第2話
「…どなた?」
覗き込むように、倒れてる俺を見てくるイケメンに対し俺は率直な疑問をぶつけてみる。
「ああ。すまない。俺はエリカス=アルディエラ。この国で騎士をやらせてもらってる」
此奴。職業までイケメンであった。
確かに、両腰には2本の剣が携わっている。
「ところで君、どこからか落ちてきたみたいだけど。どうしたんだい?まさか城の中にいた訳ではあるまい?」
差し伸べられた手を借り、俺は楽々と立ち上がった。
どこか圧を感じた。
てか怖かった。
「こ…」
「こ?」
「これはこれは!!お勤めご苦労!!今後とも国のために頑張ろうぜ!兄弟!」
咄嗟に嘘をついてみたが何かやらかしただろうか。
「そうだったか!いやあ、昨日は大変だったなぁ。第三王女が殺されたんだから」
安堵した直後、硬直してしまった。
なら。
俺がさっき会ったのはなんだった?
そう考えて、俺はある一つ?の結論を導き出した。
「カマをかけようたって意味ないぜ?。
俺は今朝第三王女に会ったんだからな!
…いや待てよ。アイツが嘘をついたって可能性も…。確かにあんな女が王女なんかな訳ないか…」
なんかやってはいけないことをやった気がする。
「へぇ。居ないはずの王女に会ったんだ。そうすると君は冥界からの使者かな?うーん。まぁ、どちらにしろ」
エリカスと名乗ったイケメンは手を腰にかけ。
「それは王女への侮辱か?貴様にだけはそのような言葉を言われたくなかったのだがな」
左の腰から1本の剣を取り出した。
「…なっ」
その騎士から先程の優しさは感じられず、殺意ばかりが溢れていた。
逃げなきゃ。
逃げなきゃ。
逃げなきゃ。
逃げなきゃ。
その言葉が俺の頭を支配した。
急いで振り返り、全力で走る。
途中で色々な人とぶつかりそうになったが、それでも逃げる。
そうしなければ。
絶対に殺される。
ある程度走ってようやく少し落ち着いた。
よく考えれば人中で騎士と呼ばれてる人が
一般人を斬るわけがない。
…いや。騎士は自称だけど。
てかアイツ。なんでキレだしたんだ?
後ろを振り返り、ヤツが追ってきていないことを確認し、一つ息をついた。
…。
俺。
どうすりゃいいんだ?
混乱しながら辺りをキョロキョロしてると。
「アンタ。旅人かい?」
今度はゴツいおっさんが現れた。
「…誰だ?」
先程のこともあり、多少は警戒して返事んをするが、
「おいおい。そんな身構えるなよ。なに。 行き場に困ってるようだからオススメの場所教えてやろうと思ってな」
優しそうな表情と話し方からつい警戒を緩めてしまう。
なんかデジャヴを感じだが。
「さ、手を出せ」
言われるままに手を出すと、力強く腕を掴まれる。
…と。
「…は?」
目の前にあったはずの景色は一瞬のうちに変わり、目の前には真っ白な建物が広がっていた。
「ケイ。助かった」
「おうよ。エリカス」
そう、そこには。
先程追いかけてきた騎士が仁王立ちしていた。
完璧王女とダメダメ騎士 空津 終 @soratu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。完璧王女とダメダメ騎士の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます