敬語じゃなくていいんです。

2020年4月5日


 どうも、あじさいです。


 小心者の筆者は、普通に文章を書くと守りに入ってしまいかねないので、このエッセイではなるべく率直そっちょくな本音をさらけ出すことを心がけていますが、前回はさすがに本音をさらけ出しすぎました。

 あれでは皆さんに「読んだな? 読んだからには♡を寄越よこせよ」と言っているようなものでしたね。

 すみませんでした。

 反省はしたつもりですが、最近はあまり本音のブレーキがかなくなってきているので、今回を含めて今後もそういうことがあるかもしれません。

 読者の皆さんには、「何歳になっても自分を客観視できてない奴が、何か言ってるなぁ」くらいに思っていただけると幸いです。


 言うまでもないことであり、今さらの話ではあるのですが、このエッセイや拙作に対して、無理に♡を押していただく必要はありません。

 ♡があった方が嬉しいのは事実ですが、読んだ上で今後に期待しようと思っていただけたのであれば、無くても嬉しいです。

 また、もしも気が向いたら、♡のことは気にせず、読み返してやってください。

 特に、前回のエッセイではハルカトミユキの曲をいくつか紹介したので、少しでも興味の湧いた方はタイトルを確認してYouTubeをご覧いただけると幸いです。




 さて、『ハリー・ポッター』シリーズを読んでいると、イギリスと日本とで文化の違いを感じる場面がたまに出てきます。

 筆者の印象に特に強く残っているのは、『死の秘宝』で、成人したハリーがルーピン先生のことを「リーマス」と名前で呼び始めた一幕です。

 ちょっとは緊張しないのかな、と思うのですが、ハリーを含めて誰も気にしていないようです。

 文化の違いってすごい。


 筆者は、昔からそうなのですが、いつまで経っても相手に対する「くん」「さん」を外せず、気づけば周りは苗字の呼び捨てや名前呼びなのに筆者だけ「くん」「さん」と呼び続け、相手からもそう呼ばれ続ける羽目になっています。

 「この世には目に見えない魔法の輪がある」……なんて言い始めると「私は私が嫌い」に着地してしまうのでやめておきますが、もうちょっと周りの人たちと上手く距離を詰められたら良いのに、とは思ってしまいます。

 カクヨムにおいても、そういうパターンから抜け出すことができません。


 カクヨムで小説やエッセイを読んでいて、毎回とは言わないまでもそれなりの頻度で、コメント欄を見させていただくことがあります。

 すると、敬語抜き、タメで話している方が少なからずいらっしゃいます。

 コメントの内容から見てリアルの友人・知人っぽいこともあるのですが、タメで話している方々の数や雰囲気から考えると、すべてがそうという訳でもなさそうです。


 できることなら、筆者もタメで話せるくらい皆さんと仲良くなりたい、などという考えが頭をよぎったことは、もうさらけ出してしまいましょう。


 考え始めて気づいたのですが、カクヨムを通して筆者と関わりを持ってくれている方々について、筆者はその年齢さえ知りません。

 ネット上のことですから、タメで話していた相手が後で聞いたら5歳ほど年上だった、というのは「ごめん、でも、そういうこともあるよね」という話で済ませることも可能でしょう。

 しかし、学校の諸制度を通じて儒教的ヒエラルキーの倫理を刷り込まれている筆者としては、タメで話していた相手が20歳あるいは30歳も年上だと判明した場合、後から笑って済ませる訳にはいきません。


 そして、「筆者は○○歳なので、年上の方はどうぞ敬語抜きで話しかけてください」とは言えないことにも気づきました。

 だって、「年上ならタメでどうぞ」ってことは、裏を返せば、「年下なら敬語を使え」ってことじゃないですか。

 そして、この世の中、ネットで知り合った人が同い年であることなんてめったにありません。

 これではリアルの上下関係をカクヨムにも持ち込んだだけであり、筆者が憧れていた「タメでおしゃべりできる関係」ではなくなってしまいます。


 残された道は、年齢に関わらず皆さんにタメで話しかけていただいて、筆者だけ誰に対しても敬語を使い続けることです。

 もちろん、別にそれでも構わないのですが、しかし、それにもひとつ問題があります。

 お察しの通りですが、「年齢にかかわらず、話しかけるときはタメでお願いします(ただし筆者は敬語を使います)」と言うと、皆さんの反応を試しているみたいになることです。

 筆者が逆の立場だったら、そんなことを言われてもタメで話しかけられません。何となく怖いので。

 人によっては、「何だか面倒くさそうな奴だ」と判断して、話しかけること自体をやめてしまうかもしれません。

 それでは本末転倒です。


 こういうとき、英語だったら迷うことなどないのでしょうね、タメと敬語の区別がないので。

 ただ、当たり前に敬語を使っている身からすると、そんな状態でネットを使っていたらトラブルの連続だろうな、という気がします。

(まあ、英語にも婉曲的な表現で敬意を表すやり方があるそうですし、全く敬語表現がない訳でもないらしいですが。)

 やっぱり、仁と礼を重んじているくらいで、筆者には丁度良いのかもしれません。


 ということで、皆さん、今後とも不器用なあじさいをよろしくお願いします。

 一応ですが、こんな話をしたからと言って、無理に話しかけていただく必要はありませんよ(笑)

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