第5話 錬石
尻に
傷だらけの
己が
工房の奥、『叩き場』と呼び習わされるその場所と道具たちは、まるでつい昨日までそうしていたかのようにヴェストリを迎えてくれた。
遠巻きにした弟子の一人が鼻を
「叩き場に陣取る師匠の姿をまた
ヴェストリはちらりと目を上げ、まだ蒼白なディニエルを見た。早く何とかしてやらねばならない。
腕組みのダノンは不満顔で、工房の面々は
しかし、ヴェストリには気負いも不安もなかった。
一度この場に腰を
修得の難しい錬石の技を極め、組合からの強い推挙を受け、史上六人目となる『
片田舎の一職人がなぜそれほどまでの
理由は誰よりも耳が良いこと、それに尽きるだろうとヴェストリは思っている。
あとは仕上げたい貴石の姿に槌で導いてやればいい。ただし、そのための力加減や魔力の配分の
石をやっとこで挟み、過不足ない魔力を込めた槌でしかるべき箇所へ、まずは一打ち。
おう、と弟子たちが
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