また、一つ後悔している、私はあいつの連絡先を知らない。皆は卒業式の時にSNSなどの連絡先を交換した、しかし私はあいつと連絡先を交換できなかった…いや、しなかったのだ。もし連絡先を聞いて交換出来て後から誤解の説明をすれば何か変わっていたかもしれない。しかし、あの時の彼女はクラスの記念写真にも写らず式が終わったらそそくさと家に帰宅していたらしい。確かに学校のどこを探しても彼女は見つからなかった。彼女がよくいた美術室や、音楽室、図書室、全てを探した。何故そんな事をしていたのか、周りから見たら私と彼女は仲違いして口も聞いていない状態に見えただろう。だが私は違う、絶交宣言するために彼女を探していたわけではない。私は卒業してもう通らなくなるであろう通学路を最後に彼女と一緒に歩きたかった。その帰り道の間に今までのことについて話そうと決めていた、そして彼女に頭を下げて謝罪するつもりだった。けれどそんな私の考えは甘かったようだ。私を探して廊下を歩いていた担任の教師から彼女は皆より早く帰宅してしまったと聞いた。先生も気づかないうちに帰ってしまったという。あいつは消えるようにして帰っていった。もう仲良かった頃の関係に戻れないということを心の中で悟ったのだった…。

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