唯ノ食日記

唯ノ芥

あんバターがすべて…わたしはそう信じていたのに

‪拝啓 あんバター様‬


‪あなたと出会った時‬

‪わたしの心は踊りました‬

‪しかし、あんバター様‬

‪お気を悪くしないで‬

‪聞いて頂きたいのです‬


‪わたし…‬

‪あの方と出会ってしまったのです‬


‪あぁ、あんバター様…‬

‪貴方は時折冷たかった…‬

あの頃のわたしはその冷たさすら

心地良く受け入れていましたし

貴方から溢れるくらいの熱を感じた時は

わたしも蒸気して興奮したものです


‪しかし気付いたのです

そもそもはじめから熱をもっているか…

これが実は1番重要なのだと…


あの方の熱を帯びた姿をはじめて見た時

正直申し上げて、わたし…


滑稽に感じました


今考えれば恥ずかしいばかりなのですが

鼻で笑いすらしました


けれどそれは大きな大きな間違いでした

あの方の周囲に宿る今にも焦げそうな情熱がわたしの魂を揺さぶったのです!

それはもう、人生でなかなか味わうことの出来ない感覚…

『これだ!この方をわたしは探していたのだ!』という抗えない確信…

‪わたしはもう虜になってしまっていたのです




‪ようかん=チーズ=フォンデュ…




あの方の気高き御名です

あんバター様

わたしあなたを忘れません

きっとあの方は

貴方の背中を追ってらした方…

青は藍より出でて藍より青し

そういうことなのだと思います


あんバター様

あなたはすべての人々にとって

かけがえのない素晴らしい方…

でももう、わたしは

あの方を知ってしまった

あの方に触れてしまった


だからあんバター様

今までありがとう…


貴方様はすべての人々のもの


わたしは貴方のもとを離れ

あの方と一緒になります

普通の人々が理解出来ない場所で

結ばれ続けます     

                  敬具

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