次男
ここらで、一応次男についても触れておくことにする。
普通に学校に通い、普通に進学している。現在受験生。
しかし幼児期にその発達を一番心配したのは実は次男だった。
長男が生まれて3年と3ヵ月後に次男は生まれた。次男は生まれる時からマイペースだった。
次男を分娩時、医師がエコーを見ながら、あきれるように言った。
「180度、逆を向いてるわ」
"回旋異常"という状態だった。
簡単に説明すると赤ん坊というのは分娩時には狭い産道を通りやすいように本能で自分の身体を回旋しながら生まれてくる。回旋異常というのは、この回旋がうまく出来ていない状態のことだ。
つまり次男の場合、わざわざ産道を通りにくい方向に回って、この世に出ようとしていたのである。
こういう場合たいていは手術室での緊急帝王切開になるのだが、この時はなんとか吸引分娩という方法で次男は産道を通って生まれてくる事ができた。
"ずいぶんとおっちょこちょいな子だな"というのが生まれたばかりの次男に対する最初の印象だった。
しかし、"おっちょこちょい"なのではなく、"マイペースな体質"なのだと私は次男が大きくなるにつれ思うようになった。
"ひょっとして発達障害?"とも思った事もある次男に関する"マイペースな体質"については書き出すとキリがない。詳しくは別の機会に書いてみたいと思う。
しかし、そのマイペースさがこれまでの8年間、彼自身と私や家族、周りの人間の救いになっていた。
なにせ不登校の兄と不登校の弟がいて、両親はその事で必死になっている家庭だ。次男自身だって、拗ねて怒って同じように"学校へは行かない!"と反抗してもおかしくない。
しかし、そういう理由で次男が学校を休んだのは兄と弟がそろって不登校になってから(次男は4年生だった)数日後の1日だけだった。
1日休んだら気が済んだのか、"お前もか"と泣く母を哀れに思ったのか、その後は普通に学校生活を送って普通に進級進学をしていったのだ。
次男をマイペースと表現したが、次男の兄弟や母、家族に対する優しさ、ふところの大きさ、おだやかさも彼がわたし達を救う要因だったのかもしれない。
がんばれ次男!大学受験!
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