戦友と西方の守護者

警告!今回のみ?R15程度の暴力表現あり!

苦手な人は注意されたし!

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ボウシとメガネは塔に辿り着くと根元から入り口に入り、登り始めた。 


「…奇妙だな壁画に俺達の事が書かれている…それに内装がやけに金属的だ…」

「そうだね…まるで昔の僕らの基地みたいだ…」


メガネはライトで辺りを照らしながら言う。


「…」

「ボウシ?」


ボウシは1つの壁画の前で止まってフラッシュタクティカルライトで照らしながら見る、

その壁画には巨大な二足生物と倒れ血を流しているフレンズを抱えている人間が描いてあった。


「…悪い、行くぞ」

「…ボウシ…」


メガネは少し心配しながらボウシを追いかける。

そして、1つそこそこ広い部屋に出た。


「ここは…倉庫か?」


ボウシはフラッシュライトで箱を照らし出す


「うーん…特に何も見えないけど…」


メガネが一歩部屋に踏み出す。


「やっぱり何も…」

「…!!」


ボウシは何かを感じ取りメガネをコンクリ製の柱に蹴り飛ばすその0.3秒後メガネを足をライフル弾が貫通した。


「イッ!!!モゴッ」


タッ!を発言する前にメガネの口を塞ぐ


「静かにしろ、メガネ」

「モゴー!モゴゴー!(痛いー!痛いぃー!)」

「はぁ…」


ボウシはメガネの口を押さえていない方の手を後ろに回し、赤十字マークが書かれた小ポーチに手を突っ込み、注射器を1本取り出し、メガネに撃ち込んだ。


「即効性のある鎮静剤だ…騒ぐな…」

「モゴー!モゴッ?モゴゴッ?(痛いー!あれ?痛くない?)」


ボウシはメガネの口から手を放し、弾が飛んできた方に視線を向けた。

そしてすぐに頭を引っ込めると少し遅れて柱に弾丸が突き刺さる。


「ふぅ…タレットか…確かにハンターズの倉庫にあったな…」

「て言うかボウシ、何で僕を蹴り飛ばしたのさ?」

「お前のこめかみにに赤い点が見えてな、後タレット特有の弾が装填される音も聞こえたしな…」


するとボウシはリボルバーを抜いて、柱からタレットを撃ち抜いた。


「ま、対処法は楽だ…撃ち抜けば良いからな…」

「いや、普通ハンドガンでそんな距離狙わないけどね…」


メガネとボウシは立ち上がり次の柱へ素早く走って行った、今度は撃たれずにすんだ。

するとメガネが何かに気づく。


「ここにあるのって…」

「ああ、タレットの制御基盤だな…メガネ?やれるか?」


メガネはニコッとして頷いた。


「勿論」


数分後、トラップの解除が終わり、ゆっくり立ち上がったが、メガネは座り込んでしまった。


「イタタ…ちょっと痛むよ…」

「ったく仕方ねえ…お前はここで待っとけ、それと通信は何時でも取れるようにしろよ」


メガネは頷き、柱にもたれかかって座った。


「そうだ、ボウシ、君の端末にトラップの情報を送っといたよ場所とかどんな物かとか」

「今いるか?それ…」

「まあ、念の為念の為…」


ボウシはゆっくりと移動を始めた。


しばらく歩いていると、何かが足に当たった

ゆっくりとフラッシュライトを下に向けるとそこにはカスタムが入ったM4ソップmodが落ちていた。


「コイツはラッキーだ…有難く使わして貰おう」


ボウシはスリリングがついているのを良いことに背中に回してしょった。


そして長年の感覚か、何かを感じ取ったボウシはライトを消して足音も消す。


(セルリアンか…?それとも白虎か?)


ゆっくりと歩いて近づくと驚きの余り、銃を落としてしまった。


「なっ…!」

「やあ、コン…久しぶり」


そこにいたのは今は亡き戦友、コヨーテてだった。


「…お前は死んだはずだ、この俺の腕の中で…一体どうゆうつもりだ…」


ボウシは警戒しながら銃を広いそれをコヨーテに向ける。


「…君は“奇跡”を信じないもんね…こんなことがあっても君は…」 

「黙れ!お前は偽物だ!」


ボウシはコヨーテのナイフを抜き、それを見せる。


「これはお前が俺に渡したナイフだぞ!それを今、お前が腰に差しているのは不可解だ!」


確かにコヨーテの腰にはナイフが差してあった。


「コン…そんなに私が戻ってくるのが嫌かい?」

「…」

「コン…それじゃあ1つ質問してよ、私とキミしか解らないこと…」


ボウシは少し黙ってから聞いた。


「俺らが戦ったセルリアンの中で俺が最も面倒と感じたセルリアンは?」

「…相手の動きを読むことが出来るセルリアン…そうだろう?」

「…正解だ…」

「だろう?だから帰ってきたんだコン!」


バァン!


するとボウシはリボルバーを1発太股の内側に発砲した。


「なっ!コンっ!何を!」

「…正解だ、大正解だよ…お前がセルリアンだって事がな…それに人格もコヨーテじゃない…お前はただの紛い物…コヨーテの再現だ!」


確かに傷がついていたはずの太股の内側は既に回復していた、そして床には血液では無くゲル状のセルリアンの体細胞の一部が流れ出ていた。


「やるねぇ…コン…じゃあ私も本気で行こうかなっぁぁ!」

「…ただのセルリアンじゃないな…」

「そう!これは一度死んだ者や死にかけた者にしか与えられない選ばれし力!全てを手にする力強その名は!Returnee帰還者!ハハハ!ハハハハハハ!!」


コヨーテの目は青く星の様に白い点が並んでいた。


「紛い物がぁ!ここで始末してやるっ!!」


っと次の瞬間、壁から巨大な口が飛び出してきて倉庫の荷物を飲み込みながらボウシに迫る。


「甘いっ!」


ボウシは柱を蹴って上へ上がり、上から口に向かってリボルバーを全弾発射した。

しかし空中では移動が聞かないのでコヨーテに脇腹を蹴られた。


「グハッ!」


ボウシは柱にぶつかり地面に落ちた。


「どうした?コン?さっきまでの余裕ぶりは…」


コヨーテはニヤニヤしながら近づいてきた

そんな時、ボウシはゆっくりと立ち上がる。


「まだ戦うのかい?無駄なことなのに…」


コヨーテは再びボウシを蹴り飛ばし、壁に激突させた。


「グアッ!」

「やはりヒトは愚かな生き物だ…」


コヨーテはボウシに近づき倒れているボウシの横っ腹を蹴る。


「グアァッ!」

「自分のことしか考えない!」


ドカッ!と再び蹴る


「グホッ!」

「私利私欲のため動物を殺す!」


ドカッ!


「グオッ!」

「そして他の種族を汚す!」


ドカッ!


「ゲホッ!」

「穢らわしいっ!」


ドカッ!ドカッ!


「グホッ!カハッ!」


バキッ!


今、肋が折れた…間違いない…

ボウシはそう考えながらもコヨーテに銃を向ける。

するとその手は踏みつけられた。

そして…


「さて…君をいたぶるのも飽きたし、そろそろ殺してあげようか?」


狂気的な笑顔でボウシを見つめる。

そして、槍のような物をボウシに向ける。


(あぁ…死ぬのか…それに、親友であり戦友コヨーテに殺されるのか…)


「死ねぇっっ!!」


コヨーテはそう叫び、槍を投げる。

ボウシの世界は暗転した。


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ボウシが目を覚ますとそこは何所までも白い空間だった。


「ここは…天国か?」


ボウシは自分の装備を確認するが1つだけ無いものがあった。


「コヨーテのナイフがない…」


すると突然声が聞こえた。


「コン…やっと会えた…」

「コヨーテ!!!」


ボウシはコヨーテに駆け寄る。


「会いたかったよ…コン…」

「ああ…俺もだコヨーテ…」


2人は再会した、そして無言で抱擁した。


「コン…」

「コヨーテ…お前が死んだときと同じ事だ…」


コヨーテはしばらくするとボウシを離した。


「コン…君は今死にかけているんだ…私のコピーが放った槍によって…」

「ああ、その通りだ、このままだと失血死する」

「…あの化け物は私の体だけを乗っ取って動かしてるんだ…私の姿をしているけどあれは私じゃない…」

「それは解ってる…お前があんなことするはずがないからな…」

「コン…私はまだ君が死ぬのは早いと思うんだ」


コヨーテを見ると涙目になっていた


「君はまだ護る物とやらなくちゃいけないことがある…」 


ボウシは頷きながら聞く


「…コン…だから私と天国で過ごすのははもう少し待って…」

「…コヨーテ…」


するとコヨーテの体がキラキラと光り出した


「コン…時間切れみたいだ…」

「ああ…きっちりお前の紛い物を倒すさ…」

「ハハッ…任せたよ…コン…」

「さて…やりますか!」


ボウシの世界は再び暗転し、徐々に世界は元の世界に戻っていった。

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「ハハハハ!死んだ!死んだみたいだねぇ!ハハハハ!!」


コピーコヨーテは大笑いしながら槍を抜き、

回れ右してまた、部屋の中央に戻ろうとしていた。

その時だった!


「よぉ…紛い物…待たせたな」

キラキラキラキラキラ


体から輝きを放ち目が光っていたボウシがそこに立っていた。


「なにっ!お前あれを喰らって!!」

「…舐めるなよ…ハンターを」


ボウシは2本のナイフを抜いた、2つともサンドスターの様に輝きを放っていた。


「お前を粉々のサンドスターキューブにもどしてやるぅっ!!覚悟しあがれっ!!!メガネ!」


ボウシの生命信号が一時的に捉えたのを確認して泣きそうになっていたメガネに声が届く


「ボ、ボウシ!」

「前タレット起動!」

「でもそうするとボウシが!」

「やれっ!!」

「解った!えいっ!」


するとボウシの頭が真っ赤なレーザーの標準で真っ赤になった。

そして発砲音が聞こえたかと思うとボウシの回りはスローモーションになった。


(これがコヨーテが俺にくれた力…そうだな…名付けて…)

全ての弾を避けた。

そのうち数発はコピーコヨーテを撃ち抜く


「ぐぅ…」

「超反射神経だ!」

「なにぃッ!」


コヨーテは再び槍のような物を投げて攻撃するがいとも容易く避けられる。


「遅い遅い!」


ボウシはナイフ2本を逆手持ちに切り替えコピーコヨーテに近づく。

そして高く飛んだ。


「フンッ!又同じ事を!」

「今度は一味違うぜ!」

「何を!?」

「ワイルド…」

「まさか!ボウシ!」

「コヨーテ!」

「貴様ぁぁぁ!」

「エコーーーー!!!!!」


ガリガリガリガリガリガリ…パッカーン

ボウシはコヨーテの技、ワイルドコヨーテエコーを2本のナイフで放ち、コピーコヨーテを粉々にした。


「やってやったぞコヨーテ…」


倒したコピーコヨーテの方を見るとそこには今は亡き戦友…本物のコヨーテが眩しい笑顔で立っていた、そして光の粒子となって消えていった。

その時、ボウシは1つの声を聞いた。


「天国でキミを待ってるよ!でも、あんまり早く来ちゃイヤだからね…コン…いや!ボウシ!!」

「ああ…楽しみに待っとけ…相棒…」


ボウシの目からは一筋、涙が流れていた、顔は優しい笑顔のまま…


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ボウシは体の輝きが消えその場に倒れてしまった。


「ボウシ!」


メガネが駆け寄ってくる。


「くそっ…サンドスターハイを使いすぎた…やっぱり先に注射を打っておくべきだったな…」


メガネがボウシの腰のポーチから注射器を取り出し、ボウシの首筋に打つ。


「助かる…メガネ…」


ボウシはゆっくりと立ち上がり、部屋の奥へ進んでいった。

メガネはコピーコヨーテのサンプルを採取してからボウシを追いかけた。


部屋の奥には鎖に繋がれた白虎がいた。


「うぅ…もうやてめくれ…」

「しっかりしろ、俺はお前を助けに来た」

「誰じゃ?」

「セルリアンハンターのボウシとメガネだサッサと行くぞ」


ボウシが鎖を弾丸で撃ったが鎖は少し欠けただけだった。


「なんなんだ…この材質…」

「ボウシ、ナイフは?」


コヨーテのナイフを抜き刃に鎖をふれされると同時に鎖は消えた。


「よし、帰るぞ」


すると塔が揺れ出し、天井が崩れた、明るくなった倉庫はよく見ると壁画がいくつもの書かれていた。


「ボウシマズいよ!そう言えばここバベルの塔だった!崩れるよ!」

「なっ!そう言うのは早く言えよ!!」


ゴゴゴゴゴゴゴ


「本格的に崩れ始めた…ん?なんか無いか!ここに!」


ボウシは明るくなった倉庫で何かを見つけた


「コイツは最高にクールな事を思い付いた…よし!メガネ!白虎!のれ!」


ボウシ達が乗ったのは屋根のないジープだった。

ボウシはエンジンを掛けるやいなやアクセル全開でバベルの塔から飛び出した。


「ぎゃゃゃゃゃゃ!!死ぬ!!死ぬぅぅ!」

「うおおおお…すごいのぉ…」


メガネか絶叫する中ボウシはバベルの塔の壁をジープで下っていく。


(ハンドル操作をミスれば車体は回転しながら落ちてゆく…気をつけろ…)


そして遂にバベルの塔の最下層の段に到達した。

上から降ってくる瓦礫を避けながらジープは最後の壁を下る。

その時、瓦礫の1つがジープの横にぶち当たりジープは体制を崩し転がりながら落ちる


(マズイ!この高さは即死だ!)


その時だった。


「ユニオンフレンズ!」


颯真の分身がジープをしたから支え、ジープはそのまま飛んでいた。


「ヒィィィィハァァァァ!」


ボウシは雄叫びを上げながら崩れるバベルの塔から離れていく。


「このまま図書館まで行くぞぉ!」

「安全運転!安全運転!颯真たのむよ…本当に!」

「中々スリルがあったのぉ~」


そしてジープは図書館に着くと燃料タンクに穴が空いたのかガス欠で動かなくなった。

颯真の分身は本体に帰って行ったのか何処かに行ってしまった。

ボウシはジープから降りて気づいた。


「2つに折れたナイフの繋ぎ目が消えてる…」

「どれどれ?本当だ…不思議な事もあるんだね…」

「それにこのマーク、やはりセルリアンハンターズのロゴだ…」

「多分あの塔は僕らの記憶から再現した物なのかな?」


ボウシは一息つくとメガネの傷を思い出す


「メガネ、弾倉は?」

「問題ないよ…でも不可解なのがあの弾、銀で出来てたんだ…」

「銀?確かに奇妙だな…まあ、今考えても仕方ない、図書館に入るぞ」


ボウシは図書館に入る前にもう一度コヨーテのナイフを取り出した。


「大切に使ってないな?コン…」


少しおどけたようなそんな声が聞こえた気がした。


「まだまだ現役ってことさ…」


ナイフにそう語りかけ、ボウシは図書館に入った。


彼の後ろには笑顔が眩しいオオカミのフレンズがひっそりと立っていた。



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