偽教授天摩杯 結果発表

 はい、例によって敬称略、順番は今回はテキトーですよ。


ただ空があるだけ/偽教授

https://kakuyomu.jp/works/16817330653825552580


最終日に投下された主催者自作。たった今書いたばかりなのでさすがにセルフ寸評とかむりぽ。


馬鹿か煙/モリアミ

https://kakuyomu.jp/works/16817330652643854769


今回、レギュレーションを「満たす」だけなら簡単なルールなわけですが、そのレギュレーションを満たした上で「どんな物語を展開するか」が企画主の期待するところなわけでして……ちょっとこれはよくわからなかったかな。


ユキとおじさん/ぎざぎざ

https://kakuyomu.jp/works/16817330652646195941


わずか9歳にしてなんという魔性の女っぷり。なんとなく妖しい匂いのする小説の、ワンシーンを切り取ってきたという感じ。これだけ見れば悪くはないんだけど、観覧車である必然性が強く表現されているかというとそれは及第点ラインかな。


巡礼/押田桧凪

https://kakuyomu.jp/works/16817330652669696244


観覧車をギミックとして使うという意味では徹底的なまでにこだわった感じのある作品。ただ、ちょっとYOUTUBERやら何やらで設定過剰な嫌いがあるかなと思った。ほんとうにもっとシンプルに「ゴンドラで葬儀をする」だけの話にしたほうがシャープにまとまったと思う。


面影を撮る/尾八原ジュージ

https://kakuyomu.jp/works/16817330652676812267


フムン。確かに「観覧車」じゃないと成り立たない話として成立している。これがジェットコースターではいろいろと台無しだろう。ただなんだろうな……塩は軽く振っただけで味の素を使ってない家庭用チャーハンのような、そんな薄味さを感じる。きれいにまとまってるんだけど、もうちょっとパンチの効いた味が一味ほしかったかも。


欲望と懺悔の13分/西山祐己

https://kakuyomu.jp/works/16817330652815764873


観覧車を使った麻薬の密売、というプロットということでいいのかしら。乗った人が死んで降りてくるというのは誰かやるだろうとは思っていたけど、なるほどこういう形があるのか。と思いました。


観覧車と黄昏の怪人/Tempp @慌しい

https://kakuyomu.jp/works/16817330652820575198


小説としてはちゃんと成立している掌編ですが、観覧車という主題の上に照らして考えると、これは一種のマクガフィンもので、正直「観覧車でなくても成立する物語」だというニュアンスが強いです。ですがまあ、ご参加ありがとうございました。


ドーラの見た景色/野村ロマネス子

https://kakuyomu.jp/works/16817330652815250395


なんとも青春してるなあという感じのいい話。まあ、いちばんスタンダードな形の題の解き方ですね。悪くはなかったです。


観覧車/木漏れ日

https://kakuyomu.jp/works/16817330653032653015


あまりにも観覧車と関係がない予想外のプロットに横から切り込まれてびっくりしたし、掌編小説として評価すると一味ぴりりと効いているんだけど、これも「観覧車でなくてコーヒーカップで会話する」でも話が成り立ってしまうところが痛しかゆしかな。


デカくて高くて狭いもの/立談百景

https://kakuyomu.jp/works/16817330653036039303


いい作品だった。まだ読んでない作品があるからグランプリかは決められないけど各賞は一つ出そうと思う。いちおう構成について解説しておくと、「乗る」「降りる」

「同じ観覧車」という三つの条件を満たしているので、セーフというか、誰かがこういうのをやってくるのを期待していたまであった。


海底遊園/月見 夕

https://kakuyomu.jp/works/16817330653075692386


読んでる途中で決まりました。これがグランプリです。万一ほかにも同じことを思う作品があったらダブルグランプリとかトリプルグランプリにします。「観覧車でなければ絶対に成り立たないストーリー」かつ「エモ」。完璧でした。


Above the/田辺すみ

https://kakuyomu.jp/works/16817330653096188690


一曲の鎮魂歌のような、美しい掌編小説でした。観覧車の円環を輪廻に例える発想、いいですね。


さよなら初恋観覧車/紫陽_凛

https://kakuyomu.jp/works/16817330652735841269


「こいつら二人とも面倒くさっ!」っておもった。まあ、そういう企画(偽教授杯じゃない方の参加企画ね)なんだから、それでいいんだろうけど。


未来を乗せる観覧車/クロノヒョウ

https://kakuyomu.jp/works/16817330653260910235


「本当に火星行きなの?実は地獄行きだったりしない?」とか思ってしまったわたしはきっと悪い小説読み。


無題/なんようはぎぎょ

https://kakuyomu.jp/works/16817330653273119436


うーん。どうコメントしたものやら。とりあえず、文章の添削でよくなったり悪くなったりするような性質の小説ではないと思います。


月が満ちる時に/江戸文 灰斗

https://kakuyomu.jp/works/16817330653406001887


なに?どういうこと?ちょっと凝った女神行為?わからなさが味なのかもしれないけど、もうちょっと説明してくれた方が作品として親切かな、とは思います。


観覧車は回り、そして僕と彼女は夕日の中で互いの手を握る/ラーさん

https://kakuyomu.jp/works/16817330653440974723


ラーさん氏の作風の幅広さには本当に感心する。観覧車の叙情性がうまく活かされていますね。観覧車ってなんの意味もないんだよ。ただ乗って回った降りるだけ。その意味のなさが、こういう虚しい小説とはうまくマッチしていていい感じ。


顛末申し上げます/ぎざ

https://kakuyomu.jp/works/16817330653745803165


観覧車に乗って降りる、というギミックの引っ張り方としては悪くはないと思う。ただ、謎解きがちょっと、いまいちちょっと読んでいて重たい感じがあるかなとは思った。


コドクの魔女/天宮ユウキ

https://kakuyomu.jp/works/16817330653795449457


正直な感想を申し上げますが非常にわかりやすく素人っぽい小説でした。わかりやすさは「素人っぽい」にかかっていて、小説自体はわかりにくいです。もうちょっとプロットを切り詰めて、無駄を削ぐ方向性でシェイプアップする感じで直してみるといいと思う。


しかしレイチェル、俺は往く/繕光橋 加(ぜんこうばし くわう)

https://kakuyomu.jp/works/16817330653802619299


うん、まあ、なんていうかみずみずしい感性の作品だったと思う。観覧車である必然性みたいなものは弱いけど、ご参加ありがとうございました。


天空の音 ~Chu Ni Habatake~/柴田 恭太朗

https://kakuyomu.jp/works/16817330652774364450


んー。いじめ描写というか、社会とのうまくいかなさ描写がわりとガチで、観覧車がどうとかは割と吹き飛んでしまうという感じの読後感でした。


ゴンドラ二人きり/夢月七海

https://kakuyomu.jp/works/16817330653842083946


なんとなくロマンホラー的な幻想文学のかほりを感じました。嫌いではない世界観でした。



さて、作品は以上です。というわけで、ここまで読んだ皆さんにはもうお分かりかとは思いますがグランプリ発表まいります。


どぅるるるる(自前ドラムロール)

でーん


偽教授天摩杯、栄えあるグランプリは!

月見 夕さま『海底遊園』に決定です!

https://kakuyomu.jp/works/16817330653075692386


さらに各賞。

立談百景さんの『デカくて高くて狭いもの』

https://kakuyomu.jp/works/16817330653036039303

こちらに「準グランプリ」を進呈いたします!


というわけで以上です。

これが発表された時点ではもう第五回偽物川小説大賞の企画が始まっておりますので、そちらもよろしくお願いします。ではではー。

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