KAC完走の報酬を頂きました。
2023年06月03日
どうも、あじさいです。
前回、いわゆるなろう系作品で『この素晴らしい世界に祝福を!』はユーモアがある作品と書きましたが、改めて思い返すと、あの作品のギャグは、誰かの不幸を嗤うという悪趣味なものが多かった気がします(実はアニメ第1期しか見ていませんし、その内容さえあまり覚えていません)。
なろう系でギャグが面白い作品が他に思いつかなかったとはいえ、軽はずみでした。
でも、実際のところ、なろう系の有名作品で、コメディ・ギャグに定評があるものって、何があるでしょうか?
感想サイトなどで、マンガ版やアニメ版に対し、「しょせんマンガだから」、「ギャグ作品にマジなツッコミを入れるな」というフォローが入っている光景は、しばしば見かけます。
ですが、コメディがちゃんと面白ければ、そもそもそんなフォローは要らないはずです。
結局、なろう系作品は笑えないギャグが多いのではないかと思います。
――元々がネットの素人芸、大学生がサークル仲間にする笑い話のようなものを、ステージだけプロと同じにするのですから、滑る方がむしろ当然かもしれませんが。
さて、3月に開催されたKACは、7つのお題に沿い、条件を満たした7つの小説を書くと、報酬として300リワードがもらえることになっていました。
筆者は7つの小説を書いてKACを完走したものの、作品公開後に本文やタグをいじったので、もしかすると報酬を得られないかもしれない、と思っていました。
しかし、この件に関してカクヨムの運営は良心的だったようで、去る5/16に、筆者のもとにリワード獲得の通知が入りました。
リワードが500に達すると
期間内に短編小説を7作も書く労力に対して300リワードでは「低賃金」もいいところですが、本来は何も貰えなくて当然なので、さすがの筆者も不満はありません。
むしろ、目標が存在すること自体によって達成感が生まれるので、仮にこれが100リワードだったとしても、良い企画なのは変わらないと思います。
気になったのは、報酬よりお題の方です。
話の筋書きがほぼ決まってしまう「深夜の散歩で起きた出来事」も相当書きにくかったですが、「アンラッキーセブン」はもう本当に……。
見た瞬間、勘弁してくれ、と思いました。
筆者はただでさえ星座占いも血液型占いも心理テストも信じないので、日常生活で「ラッキーセブン」を意識することがありませんし、それをひっくり返した「アンラッキーセブン」を題材に小説を構想するなんて無茶もいいところでした。
というか、実際、内容の推敲が不充分なまま投稿し、読者の皆さんのお目を汚す結果になりました。
読者としての立場から考えても、
「『アンラッキーセブン』を題材に短編を書きました!」
と言われて、積極的に何作も読みたいと思えるのか疑問です。
ここで言っても仕方ないことですが、「本屋」や「ぐちゃぐちゃ」のようにシンプルで、書き手ごとの個性が発揮されるお題ならまだしも、そうでない場合、何人もの書き手の作品を読み比べても面白くないでしょう。
となれば、1作あたりのPVが伸びないでしょうし、広告表示やそれに伴う利益も大きくならないのではないか、と要らぬ心配をしてしまいます。
もちろん、お題に苦労したというこの辺りの事情を、読者の皆さんに酌んでほしいとは言いません。
自分で決めてカクヨムに投稿したからには、読者を楽しませるのが筆者の務めです。
エッセイなどで弱音を吐くことがあるにしても、「面白くない」、「満足できない」、「そもそも読む気がしない」のは、読者の皆さんではなく、書き手である筆者の責任です。
作品によっては譲れない部分もありますが、小説という形にまとめるからにはエンタメ性を追求していきたいと思っています。
話は再び変わりますが、「読み手」として、楽しみなことの話を1つさせてください。
先日、気まぐれで本屋に行きました。
同じく気まぐれでNHKテレビテキストの棚を見まして、そのとき初めて、今月2023年6月の『100分de名著』がナオミ・クライン氏の『ショック・ドクトリン』を扱い、その解説者が
勉強不足な筆者は、邦訳が2011年に出版されていたクライン氏の本のことを全く知りませんでしたが、堤氏の『貧困大国アメリカ』は読んだことがあったので、その場でテレビテキストを買いました。
その日の内にこれを読み、今は同時に買った『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』(幻冬舎新書)を読み進めているのですが、この内容をNHKがやるとしたら、凄いことだと思います。
番組自体をどこまで評価するかは置いておいて、今月の『100分de名著』は見逃せません。
皆さんもよろしければぜひご覧になってみてください。
あまり多くないかもしれませんが、もしかすると、この手の議論を陰謀論だと思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は筆者も「そんなに上手くいくかな?」と思いながら読んでいました。
ただ、もちろんそれは本をコンパクトにまとめるために細部の経緯や試行錯誤の話を削っているからでしょうし、世界各地の貧困問題や戦争・紛争の話を思い出すと、そういうことも充分あり得るという気がしてきます。
コーヒー産業やチョコレート産業、ダイアモンド産業などが特に有名ですが、世界的な大企業は利益のためにはなりふり構わないものですし、それによる深刻な人権侵害もまた、こう言っては何ですが、日常茶飯事です(我々の社会はまだ歴史の中にあり、発展途上なのです)。
少し毛色は違うにしても、人類にはアヘン戦争や欧米列強の植民地支配、ソ連の粛清、ナチスのユダヤ人大虐殺(ホロコースト/ショア)、米軍による日本市民の虐殺・原爆投下、ベトナム戦争、世界各地で起きた民族浄化、日本だと戦時中の国家総動員、近年も旧統一教会と政治家たちとの癒着など、分かりやすい前科が数多くあります。
人類史的には、人間とはいつどんな悪事を働くか分からないものであり、その集団が富と権力を独占しかねない立場にある場合には、なおのこと注意が必要です。
当然ながら、この場合の「注意」とは、悲劇が起きてから批判するのではなく、悲劇が起きる可能性をあらかじめ潰しておくということです。
ショック・ドクトリンをめぐる話も、決して非現実的なものではないと思います。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
今日、遅ればせながら、『この素晴らしい世界に祝福を!』のキャラもクロスオーバーで登場するギャグアニメ『異世界かるてっと』の劇場版を見ました。
予告編で嫌な予感はしていましたが、TVアニメ版は(多少の問題はあるにせよ)好きだったので、内容を自分の目で確かめたかったのです。
案の定、ギャグに徹していたからこそ面白かったこの作品でシリアスな展開を作ってしまうと、曖昧になっていた悪い部分が浮き彫りにされるばかりでした。
とはいえ、コメディ部分はそれなりに面白かったので、(劇場ではなくレンタルDVDで見る分には)見て良かったと思います。
NHK『100分de名著』、名著130「ショック・ドクトリン」ナオミ・クライン:
https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/blog/bl/pEwB9LAbAN/bp/p3zjVmO7p3/
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