ーー主要登場人物紹介ーー

年齢、称号、肩書はこの物語が始まる第一話、王国歴1076年頃のものです。架空の設定なので、混乱を避けるため貴族は姓と名のみに統一しました。ネタバレをなるべく含まないような紹介にしましたので、登場人物の相互関係をあまり書いておりません。


***


アレクサンドラ・ポワリエ(22)

侯爵令嬢として王都で育った。貴族学院を優秀な成績で卒業し王宮に勤めていた。しかし、王国西部のペルティエ領で普通医師として勤める決心をし、単身旅立った。彼女には二つ上の兄、ルイ=ダニエルと八つ下の弟サミュエルが居る。髪の毛は茶色、目の色は緑がかった茶色。愛称アレックス。


ケネス・ミショー(22)

ペルティエの街で建材店を営んでいる。アレックスの彼に対する第一印象は呑気に歌を歌っている図々しい男というものだった。時々用心棒として働くこともある彼の剣の腕は中々のものである。濃い茶色の髪に碧眼。愛称ケン。


ルイ・ロベルジュ

アレックスの実家ポワリエ侯爵家の執事。頭脳明晰で剣の腕も立つ彼はアレックスと兄弟たちに大層慕われている。ポワリエ家の三兄弟は彼のことをただの執事以上に見ており、幼い頃から彼から色々教わって育った。というのも実は…… 髪も目も茶色。


ベンジャミン、ソニア・ポワリエ侯爵夫妻

アレックスの両親。ベンジャミンは魔術師で、現在は魔術院副総裁を勤めている。ソニアも同じく魔術院勤務。二人はアレックスのことが心配で、ペルティエ領に旅立つ彼女にケンを用心棒として雇った。


マルゲリット・ソンルグレ

ペルティエ領の街外れで診療所を営む医師。王都生まれで王都育ちの侯爵令嬢だった彼女だが、間者であるダンジュと激しい恋に落ちる。貴族学院卒業後、全てを捨ててペルティエ領にやってきて以来、そこに定住している。愛称マルゴ。


ダンジュ

ペルティエ領の山奥、間者の里出身。マルゲリットとペルティエ領の森の中の一軒屋に住んでいる。二人は正式に結婚していないが、三人の子供にも恵まれた。マルゲリットより家事が得意なのは昔から変わっていないようである。愛称ダン。


ヴィオレット・ミショー(20)

ペルティエの街で銀行に勤めている。家族の前ではぽんぽんと何でも言える彼女も、実は外では内気で大人しい人らしい。ヴィオレット《すみれ》という名前の通り、好きな色は菫色。愛称ヴィー。


ロナルド・ミショー(18)

ケンの弟。兄の建材店を手伝って、普段は北西部の山中で木材の切り出しの監督をしており、時々ペルティエの街に帰ってくる。兄のケンのことをからかうばかりしている。どちらかと言うと母親似。愛称ロン。


ナタニエル・ソンルグレ

同僚であるベンジャミンとソニアにケンを用心棒として紹介したのはこの人。マルゲリットの兄にあたる。この物語には実は登場していない。時は移り、あのナタンが今や王宮魔術院総裁にまで出世しているのが感慨深く、登場人物紹介に入れてみた。

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