短編チャレンジ。
2020年3月17日
どうも、あじさいです。
何かのTV番組でやっていましたが、最近の小学生だか中学生だかの家庭科の教科書には、ファッションについて押さえておくべき基本的なポイントが書かれていて、生徒と同年代の子供たちがモデルとなった写真まで
季節ごとのコーディネートや色の合わせ方が学期末のテストに出題されると考えると少し憂鬱ですが、学校でそれを勉強できるのはちょっとうらやましい気もします。
というのも、青春時代を部活・読書・勉強に費やした筆者は、ファッションやオシャレのことがさっぱり分からず、何を着ても弟・妹から「ダサい」「流行おくれ」「もっと他人の目を意識したら?」と言われるからです。
そういう訳で、こんな筆者でも(家族に
ナウいヤングな弟・妹の話を聞いたり雑誌を見たりしている内に、「あー、そういうことね、完全に理解した」という気分になってきて、あれを着よう、これを買おう、と思って服屋に繰り出します。
ところが、不思議なもので、きちんと彼ら彼女らの言う通りに色とデザインを選んだはずなのに、服屋でそれを試着しているとどうもしっくりきません。
どういうファッションが人気なのか分かっていても、それを自分が着こなせるかは別問題です。
たとえば、白やグレーのセーター。
体型の問題なのか顔の濃さの問題なのか分かりませんが、これらの薄い色が筆者には壊滅的に似合いません。
いくら筆者でも、鏡を見ればそれくらい分かります。
そして、タートルネック。
街ではよく見かけますが、首が
そんなことを言いながら、悩みに悩んで買った服を着て外に出ると、友人から「あじさいっていつも同じような服着てるし、ファッションに興味なさそうだよね」などと面と向かって言われる始末です。
何の話かと言うと、「短編小説の執筆にチャレンジしてみた」という話です。
ファッションに
コンパクトに要旨をまとめた、サクッと読めて気軽に楽しめる物語。
長編だと書く方も読む方もどうしても身構えてしまいますが、短編だとそんなことはないはずです。
その少ない文字数と大きく空いた余白だけで読者を安心させることができる、それが短編小説です。
そのため、こんな筆者ですが、いつか自分も短編小説を書いてみたい、と心密かに思ってきました。
ファッション誌をめくっていると「こういう服なら自分にも似合うんじゃないか」という錯覚に
それで構想を練ってみるのですが、あーでもない、こーでもない、ということが色々浮上してきて、どうもしっくりくるものが見当たりません。
どういう作品が流行っているのかは分かっていても、それを自分が書けるかは別問題という訳です。
カクヨムでは異世界ファンタジーが大きな潮流となっていますが、世界観や設定を作り込む必要がある気がするので、少なくとも筆者にとっては、短編で異世界ファンタジーを書くことは難しく感じられます。
ということで、異世界ファンタジー、エッセイに続いて筆者が好きなジャンル・学園ものに移行します。
カクヨムでも、軽いノリのラブコメは異世界ファンタジーと並んで人気なようです。
よし、ラブコメを目指そう、という話になるのですが、タートルネックと同じで、人気だと分かっていても体が受け付けないものがあります。
ここ数週間のカクヨムのランキングを見ていると、どうやら、ハイスペックな幼馴染や妹が冴えない主人公とイチャイチャするラブコメが人気のようです。
こう言っては何ですが、思いっきり男性の願望を具現化したようなコンセプトですよね(笑)
もちろん、需要があればそれに応えるのは戦略として
多くの人に読んでもらえる短編を書こうというのであれば、そういうツボを押さえるべきなのでしょう。
しかし、筆者のプライドがそれを許しませんでした。
別にね、
彼女がやたらハイスペックな高校生だということも、物語を構成する一要素としてはありとしましょう。
また、冴えない男の子にやたら可愛い妹がいるというのも、なくはないものとしましょう。
ただ、彼女たちが「冴えない主人公」のことを何の理由もないのに
それとね、こんなことを言ったら色々な人を敵に回しそうですが、血のつながっている兄貴をエロい目で見てくる妹ってどうなのよ、って思います。
妹として過ごしてきた可愛い女の子と実は血がつながっていないことが判明してドキドキする、というならまだ分かりますよ。
ですが、ガッツリ血がつながっている(と認識している)兄妹がお互いを異性として見るとなってくると……首が痒くて、
ということで、筆者の短編には幼馴染も、妹も、これといった理由なく主人公を好きになるヒロインも、登場させないことにしました。
とはいえ、学園ものの短編で恋愛を
今になって思えば男がヒロインに
とはいえ、ナンパされたり道に迷ったりして困っている女を男が紳士的に助ける、というエピソードは書きたくありません。
ありふれているということもありますが、男が女を助けるという構図を無批判に踏襲すると、女は弱者であるという主張を作者として発することになりかねないからです。
ということで、ヒロインが主人公(男)に惚れている、ないしは特別な興味を持っている要因は、主人公の性格や経歴を多少特殊なものとするにしても、別のところに設定することにしました。
これに続いて、では、ヒロインはどういうふうに迫るか――読者には好意が明確に見えても主人公にはそう見えない、あるいは主人公がヒロインの思いに応えにくい状況ってどんなものだろう――といった問題が浮上してきます。
ただ、その話を延々と続けているといくら文字数を
この作品、当初はアイディアだけ詰め込んで1話完結にするつもりでしたが、第1話だけではほとんど何も語れなかったので1万字前後で完結させることを考え、それでも収まりが悪いので続編を書いて……という具合に文字数が膨れ上がっています。
今、合計で3万字前後のところまで書き上げており、とりあえずこれで(少なくとも一旦は)完結させようか、と思っているのですが、ちょうどキャラに愛着が
筆者としては、いわゆる万人受けを狙って、「高校」、「ダブルヒロイン」、「ちょいエロ」というみんなが好きな要素を盛り込んだ作品を目指したつもりです。
しかし、実際に書いてみても、書けると思った通りには書けないもので、長々とは書かないつもりだった部分の描写が増えていたり、予想外にマジレス的なメッセージが組み込まれていたりすることになりました。
あれ? こんな作品を書きたかったんだっけ?
これが良いか悪いかはちょっと判断に迷いますが、とりあえず率直なところを言えば、狙った通りのテンプレ作品ではなく個性的な作品に育ってくれたことも、少しばかり嬉しく感じています。
自分のことながら、不思議です。
さあ、今回の話のまとめです。
ファッションにしても、体型や顔に合わない服は着ても似合いませんし、また、自分でポイントをよく分かっていないまま服を着ても自信を持てません。
それと同じで、理念や文体に沿わない小説や、自分で好きになれない小説は、書こうと思ってもしっくり来ませんし、満足のいくようには書けませんし、書けたとしても長続きしません。
自分の書きたいように、というだけでは逆に色々と苦しくなるかもしれませんが、自分の強い分野と弱い分野についてはきちんと理解した上で書くことが大切なのだろうな、とは思います。
――――
※追記(2021年5月28日)
この短編小説は一時非公開にしていましたが、2021年5月になって第1~第4話を一部修正の上で再公開しました。
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