痛め、被災地の方々を心配していることは筆者にも分かります。

 誰も誤解などしないでしょう。

 ですが、「感じ」、「雰囲気」、「空気」、「ムード」などの言葉を持ち出すと、、周りの反応にビクビクしているような印象になるのです。

 もっとストレートに、

「私は心を痛めている(だから新年だが「おめでとう」は言わない)」

「私は皆さんを元気づけたい(だから困難なときこそ明るく振る舞う)」

 と言っていいはずです。

 そういう言い方をした方が、情報の受け手に対しても、自分自身に対しても、誠意を率直そっちょくに届けることができると思います。

 どうせ何か発信するのであれば、世間の常識に照らして何を思うべきか、何を言うべきかではなく、自分自身の気持ちと考えをはっきり言いませんか。

 そういうことを意識した言葉遣いをしてみませんか。


 それとも、「私は――」「私は――」と言いすぎると、「他の人はそうは思わないだろうけど」という尊大で鼻持ちならないイメージにでもなるのでしょうか。

 でも、自分自身の気持ちや感情の表現について、「世間の人も同じことを思っているだろう」、「被災者の人もこれを喜ぶはずだ」と気にして、多様なはずの他者の心情を型にはめるような憶測をこねくり回すのもまた、窮屈きゅうくつじゃないでしょうか。

 そういう思考方法を自ら習慣づけてしまうのは、何だかもったいない気がします。



 最後に無理やりカクヨムにつなげますが、この辺りのちょっとした言葉遣いや言い方のニュアンスは、非常事態や大変な状況にある人と話すときはもちろんのこと、Web小説を書く際にも大切になってくると思います。

 というか、筆者は小説を読むとき、そういうところも気にしてしまうのですが、皆さんはいかがでしょうか。

 筆者自身、自分が書くときは意識したところですぐに配慮が行き届くわけではありません(この記事自体もガバガバかもしれません)が、普段当たり前に使っている言葉だからこそ、少し立ち止まって考える経験を大切にしていきたいと思っています。



 ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。


 自民・公明両党の政権がかたくなに同性婚を認めない状況で、BLや百合をえがく作品のコンテストが大々的に開かれている以上、カクヨムの利用規約で禁止されている「政治的、宗教的行為またはこれに関連する行為」は選挙活動や政治家による売名行為のことであり、一般の市民が政府や政策を批判することは問題ない、というのが筆者の認識です。

 そのため、いつかこことは別のエッセイあるいは評論で、政治や社会についてお話しさせていただくことも考えています。

 とはいえ、ネットで閲覧可能な新聞記事やニュース動画をいくつか紹介してコメントを添えるだけになるかもしれませんし、そもそも書かないかもしれません。


 ひとまず今日のところは、Twitter(現X)で紹介されていた興味深い記事を、皆さんとも共有したいと思います。

 今回の地震ではなく、2019年に台風19号が長野県を襲ったときの記事です。


 Yahoo! ニュース(オリジナル)「ざこ寝、プライバシーなし……「避難所の劣悪な環境」なぜ変わらないのか」2019年11月01日。

 https://news.yahoo.co.jp/feature/1487/


 東日本大震災の復興や社会保障拡充のためだったはずの消費増税が所得税・法人税の減税分の穴埋めにてられ、コロナ禍では GoTo トラベルや東京五輪など政府と企業の癒着(賄賂・中抜き)が横行したと聞きますが、自民・公明両党は今度こそ国民のために本来の仕事をするのか、それとも国民がついに愛想をつかすのか……。

 気を抜けない大変なときだからこそ、主権者である国民の皆さんには政府・自治体に対して批判の目を向けていただきたいと思います。


 皆さん、どうかご無事で。


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