EXTRA 登場人物紹介その1

 

 《シンドバット・シンドリアン》


 ・海の向こうにあるシンドリアン皇国の皇子。

 ・側室の子供で、継承権は第四位。上に一人の姉がいて、他にも継承権を持つ従兄弟もいる。

 ・シンドバットの姉は側室の子だろうと関係なく、シンドバットやその家臣のモルジャーナに優しく接していた。本人もカリスマもあり、女帝の席に座ったが、本当は幼少期からの知り合いである船乗りと両思いだった。それを知ったシンドバットは姉の為に皇帝になることを誓う。

 ・側近のモルジャーナ達を率いて無理矢理に魔法学園に転入して来た。

 ・当然、時期が悪かったので真っ先に疑われた。

 ・トムリドルが雇った連中はシンドリアンを経由して別の国に移動するつもりだったので、タイミングが悪かっただけ。

 ・本人の戦闘センスや武術の心得はあるが、魔法についてはイマイチ。ただし、船乗りとしての腕はピカイチである。

 ・召喚獣はシャチ。属性は水。

 ・トランプ王国の建国時に闇の軍勢と戦った英雄シンドバットの末裔として水神の羽衣という身に付けるだけて持ち主を超人に変える神器を使いこなせる。

 ・その口調や好みの女性にすぐ声をかける姿からチャラ男をイメージするが、愛した女性には深い愛情を注ぐ。それが何人いても。

 ・モルジャーナの事は家族同然だと思っているが、なんとなく気持ちには気付いている。ただし、それを伝えるのは皇帝になるのが確定してからだと思っている。

 ・シルヴィアに惚れて告白した4人目の男になった。


 ※未来の情報。


 ・迷宮探索での功績から水神の羽衣は正式に返還され、それを持ち帰ったシンドバットは国中から認められる英雄になった。

 ・他所の貴族と結婚させられる寸前だった姉を退位させて皇帝の座につく。

 ・姉はその後、皇族である事を捨てて船乗りと結婚した。シンドバットはたまにお忍びでそこへ遊びに行っている。

 ・魔法学園在籍時に何人かの女の子に声をかけて皇国へと連れ帰った。卒業したキャロレインもその一人。

 ・腹心のモルジャーナも妻にする器の広さで子沢山に恵まれた。しかし、次世代の皇帝については色々と悩ましい様子で、シルヴィアやマーリンに相談の手紙を出している。




 《モルジャーナ・ドルフィン》


 ・シンドリアンにある貴族の家の娘。ただし家の位は低い。

 ・ドルフィン家で兄や姉より優れた魔力と身体能力があったため、皇子であるシンドバットに仕える事になった。

 ・主に放浪癖、脱走癖、女好きとダメな所が多くて苦労している。シルヴィア達と初対面で機嫌が悪かったのはシンドバットのせい。

 ・幼少から仕えるシンドバットの本心を理解している数少ない人間で、本当の彼がどれだけ器の大きな人間かを知っていて惚れている。ただし、気付いてもらえていないと思っていた。

 ・属性は水と風。魔力量としてはクラブと同じくらいでAクラスでもトップクラス。ただし、細かい操作は苦手。剣も使える。

 ※未来の情報。


 ・シンドバットが次の皇帝に決定後にプロポーズをされて側室になる。

 ・誰よりもシンドバットと長く生活していたので、妻達の中ではまとめ役を担っている。

 ・シンドバットとの間に子をもうけるが、皇帝にさせるつもりは無く、自分の幸せのために生きて欲しいと思っている。




 《キャロレイン・ダイヤモンド》


 ・建国時からある歴史あるダイヤモンド公爵家のご令嬢で学年はシルヴィア達の一つ下。

 ・召喚獣は大きな熊で名前はテディ。

 ・属性は土で、その膨大な魔力と強さを見染められてダイヤモンド公爵家の養女になった。

 ・実はジザース侯爵が娼婦の女と浮気して産まれた娘で、魔力があるからと金で売られた。

 ・腹違いの姉であるベヨネッタから虐げられて過ごした。

 ・母の娼婦としての仕事を隠れて見ていたため、男性に苦手意識がある。

 ・自暴自棄になっていたキャロレインの考えが変わったのはダイヤモンド公爵家に引き取られて野盗に狙われた時だった。自分と同じくらいの年の子が臆する事なく野盗を次々と倒した姿を見て、自分も同じように強くなりたいと思った。

 ・考えが変わってからは自分より強そうな相手がいると決闘を挑む厄介な令嬢として名が広まる。クラブもその被害者の一人。

 ・入学初日にシルヴィアに決闘を挑んで大健闘した。

 ・血の繋がった公爵家の人間では無いと同年代の令嬢達から仲間外れにされていたが、そんな事を知らないシルヴィアが妹分として接して態度が軟化する。

 ・JOKER、ジェリコ、ベヨネッタ達の手によって闇の刻印を植え付けられて操り人形にされる。そのまま生命力を失って死にそうになった所をシルヴィアに救われて彼女を尊敬するようになる。

 ・ツンデレな発言が多いけど押しに弱い。

 ・ぬいぐるみの熊にサンダースと名付けていて、これが無いと眠れない寂しがり屋な一面もある。

 ・水中神殿の後、義理の兄であるニールへの誤解が解消されて距離を詰めるが、ニールの過保護さに飽き飽きしている。


 ※未来の情報。


 ・ニールが自分を心配して公爵としての仕事に支障が出るかもしれないと悩んでいた時にシンドバットからナンパされた。

 ・話してみると姉や家族についてお互いに複雑な立場だったので意気投合。

 ・他国で皇后になれば公爵家やトランプ王国のためになると思ってプロポーズを受けて結婚した。

 ・立場上は正室となり、産まれた子供には過保護なくらいに愛情を注いでいる。

 ・悩みの種は外交だと言い張って高頻度で会いに来る義兄の事である。




 《ニール・ダイヤモンド》


 ・ダイヤモンド公爵家の若き当主であり、キャロレインの義理の兄であるシスコン。

 ・マーリンやマイトの同級生で三人揃って学園の問題児とされていた。しかし、成績は非常に優秀でマーリンさえいなければ首席。ファンクラブの会員も多く、生徒会にも所属していた。

 ・属性は土。ただし、魔力量はキャロレインに劣る。

 ・当主でありながら騎士団に所属していて、公爵家の権力を使ったりして様々な事件の捜査をしている。

 ・騎士団に入ったきっかけはまだ学生でトムリドルとマーリンが決闘をした一件や、そのせいでマーリンが人間不信になったのを気に病んだため。

 ・学園を卒業直後、キャロレインが引き取られた時にマーリンと同じ他人を信用していない目をしていたため、なんとか元気になって欲しいと世話を焼く。元々が一人息子だったので妹の誕生は嬉しかった。

 ・ひたむきに努力する人間や輝かしい夢を持つ真っ直ぐで面白い人間が好き。シルヴィアの事も気に入ったし、キャロレインの事を実の妹のように可愛がる。

 ・人をからかうような性格のせいでキャロレインから誤解されていたが、シルヴィアがきっかけで仲直りする。


 ※未来の情報。


 ・目に入れても痛くないくらい可愛い妹が他国に嫁に行ってとても凹んだ。仕事がままならないくらいに。

 ・その辺の男ならいちゃもんつけて結婚を認めないが、他国の皇帝の正室になるので反対出来なかった。そのためシンドバットとは仲良くない。ただ、仕事としての付き合いはしっかりする。産まれた姪や甥はとても可愛がっている。

 ・何かとキャロレインに会いに行こうとするので、年下だが上司でもある騎士団長のジャックは頭を悩ませている。仕事の成果はきちんとあげているので注意出来ない。

 ・公爵家の当主として妻を娶り、子供も産まれた。普通にいい旦那であり父だが、シスコンだけは治らなかった。




 《マイト》


 ・若くしてゼニー商会を立ち上げた敏腕商人。

 ・マーリンやニールの同級生で一番被害を受けた苦労人。

 ・商人の家に生まれて、貴族の血がかなり薄く混じっていたので偶々魔力持ちだった。

 ・魔法使いとしての実力は低く、在籍していたのはEクラスだった。Fじゃないのは座学の成績と魔道具の成績が良かったから。

 ・学生時代から経営者としての素質を開花させてお金儲けをしていたが、貴族達から恨みを買っていじめられていた。その中には教師たちもいた。

 ・学園を自主退学するように言われていた頃に誰も知らないような素晴らしい魔道具を作っては適当に放置していたマーリンに出会い、その魔道具を世界中に販売して、国で一番の商人になると決める。

 ・そんな中、トムリドルとマーリンの事件が発生し、マイトはその被害者だった。

 ・学園卒業後は旅商人を始めて、商会を作る準備をしていた。その時にシルヴィアと出会った。

 ・マーリンやシルヴィアのおかげで店は順調に成長して王都に大きな店を構える事になる。

 ・しかし、魔法学園に支店を作るという情報を嗅ぎつけたJOKER達にその計画を利用され、闇魔法で違和感が無いように誤魔化されてしまった。

 ・落ちた評判を取り戻すために迷宮探索の時には赤字覚悟で援助を申し出た。


 ※未来の情報


 ・迷宮探索に協力したおかげでエースやシンドバット、マグノリアに顔を売る事に成功する。

 ・マーリンとニールの取り引きのおかげで魔法学園の一等地に大きな支店が誕生した。

 ・シルヴィアやマーリンが贔屓にしている商会だという噂が広まって店は大繁盛し、JOKERに利用されていた事なんてみんなすぐ忘れた。

 ・騎士団長になったジャックや皇帝になったシンドバットからも注文が多くなり、マーリン自身も今まで以上に新しい魔道具を開発したので業績は右肩上がりになった。

 ・そんな経緯もありゼニー商会はいつしかトランプ王国で一番支店の数が多い大企業になった。




 《ジェリコ・ヴラド》


 ・ヴラド公爵家の元当主で魔法学園の理事。

 ・貴族派と呼ばれる学園内派閥の中心人物で、闇魔法使い。

 ・JOKER達と結託して闇の刻印を開発したり水中神殿にある水神の羽衣を狙っていた。

 ・マーリンのような半端者や平民は魔法を学ばずに貴族だけが独占して魔法を研究し、その力を高めればいいと考えている。

 ・別に平民を根絶やしにしたり排除しようとは思っていない。貴族がその優遇された権力を使用するなら、命をかけて国を敵から守るべきだと考えている。

 ・公爵家の当主は息子に譲ったが、ジェリコの方が貴族社会に与える影響は大きく、彼の元に挨拶という名の媚を売る貴族は多い。

 ・トムリドルの事件の時は学園を離れていたため、シルヴィアが顔を合わせるのは2年生になってからになった。

 ・実は闇の宝玉を手にしたトムリドルと死者蘇生と魔法学園の権力を一部与えるという条件で結託していた。ヴラド公爵領にシンドリアン行きの船を用意したのはジェリコの独断である。

 ・平民派であるエリザベスの後釜になったマーリンと、どっちつかずな態度で理事長を続けていたマグノリアを引き摺り下ろそうと考えていたが、それは動機のほんの一部だった。

 ・真の目的はもう一度姉に会う事。

 ・しかし、その思いは踏みにじられて彼は騙されていた。水中神殿での失敗を受けてすぐにヴラド公爵家に迷惑がかからないように犯行は自分が単独で行い、公爵家とは縁を切ったという手紙を残した。

 ・ジェリコを悪の道へと押し進めた原因の一つは不治の病だった。彼は死ぬ間際にもう一度姉と話をしたかった……それだけだった。

 ・最初にシルヴィアと会った時に死んだ姉にそっくりな彼女を見て驚いた。水中神殿での事件の後はシルヴィアの身を案じていたが、自分の死地を決めてクラブ達との戦いに臨んだ。

 ・シルヴィアに看取られた時の顔はとても穏やかだった。


 ※未来の情報。


 ・ヴラド公爵家は自ら領地の一部返上をして、その権力は弱体化した。

 ・学園の貴族派は内部分裂を起こし、マグノリアの手によって再編成されて平民派と中立派が台頭する。

 ・ヴラドが魔法学園で利用していた屋敷は解体されて新しい研究施設が建っている。

 ・死体は学園内の共同墓地に埋葬されて名前も残っていないが、ヴラドが幼い少年の頃から使い続けた杖はクローバー侯爵家の手入れされた美しい花壇の下に埋められている。




 《ベヨネッタ・ジザース》


 ・帰ってきた元ジザース侯爵家の令嬢。

 ・シルヴィアやアリア達に復讐するためなら何でもする。半分血の繋がりのあるキャロレインだって道具として扱う。

 ・水中神殿から水神の羽衣を回収しようとした時にシルヴィア達が来るのを知って殺害しようとするが失敗した。

 ・元から魔法使いとしては優秀だったが、闇の刻印を刻まれたりして厄介さがパワーアップ。火と風だけでは無く、闇魔法まで使えるようになる。

 ・しかし、光の巫女であるアリアに負けた。闇の刻印によって生命力を魔力に変換していた上にJOKERからも力を搾り取られて利用された。

 ・代償としてヨボヨボで白髪の老人のような姿になった。


 ※未来の情報。


 ・雇われていたチンピラ三人組と一緒に騎士団によって逮捕される。

 ・尋問されて知っている情報を全て話した後には牢獄に入れられてしばらくして死亡した。

 ・処刑しなかったのは殺さなくても死にそうな見た目だったし、ただ処刑するよりこちらの方が報いになると考えられたため。

 ・しかし、死ぬ直前までこの女の口から謝罪の言葉や後悔の言葉は無く、シルヴィアやアリア、キャロレインを憎み、恨むような言葉を吐きながら死んだ。

 ・死体は燃やされて灰はゴミと一緒に埋め立てられた。




 《ディーノ》


 ・シルヴィア達の一つ上の学年で生徒会長。

 ・エリスのファンクラブの会長で、成績は優秀である。

 ・生徒会長としては可もなく不可もなく。ただ、エリスのファンクラブを取り纏めるだけの技量はあった。

 ・別名、エリスの傀儡。ハンコ押すだけの人。




 《マチョ》


 ・シルヴィア達の同級生の黒光りマッチョ。

 ・ソフィアに護身術を、シルヴィアに己の持つ武術の全てを叩き込む。

 ・闇の刻印を受けたチンピラにボコボコにされたが、命に別状はなく、治療して元気なった。

 ・3年生最後の戦いでシルヴィアがアリアに勝ったのは彼の指導があったから。




 《アアア》


 ・召喚獣のハム吉と夜のランニング中に水中神殿のある湖でシンドリアン式の隠蔽魔法に引っかかり、恐怖のあまり漏らしてしまった。

 ・卒業後の同窓会でもお漏らし君と呼ばれる。




 《暴乳亭の名もなき紳士達》


 ・モテない魔法学園の生徒達でありモブ。

 ・暴乳亭に集まってはどうやってモテるのかを議論しているが、実行しないのでモテない。

 ・ファンクラブ会議の時も参加していて、クラブに票が集まったのは彼らの存在もあったから。




 《シルフィー・クローバー》


 ・旧姓はヴラド。ヴラド公爵家の当主と浮気相手との間に生まれた娘。

 ・ジェリコの腹違いの姉。

 ・普通なら疎まれて虐げられそうな立場だが、天真爛漫で人に好かれそうな態度のため公爵家の人間との関係は良好だった。

 ・魔法使いの血が流れるが、魔力を持たないため学園には通っていない。

 ・社交界で会ったクローバー家の当主と出会って恋に落ちて勘当される形で嫁入りした。

 ・シルヴィアの父とクラブの父を産んだ後に流行り病で亡くなった。

 ・彼女の心残りは子供の成長を見られなかった事とジェリコとの約束を果たせなかった事だった。












 その2へ続く。

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