偽教授檸檬杯 結果発表&寸評
はいではまず寸評から参りますよ。今回は並び順テキトーです。順不同。ところで、今回参加人数の多さもあり、お初の方がいらっしゃるかもしれませんが、私は基本的に個別で初めましての挨拶はしないことにしているので(なぜなら、万一はじめましてじゃなかったら致命的に失礼になるため)ここでまとめて言わせていただきます。はじめまして。
檸檬/紫陽_凛さま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077010251695
檸檬を主題とした小説という意味ではこの世でもっとも知名度の高い梶井基次郎の『檸檬』を踏まえた作品。ただ、梶井基次郎をふまえないといけないのはしょうがないとしても、この作品を(作者の背景に関する知識とかは置いといて)単体で見た場合、「なぜこの主人公はファザコンなのか」という肝心の部分がいまいち見えてこない。そこが引っかかりました。
檸檬/馬村 ありんさま
https://kakuyomu.jp/works/16818093078204045150
特に本文中に説明はなかったけど、生ないし生に近い状態で摂取しないと駄目なの?だとしてもせめてレモネードとか、他にやりようがなくない?と思いました。そりゃ輪切りにした檸檬をそのまま食っても微妙ですよ。なんか不安感に満ちた抒情的な小説である感じは悪くなかったですが、なぜここで檸檬でなければならないのか、となるとちょっとよく分からないところがあったかな。
檸檬/篠崎 時博さま
https://kakuyomu.jp/works/16818093078049333006
名前が檸檬のひと。そして人物像の表現までもが檸檬なの、わりと直球といえば直球なんですけど、ちょっと面白いことは面白かった。
檸檬/クロノヒョウさま
https://kakuyomu.jp/works/16818093078018928057
さわやかな小説ですね。それはそれとして、作中のレモン酒のレシピが気になる。梅酒と同じようなホームメイドリキュールのたぐいだろうか。檸檬の果汁を発酵させて作る醸造レモン酒というのも存在するらしいけど、自宅で作るようなものではなさそうな気がするし。
檸檬/鍵崎佐吉さま
https://kakuyomu.jp/works/16818093076994124282
いまいち話が呑み込めない。浮気されて別れる話なのはいいけど、設定がところどころ不自然というか、「ホストの男に騙されていた」みたいな設定の方が良かったんじゃないかと思う。小説作品としては小ネタが効いていていいんですけど。
檸檬/時輪めぐるさま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077860029971
珍しく、檸檬をネガティヴイメージに使っている珍しい作品。オタクなんだけど、恋をして努力する男の物語。酸っぱい青春の物語として、嫌いではなかったです。
檸檬/鈴ノ木 鈴ノ子さま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077865343514
誰かしらネタにしてくるだろうとは思っていた、レモンで電流の実験のはなし。緑色の檸檬なんて檸檬ではない、という主人公の謎の主張にアクがあるのですが(完熟していないレモンが緑色なのは当たり前なので)、いったいどういう動機からそれに執着するのか、もうちょっとクリアに見えているとよかったかなと思います。
檸檬/豆腐数さま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077728393199
正直、文章テンポがきついです。作者の悪ノリみたいなものが過ぎて、読者を置き去りにしたまま話が進んでる感じがします。話自体は可もなく不可もないんですが、オチは綺麗で嫌いではないです。
檸檬/syu.さま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077646413490
正直よくわかりませんでした。ジャンル指定は……「詩・童話・その他」かあ……。結局こいつらは何者なのか、何についての会話をしているのか、読者に手がかりを与えないと読者には何もわからないものである、というのが小説の原則です。わりと基本中の基本ですので、まずはそこを踏まえるとよろしいかと。
檸檬/藤泉都理さま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077688756073
人間じゃなくて妖魅怪物の類なのは薄々分かってたけど、まさか海の真ん中にたぬきの変化が出て、人に檸檬を売る話だとは思わなかった。予想外すぎてちょっと面白い。
檸檬/野栗さま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077297613827
来ましたね。これも絶対誰かはやると思っていた、レモン哀歌の本歌取り。内容的には直接の関係はないけど。この作品はいわゆる小説的な小説というよりは寓話的に書かれているんだけど、かなり面白かったです。高ポイント。
檸檬/ハナビシトモエさま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077227716154
掌編としては綺麗な作品なんだけど、檸檬チューハイがカシスオレンジでバイト先が長野のレタス農家でも話は成立するのでは?というのが率直な感想ですね。多少、無理にレモンを使いに行っている感がありました。
檸檬/おくとりょうさま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077102182531
レモン味というよりはなんとなく甘い感じの掌編。レモンちゃん恥ずかしい。
檸檬/フィステリアタナカさま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077210234131
独特の味わいのある小説だった。わりと好き。ただ、檸檬が主題として活きているかというとそれは微妙。ここでは小道具という感じですね。
檸檬/犀川 ようさま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077193002098
なぜそんなに妄執のように、からあげに檸檬をかけるかかけないかということにこだわるのか。肝心のその部分が見えないので、全体的に話がくどいと思いました。レモンでなければ成立しない小説として成立しているのは確かなんですが。
檸檬/尾八原ジュージさま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077187802491
どんなお題もホラーに変換できるトカゲさん、安定のホラー。なんですけど、レモン要素が「大きさがレモンくらい」という点に絞られているのが、ちょっとお題の解き方としては辛いものがあると思いました。
檸檬/世芳らんさま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077165507041
とつぜんスペースオペラになったのでびびった。ギャグなのかマジなのかよく分かりませんでした。まじめに「レモンアレルギーって実在するのかしら」とか考えていたところで、椅子を後ろに引かれた感じ。
檸檬/功琉偉 つばささま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077147070737
どっちが主人公でどっちが語り手で、最初にレモンを齧っていたのがどっちなのか、一読しただけでは分かりませんでした。そういう基本的なところはクリアになるように書くのが小説の基本です。話自体はまあ、オーソドックスな仕上がりだったと思います。
寸評は以上です。
というわけで壮観にも十八の檸檬が並んだ今回の企画、グランプリは
檸檬/野栗さま
https://kakuyomu.jp/works/16818093077297613827
に決定です!小説としてどうというより、この作品が一番、「主題としてレモンが活きていた」と感じました。偽教授杯のグランプリは往々にしてそういう基準で決まります。
ちなみに、いまやってる企画は「偽教授竜葬杯」です。そちらもよろしければどうぞ。ではでは
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