カンデ・ラディール=カンクロウのネオガリア戦記 ~最幸の降霊書を泣き祓いし者。~
十夜永ソフィア零
【調整池の福音者】
都心を走る鉄道の高架下。時は深夜。
空間認知の
しかし、敵のバードは現れた刹那に気化爆弾をその狭い部屋に炸裂させた。
そして、再度の気化爆弾が二人を襲う。鉄路の高架が崩れ、二人は瓦礫の山に埋まった...
☆
僕はどこかに浮かんでいた。外から緩やかに射し込む光がゆっくりと回っている。ううん、浮かびながらゆっくりと回っているのは僕の方だった。静やかで、音はない。
ここは何なのだろうか?
『こここは、
ちょうせいち?
『はい。
まだ小さな身であなたは、ここに参りました。
あなたが、次の世界でひとりで生きていくことができるまで、
この
私は、
ふくいんしゃ?
僕の周りを光が回り続ける。囘っているのは僕だ。
静やかになった中、僕は眠りに落ちる。
☆
それから、僕は目が覚めるたびに幾度も幾度も
ある時、
モトコを知った時から、
眠りに落ち、また起きた僕は、モトコとその世界のことをもっと知りたいと思っていた。
ある時から、
僕は文字を通じて、かつての世界の一日を振り返っていった。朝起きると、モトコがいた。ごはんと卵焼きとかを食べた。モトコに手をひかれ、電車の音を聞きながら、西館と呼ばれる建物に向かった。センセイと僕より小さな子も大きな子もいた。そして、猫がときどき遊びにきた。散歩にも行った。僕のお気に入りはカンダミョウジン。大きなところだった。神様にお参りをしたこともある。そして、僕たちは夕方におねんねをして、夜が来た後にモトコに手をひかれ、いくつものハンモックがある部屋で眠った。その部屋の上には電車が走っているので、電車の音がするのだけれど、いずれ音は無くなった。でも、朝起きるとまた電車の音がしていた。僕はその音が嫌いではなかった。
僕は世紀末という言葉に聞き覚えがあった。
世紀末の世界の、モトコと、電車と、センセイと、みんなと、猫。そして、神社。
みんな、好きだった。
僕は、
そして、
☆
それから、
そうやって時を過ごした後に、
電車と、センセイと、みんなと、猫も好きだったのだけれど、僕はやっぱりモトコのことをもっと知りたかった。
そう応えた僕に、
僕は、モトコが朝の神社で飛ばしてみせてくれたバードのことを知りたいと言った。
僕は転生した後にモトコのようにバードを飛ばせるようになるのかを聞いた。
そして、その前に僕はフライすることができるとも言った。転生先では、僕は歩いたり走ったりする他に、飛ぶこともできるようになるらしい。今、この
☆
それから、僕は
そして、連侯国にはいくつもの異界の門がある。異界の門をくぐると、異教の者や亜人の者と交流することができる。ふだんは、異界の門は少ししか開かない。その門が大きく開く時に何が起きるかは、
さらに時を重ねた後、
僕は、
ところが、
☆
転生を前に、僕は
そして、
僕は、
転生先の世界のどこに転生しようと、いつか異界の門をくぐり、世紀末の世界の
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