火曜日

 家賃四・四万円のアパートの自室で「マツコの知らない世界」を観ながらイオンの総菜コーナーで買った鶏の唐揚げを食べていると急に窓の外が明るくなったので なんだ? と思いカーテンを しゃっ と開くと夜空に未確認飛行物体的な円盤が浮かんでいて なんじゃこりゃ と思った瞬間体の自由が利かなくなっていつの間にか自分も円盤みたいに宙に浮いていて窓の鍵がひとりでに開いて窓自体も開いて夜風が吹き込んできて(寒っ!)見えない力に引っ張られて体が勝手に外に出て円盤に吸い寄せられて ぶつかる! と思い目を瞑ったものの体に衝撃は感じなくて恐る恐る目を開けると無闇に明るくて広い近未来的な部屋の床に俺は座っていて なんだここは と思いながら室内を見回しているとドアが うぃー と開いて水色の体の四本の触手が人間における手足の役割を果たしているらしい身長が一・六~一・八メーターくらいのクラゲみたいな生物が現れて俺の前まで滑るように移動したかと思うと 我らハウスジャワカレー星人は少子高齢化に伴う労働力人口減少の対策として余所の惑星から労働能力を有する生物を拉致して労働させることにしたのでお前も今日から工場で働くように と言ったので俺はハウスジャワカレー星でハウスジャワカレー星人の奴隷として働くことになった。いやはや。

 労働というのは地球人にでも出来る簡単なお仕事で、使う道具はアワビとチーズ・イン・ソーセージ。アワビにチーズ・イン・ソーセージを突っ込んで適当に前後させると、チーズ・イン・ソーセージからチーズが飛び出し、アワビの中に入る。すると入れ替わりに、アワビの中からちっさい(七センチくらい)ハウスジャワカレー星人が生まれ出ずるので、ダンボール箱に放り込む。箱が満杯になったら封をして配送センターに持って行く。

 そういうわけで、俺はハウスジャワカレー星で平和に暮らしている。

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