怠惰な時間の過ごし方。
2023年05月11日
どうも、あじさいです。
前回書きませんでしたが、仮に普段Web小説しか読まないとしても、読書量が多いことは良いことだと、筆者は思っています。
これは前回も書きましたが、Web小説と言ってもいわゆるなろう系のゲーム的な異世界モノばかりではありませんし、目を見張るような良作も見つかるものですからね。
不満なのは、問題の多い作品が、差別的な風潮に乗っかったり、時にガイドライン違反の手段を使ったりして、PVや評価を稼いでいるのではないか、ということ。
そして、カクヨムの運営はそれを承知の上で、あえてユーザーの読書量の数字だけを公開して、「さあ、皆さんもたくさん読んで、たくさん書きましょうね」という雰囲気づくりをしているのではないか、ということです。
皆さんが健全な範囲でたくさんの作品に触れているのであれば、それはとても素晴らしいことだと思います。
それから、前回の書き方では、筆者がカクヨムの外でとてつもなく高尚な読書生活をしているような印象を与えたかもしれませんが、恥ずかしながらそんなことはありません。
3ヶ月前に『カラマーゾフの兄弟』を読んだ後、(自称)読書家としてワンランク上の存在になったような気になり、高校時代に理解できなかったシェイクスピアの『ハムレット』に再挑戦し、NHK『100分de名著』の解説も読んだのですが、正直さっぱりでした。
話というか出来事は理解できたはずですが、ツッコミどころ満載という印象で、ここまで高く評価される理由は分かりませんでした(平安文学を代表する『伊勢物語』も、原文や現代語訳だけでは物足りず、平安の
その後は、KACに参加したり、YouTubeで『ホグワーツ・レガシー』のゲーム実況動画にハマったり、仏教に興味があるという親のために『歎異抄』を解説するレジュメを作ったりしていました。
ただ、そのように活動的だったのは少し前までの話です。
直近の数週間は、dアニメストアで適当な深夜アニメを再視聴しながら、手慰みにスマホゲーム。
あの手この手で無料マンガを探し、ここ数日は、マンガアプリ「ピッコマ」でなろう系マンガの『くまクマ熊ベアー』を読み進めています。
圧倒的怠惰っ……!
『くまクマ熊ベアー』は、筆者の印象ではちょっと不思議な作品です。
世間的な評価について言えば、今期(2023年春)、アニメ第2期が放送されているわけですから、1クール(12話)の放送から続編の報せがない『賢者の孫』や『異世界チート魔術師』より受けが良かったと言えそうです。
とはいえ、マンガ版を読んだ限り、人に薦めたりSNSで話題にしたりするほどの作品ではありません。
可もなく不可もなし、とも言い難いです。
基本的に話の展開が読者の予想を超えてくることはありませんし、起承転結や三幕構成がはっきりしているようにも見えません。
シリアスな物語と見るには緊張感がなくてギャグ調なのに、コメディやギャグにしては物足りなくて退屈です。
同じなろう系で比較しても、もっと面白い作品は多いと思います。
物語としての単純な完成度や、チート無双が好きな読者の需要に応えるという点で言うと、『魔王学院の不適合者』の方が上だと思います。
ユーモアに関しては、『この素晴らしい世界に祝福を!』の足元にも及ばないでしょう。
視聴者からボロクソに批判されるサンドバッグとしては、『賢者の孫』や『異世界はスマートフォンとともに』の方が優秀だと思います。
その意味で、この『くまクマ熊ベアー』は、作者さんや出版社がどの層をターゲットにして売り出しているのか、どういう読者・視聴者がどこを面白がると思ってこういう話になったのか、よく分かりません。
しかし、その一方で、読んでいてそこまで不快ではない気がします。
ゲーム的な異世界に転生した際、パジャマのようなクマの被り物を事実上脱げなくなった女の子が主人公という、いかにも男性受けを狙っていそうな設定でありながら、エロ要素・ラッキースケベ展開は控えめなのが、良いと思います。
加えて、異世界に転生したとか、主人公が現代日本の生活に未練がないとか、現場の貴族が持て余していた問題が主人公の介入で完璧に解決されてしまうとかの「無茶」に対して、話運びが自然と言うほどではないにせよ、作者さんや漫画家さんには自覚がある感じがするので、一旦その後の話に期待してみようかという気分になれます。
もちろん、チート系のご多分に漏れず、主人公は少々いけ好かないですし、周りの人間もすぐに主人公を好きになって、まるで宗教のように全面的に信用してしまいますが、そもそもタイトルからして細やかな人間ドラマを書く気がないのは明らかですし、話の流れによっては主人公が貴族や商人に翻弄されて不本意な仕事をさせられるので、何から何までトントン拍子という感じはしません。
日常生活で溜まったイライラを散らす(マイナスをプラスにするのではなく、マイナスを一旦ゼロにする)ための暇潰し、という意味では、下手に内容がある作品よりも、こういう作品の方が継続して読みやすくていいのかもしれません。
以前の内容を忘れてしまっても、キャラクターの名前が記憶に残らなくても「まあ、別に構わないだろう」と思えるので、気楽に、惰性でページをめくってしまうというのもあります。
実はすでに何度か「もういいかな」と思ってきましたが、それでも暇だとついページにアクセスして、読み進めてしまいます。
有意義な読書生活のためには、こういう悪しき習慣こそ排除していかないといけないのですが、まあ、ひとまず気が向く限りにおいて、ピッコマで読めるだけ読んでしまおうかな、とも思っています。
先ほど言っていた、親のために作った『歎異抄』のレジュメが、どうやら親自身にはさほど望まれていなかったようで、少々意気消沈しているので、気力が回復するまではそういうのもありですよね、きっと。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
なろう系作品に対する筆者の距離感は、割と気分次第であり、かつてマンガ版を読み進めたりアニメ版を最後まで見たりした作品も、後になってどうしてそんなに追いかけていたのか分からなくなることがあります。
タイトルが長すぎるので省略しますが、『スライム倒して300年』、『失格紋の最強賢者』、『齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定』、『落第賢者の学院無双』、『転生賢者の異世界ライフ』なども、そんな調子でぼんやり読み進めたことがありますが、今となってはアニメ化されても見る気が起きません。
場面によってはそれなりに面白かったと記憶していますが、見返して懐かしさを感じるほどの話ではなかった気がします。
『くまクマ熊ベアー』も筆者にとってはそういう作品の1つですから、これから読むという方はあまり期待しすぎないようにしてください。
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