第4話家に帰りたい
(居残り組)
「--失礼します、お先」
とりあえず、鍋を作ってテントを用意したら、家族がいる「兄貴」は家に帰る
また、明日の朝来るつもりだろうーー仕事か、家族かどちらかしか選べないとしたのならば「家族」を選ぶ人間である
ーー(、、、まぁ、仕方ありませんねーーゆういつの子持ちですし)
まだ、空は夕方でありーー黒く染まっていない
だけど、子供がいるなら話は別だーー早く帰らないといけない
ーー特に、仕事がこれ以上ないときは、である
あとは、あくをとりながら、鍋を回すだけであり――ぶっちゃけたところ
水鳥一人で事足りる
(---さて、あっちの方は大丈夫なんですかねぇ)
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紅島にとって、暗闇というのは、生理的に落ち着くものだ
ーー暗くて狭いところが好き、よく、こたつや、押し入れに隠れていたからだろうか
得意だ
ーーただ彼は、その実「オッサン」と揶揄する人物がうらやましくもあった
ーー「オッサン」も兄貴も嫉妬からそう呼んだのが、広まっただけだ
ーー嫉妬してたんだ
、、、、別に、その人が好きだったわけじゃない、っていうかマジで無理
「オッサン」こと「黒風」も結婚したいかといわれるとありえない
ーーだが、うらやましかったのだ「家庭」の温かさというやつが
ーーそれは「容易」に想像できた
どっちの人も知り合いなのならある程度今後どうなるか予測できるではないか
ーーあの二人なら、幸せな結婚をして、、、あたたかい人生を送るのだろう
そう考えたら、やってられなかった
ーー紅島だって、別に東京にいたときは、「強かった」わけではない
ーー前にも言ったが、「割り切っていた」のだ
何が、彼を本気にさせたのか――何がか
それは、7年前に見た光景で、無茶苦茶だったけど「美しかった」
ーーほれぼれした、、、、ああなりたかった、
(あの、式の中で、あの無茶苦茶の中で、幸せそうに、楽しそうにめっちゃ
ハードなそれこそ、「綿密な計画」と手間と金をかけて
ーー何度も何度も断られて、試練を与えられ、大見得を切って
そこに至るまでの苦労は、並みじゃなかったなーー何度もわかれる試練をもあった
破局して当然のミスもあった、なのに、乗り越えて
「美しい」とそう感じた、それはあこがれだった
ーーそして、彼がそれに手を伸ばすということは、今までできなかった
ーー自分に自信がなかったーーだから、本当な、今すぐ強くなって、、、やりたいんだ
その試練を乗り越えるだけの力をつけて――もっと、もっと、もっと
だからさぼらない、強くなるために
ーー闇の中で、無理に見ない――目を閉じる
上も下もない、ということはわかっている
アレが使えるーー紅島は薄く笑った
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