長男の始まり
"きちんと育てないと"と思っていた。そう思えば思うほど、長男は"きちんと育たない"ように思えた。
何かうまくいかないとすぐに動揺し、それが私をイライラさせた。
「なんであなたはそうなの⁉︎」
度々投げつけてしまった言葉。
そのままで、そのままの長男でいいのに。
長男の小学校時代、長男の学年は元気な男の子が多かった。近所に5人ほどの友達がいたが、5年生の時の担任はそのグループを「濃いメンバー」と言った。
ママ友の話題でも時々のぼる"悪ガキ"も同じグループだったが、私は元気が良くて人懐こい子だと思っていた。
中学になってその関係が変わっていく事など思いもしなかった。
三男が普通に登校出来なくなって2ヶ月ほどしたころ今度は中学に入学したばかりの長男が学校に行けなくなった。
三男が学校に行かなくなったのを「学校行けよー!」とキツイ言い方をして攻めていたことがあったが、そのうちに「頭が痛い」「足が痛い」と頻繁に身体の不調をうったえるようになった。そのたびに医者に連れていったが、痛み止めや湿布を処方されただけだった。
考えてみれば、開業医は夕方からも診察をしているのだから、受診のために学校を休む必要はなかったのだが、長男は朝から受診することを望んだ。そして、受診した日には、もう学校に行く気はなく家でゲームなどをしてすごすのだった。
6月の終わり頃だろうか、とうとう学校を休む理由がなくなり、私もこれはおかしいと思うようになった。
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