応援コメントの難しさ。(前編)

2020年1月29日


 どうも、あじさいです。


 エッセイを書くというのは大変ですね。

 もちろん、生活がかっている訳でもなく、誰かに求められている訳でもないので、その点は気楽ですが、書き方だけでなく書くタイミングも難しいと感じます。

 某アニメ(正確にはその劇中作)に「今日知ったことは明日くつがえる」という台詞がありますが、カクヨム初心者の内は毎日がそんな調子で、「今日はこんなことを学びました」という文章を書いている最中に新たな発見があるという具合です。

 何の話かと言いますと、応援コメントの話です。




 皆さんはカクヨムを使い始めた頃、応援コメントの書き方について戸惑いませんでしたか?

「応援コメントのボタンを押しても他の人のコメントが出てくるだけで書けないぞ?」とか、「この♡は押してもいいのかな?」とか、「レビューっていうのとはどう違うんだろう?」とか。


 ……と話を振っておいて何なのですが、筆者には秘策がありました。

 カクヨムの使い方をネットで検索していたのです。

 そこで見つけた記事が、@hiro1969さんの『カクヨムの歩き方 初級編』。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054889375501

 拙作に前書きや後書きを付けられないものかと思って検索したときに(結論を言うと、どうやら、付けるなら自分で工夫するしかないようです)たまたま見つけたのですが、とても参考になりました。

 この記事を読んだり他の記事を参照したりしている内に、どうやら♡と応援コメントは書き手さんへの応援で、☆とレビューは他の読者さんへの宣伝らしいと、だいたいの事情を把握しました。


 とはいえ、この応援コメント、それぞれのユーザーの判断に委ねられている事柄があります。

 それは、作品を読んで抱いた疑問や見つけた改善点を指摘するかどうかということです。




 「なろう」の場合、感想の記入欄が「良い点」「気になる点」「一言」の順に3つに分かれています。

 筆者はこれに慣れてしまっていたので、「応援コメント」という名称に違和感を抱きました。


 え、「気になる点」は書かない方がいいの?


 名称のこともそうですが、♡という明確な好意の象徴シンボルを色づかせてから書きますし、他の読者さんの目にもつきやすいものです。

 書き手が読者からの肯定的なメッセージを受け取るためのシステムなら、あまり批判的なことを書かない方が良いのかな、と思いました。


 しかしですよ、やはり気になるものは気になる。


 ある作品を読んで、「ハッピーエンドっぽくなってるけど、結局、この父親は自分中心の考え方を改めてないよね?」という点が気になった筆者は、ちょっと悩んだのですが、その疑問を書き手さんにぶつけることにしました。


 別に小説投稿サイトだからって、みんながプロを目指してる訳じゃあるまいし、疑問点や改善点なんか伝えなくても、自己満足の世界でと読み、書いていられればそれでいいだろう、という意見もあるかもしれません。

 たぶん、そっちの方が物事の本質を突いているんだろうとは思います。

 それでも、筆者としては、書き手は自分の文章に対して向上心を持っているものと信じたいですし、多少厳しい言葉を投げることになったとしても、その向上心を応援したいと思ってしまうのです。

 学生時代に或る先生に言われたことですが、やはり筆者はロマンチストなのかもしれません。


 それでですね、結局、「気になる点」を書いて送信したんですよ。

 そうしたら、書き手さんが返信をくださって、「ちゃんと読んでくださったからこそ、出てきた感想だと思います。/この作品は父性の身勝手さを表現した作品なのですが、成功したようなので良かったと思います」とおっしゃって、感謝の言葉を述べてくださいました。




 筆者、真に受けちゃいました。




 「やっぱり間違ってなかったんだ」、「応援コメントで疑問を書いたり作品の不備を指摘したりしても構わないんだ」と思い、その後、文章の不備やよく分からなかった点を指摘する長文の応援コメントを、何人かの書き手さんに送らせていただきました。


 もちろん、作品の「良い点」を最初に書いた上でのことです。

 実際、感想を送るときは、その作品について「気になる点」よりも「良い点」の方を強く感じている場合がほとんどです。その作品を(少なくともある程度は)面白いと思わなければ、わざわざ「気になる点」について長文のコメントを送ることはしません。

 それはもちろん、つまらないと感じた(筆者の趣味嗜好と合わなかった)作品について論じようとしても、面倒だという思いが先に立って筆が進まないからです。

 ただ、筆者の場合は困ったことに、面白かったと思って感想を書き始めても、気付いたときにはいつも「気になる点」の方が長くなっているのです。


 それはおそらく、文章の上手さやコミカルな台詞の例をひとつひとつ列挙して褒めることがないのに対し、「気になった」文章や台詞については、書き手さんが或る種の間違いを犯していると指摘する以上、具体的に個々の箇所を列挙する必要が生じているからなのでしょう。


 筆者が送った不躾ぶしつけなコメントに対し、どの書き手さんも、感謝の言葉を添えた好意的な返信をくださいました。

 そういった書き手さんたちが内心でどんな気持ちだったのか、筆者が思い知ったのは1/27のことです。




 なんと拙作に対して、感想が送られてきたのです。カクヨムではなく、「なろう」で、ですが。

 もちろん、ポイントによる評価や♡や☆も嬉しいものですが、やはり読者さん自身の言葉による感想は格別です。

 特に、拙作に対しては11月に感想が1通あったきりだったので(感想が書きにくい作品だという自覚はあるので、それでも充分ありがたいのですが)、久々かつ2通目の感想ということで、通知を見たときは舞い上がって、それまでやっていた作業どころではなくなりました。

 そして開封した感想に、書いてあったのです、「気になる点」が!


 痛いところを突かれた! と、読んで思いました。


 たしかに、この手の批判が来ることは分かっていた、というタイプのコメントではありました。

 しかし、いざ突きつけられてみると、落ち着かない、ざわざわした心持ちになりました。

 この心境、筆者には上手く言い表せません。「ざわざわした」が精一杯です。

 読者から批判的な感想をもらった書き手さんたちってこんな気分だったのかと、このときになってようやく思い知りました。

 救いは、その感想の最後に「読み続けますので頑張ってください!!」と書いてあったことでした(ありがたいことです)。

 筆者がコメントを送ったときは、この方よりも手痛く批判的な内容を長々と書いていたので、受け取った書き手さんたちは筆者の何倍もの心のざわつきを感じていたことでしょう。

 罪深いことをしたものだな、と思いました。

 そして、あの書き手さんたちはこんな筆者に対しても大人な対応ができるくらい、人間的にできていらっしゃったんだな、と敬服しました。




 この話、もう少し続けたいのですが、既に長々と書いてしまったので、ページを改めたいと思います。

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