おとぎ話

 昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。

 ある日、おじいさんはSMクラブへしばかれに、おばあさんはホストクラブへナンバーワンホストに会いに行きました。おばあさんが台風の影響で増水した川をクロールで渡っていると、ドンブラコ、ドンブラコと大きな桃が流れてきました。桃はナンバーワンホストの尻を連想させました。そこでおばあさんはその桃を家に持ち帰り、撫で回したり舐め回したりしました。すると突然、桃が割れ、中から女の子の赤ん坊が這い出てきました。桃から生まれたので、おばあさんはその女の子をかぐや姫と命名しました。

 かぐや姫は見目麗しい女性に成長しました。かぐや姫の噂は、京にまします帝の耳にも入りました。かぐや姫と性交したくて仕方がない色情狂の帝は、寝込みを襲うという帝国主義的なやり口で目的を遂げました。

 事後、帝はかぐや姫に求婚しました。かぐや姫は悲しそうに頭を振りました。

「私は海底国の女王である乙姫の娘で、地上には花嫁修行に来ているのですが、もうじき国から迎えの者がやって来るので、彼らと共に帰国しなければなりません。ですから帝と結婚することは出来ないのです」

 払暁、タイやヒラメの兵隊を従えた海底国の使者がかぐや姫の住まいを訪問しました。帝は私兵を招集し、魚どもを討ち取るよう命じました。ですが、双方の軍事力には天と地ほどの差があったので、かぐや姫はあえなく敵の手に落ち、海底国の使者一行はウミガメの甲羅に乗って海底に帰って行きました。

 かぐや姫のことが忘れられない帝は、後日、浦島太郎という源氏名のナンバーワンホストを刺客として海底国に差し向けましたが、乙姫の計略にかかり、廃人同然になって地上に戻ってきたそうです。

 SMクラブへしばかれに行ったおじいさんがどうなったのかは、誰にも分かりません。

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