赤坂のレストラン

 恋人の美和と赤坂のレストランでディナーを楽しんでいる最中、気配を感じた。顔を上げると、店の奥から男が床を滑るようにこちらに近づいてきて、美和の背後で止まった。男は男性器に筋肉質な人間の四肢が生えたという姿。美和はお喋りに夢中で、背後のちんぽ男の存在に全く気がついていない……。

 突然、美和の頭部のこめかみの高さに横線が引かれた。美和は双眸を見開き、口を半開きにし、こめかみを手で押さえた。次の瞬間、横線より上の頭部がゆっくりと上昇し、横線より下の頭部から分離、脳味噌が露出した。美和は双眸を見開き、口を半開きにした表情のまま固まってしまった。まるで時が止まったみたいに……。

 横線より下の頭部から分離した横線より上の頭部は宙に浮いている。その真下、剥き出しの脳味噌をちんぽ男の手が鷲掴みした。あおっ、という声が美和の口から漏れた。ちんぽ男は横線より下の頭部から脳味噌をもぎ取ると、テーブルの上のサラダボウルの中のサラダを床に捨て、その中に放り込んだ。それを合図に美和の唇が忙しなく動き始めた……。

「でぢゃうでぢゃううんぢでぢゃうおぢりじゃないぼうのあながらうんぢでぢゃう」

 言葉と共に大量の下痢便が美和の口から溢れ出す。ちんぽ男はサラダボウルでそれを受け止め、器が満杯になり次第、中身を手でこね始めた。こねている間も美和は口から下痢便を絶え間なく垂れ流し続ける。一分ほどこね、ハンバーグの肉だねのような見た目になった脳味噌と下痢便の混合物を脳味噌の分量だけ手ですくい取り、脳味噌があった場所に置く。虚空に浮いていた横線から上の頭部がゆっくりと降下し、横線から下の頭部に接続、脳味噌と下痢便の混合物を覆い隠した。それと同時に下痢便の流出がぴたりと止んだ。横線が消え、美和は我に返る……。

 テーブルを覆い尽くす下痢便を目の当たりにして、美和は絶叫する。ちんぽ男は床を滑るようにして店の奥に引っ込む……。

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