第6話 証明
迷いなく
石に触れていると
世にあるすべてのものは女神がその身を
そんな言い伝えを思い出さずにはいられない。
そう叫んで村を飛び出した息子ゴルトンのことが頭をよぎった。
彼が抱いた、二国の融和をもって大戦を終わらせるという大きな夢。その夢の源にあったのも実は、万物同根の教え、創世の女神の伝説ではなかっただろうか。
「できた」
弟子たちが大いに
錬石によって一回りも二回りも小さくなった水晶を、ヴェストリはディニエルを招き寄せて渡した。その途端、貴石から流れ込むものを感じたのだろう、彼女の顔に驚きが浮かんだ。
水晶が持つのは治癒と浄化の力。たちまち頬に血の気が戻った。手足の古い傷痕さえも薄らぎ、ついには消え去った。
ヴェストリは、道具を
「
居並ぶ弟子たちが、ある者は唇を結んで頷き、ある者は感に耐えず目頭を抑えた。
職人たちの気持ちが一つになる中、ダノンだけは、何か言いたげな面持ちのまま
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