自主企画の反省。

2020年3月2日


 どうも、あじさいです。


 ライトノベルとしてはかなり有名な作品だと思いますが、皆さんは『生徒会の一存』ってご存じでしょうか。

 実は結構長いシリーズで、本編10冊、外伝7冊、続編2冊の計19冊で構成されています。

 本編に外伝の話が絡んでくるので、本編を読み始めたからには結局外伝も読まないと面白みが充分に分からないようになっています。

 コメディ寄りの日常系ラブコメで17+2冊も続けられるのにはカラクリがあって、途中から、シリアスと言わないまでもハートフルっぽい展開を見せるんですよ(アニメではほとんど取り上げられませんでしたが)。

 元々がコメディであることを忘れて冷静な目で見てしまうとしらけるくらいにはアホな内容ですが、そうは言いつつなかなか見どころがありまして、筆者にはひびいた台詞がいくつかあります。

 たとえば、主人公とちょっと仲の悪い人物がこんな趣旨のことを言うんですね。


「自分のワガママを貫けばそれにそぐわない誰かを傷つけることになる。

 生きていくということは生存競争を勝ち抜くということであり、何も傷つけたくないなら死ぬしかしない。

 その意味で、全ての人間は自分の欲望、野望のために生きている。

 だから、他人の幸せ、欲望、願い、想いに、必要以上に責任を持つ必要などない」


 早い話が、みんな好き勝手に生きてるんだからお前も好きに生きればええやんけ、その過程で傷つき傷つけられてもお互い様やんけ、ということです。

 「好きに生きる」というのを「欲望のままに生きる」という意味ではなく「なりたい自分を目指して生きる」という方の意味でとらえるのであれば、これはまさにその通りだと思います。


 長々と何の話かと申しますと、自主企画の話です。




 おかげさまで、主催者である筆者が精神的に追い込まれることなく、自主企画「スロースタートだけど感想が欲しいファンタジーの会」の参加受付終了にこぎつけることができました。

 アンチな罵詈雑言が近況ノートや拙作の応援コメントに殺到する事態にならずに済み、本当に良かったです。

 もちろん、企画自体は「俺たちの冒険はこれからだ!」という段階なのですが、参加受付が終了したので、一区切りということにさせてください。


 筆者の自主企画に関心を寄せてくださった皆さんが、筆者の反省すべき点を何か1つ思い浮かべるとすれば、初日に筆者が参加者の方に対してブチギレた一件だと思います。

 冷静に振り返ってみれば、筆者にも非がありました。

 また、このエッセイの場をお借りして怒りを吐露したのは大人げなかったと思います。

 ただ、率直なところ、あまり後悔はしていません。

 というのも、「自主企画を始めました」の回は、わずかながら他の回よりもPVが多いからです。

 おそらく、企画への参加を検討された方の中にご覧になる方がいらっしゃったのでしょう。

 そういう方々に対してだけではあるにせよ、企画の内容をより深くご理解いただく機会を提供できたという点で、あの回を書いたことにも意味はあったと思っています。


 筆者が最も反省しているのは、企画内容の説明を全体的に回りくどくて曖昧あいまいな表現にしたことです。

 その方が丁寧かと思ってわざとそうしたのですが、誤解の元だったかもしれません。

 いちばんひどいのはおそらく「こんな作品を歓迎します」という項目で、1つでも当てはまれば歓迎するのか、すべてに当てはまる作品だけを募集しているのか分かりにくかったと思います(筆者は後者のつもりでした)。

 長文の企画内容を隅々まできちんと読んでもらいたいというのも無茶な要求のようなので、今後はどんな作品を募集するかだけでなく、「どんな作品を排除するか」に言及しても良いかもしれない、と感じました。


 また、「本企画は主催者が参加作品をすべて読むタイプの企画ではありません」という記述も過剰な期待を呼び起こしたかもしれません。

 筆者の意図としては、「すべての参加作品に目を通すつもりは最初からありません、主催者からのコメントは期待しないでください」というネガティブな意味を込めていました。

 ただ、読み方によっては「期間中にすべてを読むことはできませんが、なるべく多くに目を通します」というポジティブな宣言に見えなくもないんですよね。

 実際、企画を始めたときは「今は読む」と決めていた時期だったので、内心ではガンガン読みまくるつもりでした。

 ですが、開催から間もなく持病の偏頭痛がひどくなったり、そうかと思うと書く方の調子が良くなったりして、筆者が思っていた以上に「読む」ことができませんでした。

 参加者の方々に対して申し訳なかったと思います。




 ただし、そうは言っても筆者はめげませんよ。

 たしかに、反省すべき点はありますし、参加者の方々に不快な思いをさせたかもしれないとか、期待に応えられなかったかもしれないとか、思うところもあります。

 また、行き詰まっていた執筆活動を立て直しつつあるので、今後しばらくは自主企画から距離を置くつもりでいます。

 ですが、自主企画を開いたこと自体については別に後悔していません。

 拙作を完結させるためなら筆者は全力を尽くしますし、諸々のルールから外れない範囲で、使えるものはモノであろうが人であろうが使わせていただくつもりです。

 勉強させていただくつもりで自主企画を立ち上げましたし、今なら書けると思ったから読むことより書くことを優先しました。

 それはひょっとすると企画の主催者としては不誠実なのかもしれませんが、一方で、未完の長編ファンタジーをサイトに上げてしまった書き手としては当然の努力だと思います。

 もうね、何をやっても誰かのことは不快にしてしまうんです。

 なら、そこは開き直ってベストを尽くすしかないでしょう。


 ということで、今回は自主企画の反省をするつもりでしたが、気づけば言い訳になっていました。

 まあ、でも、カクヨムの海を泳ぐのであれば、心構えはこれくらいで丁度良いと思います。

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