第13話 ギルド説明中に新たな仲間!?

「私もギルドに入れてよ!!あのミズが入ってるギルドだよね、人も少なそうだし私も入れてよ!」

「えっ、誰」


ミクはとっさに口に出してしまったが無理もない、何故なら私達がギルドについて3人で話し合っている時に急に話しかけてきてギルドに入れてくれと言ってきたのだから。

まぁ、まずはギルド説明の時間に巻き戻そう!!約10分前です……


「ミズーーギルド結成するけどギルド作るのはリーダーがやらないとダメらしいよ、リーダーはギルド作ってからじゃ変えられないらしいからさー」

「なんで私がギルドのリーダーになるって前提なの??」


私はミクに反論する。もちろんなりたくない訳では無いがのちのち大人数で活動しこのゲームを支配する程の力を操らないといけない重要なギルドリーダーを私が出来るわけない。だって最弱でコミ障なのに、しかもリーダーとかそもそもなった事ないしソロばっかだったのに

だがそんなミズをミクはすぐに論破する。


「そんなの当たり前じゃん、だって大魔王になるのはミズなのにギルドリーダーが大魔王じゃなかったらどうなるのよ、おかしすぎるじゃん!」

「あっ確かに……」

「私はミクに賛成する、そもそも大魔王の計画に参加してる方はミクと私だからね!」

「こっちに裏切り者が……」


こうしてミクとトワに論破され仕方なくレベル100から新しく実装されたギルドを作る事になる。視界の右下にストレージボタンがあるのだがその上にシステムがありそこを押すとギルド結成・加入というボタンがあるので次にそこを押す。

視界に写っているストレージやシステムなどは指で視界に写っているストレージやシステムの場所をタップすると視界が移り変わる事が出来る。

そしてギルド結成・加入の所を押したら視界の左に結成、右に加入の文字があり結成を押す。

そうするとギルドの名前やギルド紹介など色々入力所があるのでミクとトワと話しながら入力する。画面共有が出来るので分担して入力を済ませるとギルドを結成する事ができた。すぐにミクとトワがギルドに入る事ができギルドが少し変わった。

ギルドの人数が3人になり平均レベルが121になった。まぁそれだけだ。

だが気になる事が何個かあった。


「ミク、トワ、なんかギルドを結成したら街の所に集会所みたいなのが作れるよ」

「あーそれね、魔王とか勇者のギルドだったら魔王城とかが作られてるらしいよ。作り直しとかもできるギルドレベルが上がったら集会所もいくつか作れるらしくて他の機能も増えるらしいよ」

「へぇー、なんかすごっ」


感動している時に更にすごい事にトワが気付く。


「ミズ、ミク、このギルドの位あるじゃん。それの名前変えれるらしいよ」


ゲームをした事あるなら誰でも分かると思うが、RPGの同盟系のゲームならだいたいある位、例えばリーダー、サブリーダーや王、幹部などの組織を形成する上でとても大事な位があるらしい。

その位は自分で何個も作れるらしく私達はとりあえず1番上の位に魔王、2番目の位に幹部と適当に名前を付けた。

実際、まだ魔王ギルドを倒してないので大魔王と言うワードは禁止になっているらしい。


「私、魔王になったのかな……」

「なんかツボる!」

「確かにミズが魔王って」

「笑うな!!!!」


と少し雑談している時、ある女が喋りかけてきた。それが最初にもあった通り多分私目当てで来た少女であった。

ミクがなんでギルドに入りたいの?と聞くと少女はミズがいるからといい、それ以外は何も言わない。

少しその少女が気になりステータスを確認してみるがフェイクのスキルを使っているのかステータスが不明になっている。

だがそれだけでも少し分かることがある。

フェイクのスキルは相手が格上であればフェイクは解けてしまうので少なくとも弱くはない、同じぐらいかそれ以上かのどちらかになる。


「ミク、この人さ……」


私はミクに少し少女について相談する事にする。まぁいたって簡単な事だがトワと少女を対戦させるという事だ。なぜなら少女がどれぐらい強いのか分かるからそしてもう1つはもし仮に少女が入ったとしてどう行った技が得意なのか実際に見た方が連携も取りやすいからだ。そしてそれはトワにも言える事でまだ1度も一緒に戦っていないためこれは2人の連携パターンを見極めるいい機会である。

それを素直に聞いてくれたミクは私の相談を聞いてくれそれをトワに話すとトワも了承してくれた。

こうして私はコミ障なので少女に対戦してという事をミクに話してもらうことにした。


「そう言えばあなたの名前はなんて言うの?」

「私はシエル!」

「シエルって言うのね、分かったわ。貴方は今から私達のギルドメンバーのトワと戦ってもらいます、もし勝てたら攻略ギルドに入っていいわよ」



えっ、なんかルール変わってね?

別に勝たなくてもいい人だったら良いんだけど……

まぁミクの事だからなんか考えがあるのかな……

見るだけだしいいか、


攻略ギルドメンバーとシエルは無のダンジョンと言ってレベル無制限のPvPができる場所に移動しトワとシエルの対戦が始まろうとしている。


「さて本気で戦わせてもらうわよ」

「それはこっちもだよ!なんか強そうな人だけど私は勝って攻略ギルドに入らせてもらうよ!」


2人は正面に立ち少し大きな土のフィールドで対戦が始まる。戦いの合図を行うのはミクであり私は観客席らしき所に待機する。


「今から対戦を始めます。この戦いによってギルド加入が決まります。現攻略ギルドのトワ対無所属のシエルの対戦を始めます。」



対戦の合図なんて決まってたんだ……

まぁいいか。

少し面白そう、多分ミクが1番楽しみにしてそうだけど


「それではバトルスタート!!」


スタートの合図とともに両者は距離を取る。

思っていたよりも距離が近く試合が始まり何かのスキルで混乱などされたら困ると思ったのだろう。

トワは距離を取ると敵は混乱系のスキルはすぐに出せないか持ってないかのどちらかだと思い速攻をかける。

ミズやシエルが思っていたよりも正面速攻が早く目に見えない。


「さぁ、バトルを始めようか。弱雷じゃくらい 裂雷さくいかづち


その攻撃は弓に雷をまとわせ敵の周囲をひたすら回り時が来れば攻撃するという撹乱系の技である。

トワの攻撃を初めて見るがやはり早い、元々見た目が黄色い事から雷系の技とは予想していたがここまで派手な雷の使い手とは思わなかった。

周囲は雷でバリバリなっておりトワの周囲から抜け出す事は出来そうにない。

困った様子のシエルだが打開策が思いついたのか目をつぶり腰に付けている剣を握る。


「今だ!!!」


先に声を上げたのはトワであり周囲を回っていたため最初のスピードより格段に早い、これは私ならやられてそうな技である。

一直線にシエルの方を狙い向かうがトワの弓の弓がとらえたのはシエルではなくただの丸太であった。


「どういうこと……」


戸惑うトワの背後にシエルは急に姿を現し一言口ずさむ。


一千凌駕いっせんりょうが

「まさか……」


その攻撃は見事トワに直撃しトワのHPは30000ほどあったが一気に半分ほどに減った。トワはすぐに体制を立て直しシエルの次の攻撃を待ち構える。

だがまたシエルは姿を消す。


「シエルと言ったね、中々やるじゃん。でも負けないよ……」


トワの放った言葉に返事にはない。

先程の状況とは真逆の状態となっておりいつシエルがトワに攻撃してくるか分からない。

トワは目をつぶるのも命取りだがやはり人間は目をつぶらないと勝手に体が反応して目をつぶってしまう。

それを狙ったシエルはトワが強制的に目をつぶった瞬間に攻撃を放つ。

その攻撃はいたって単純であり透明化のスキルを保持しているのか攻撃の対象に攻撃する時は剣が透けて見える。

これは観客席にいないとほぼ分からないためかなりシエルは強いのだと分かる。

シエルの攻撃スピードはいたって普通だが一旦目をつぶってしまったトワはかなり不利な状況に陥ってしまった。

だがそんな中平然としているトワ、反応もまだ出来ていないのになぜ平然としているかは分からない。シエルの攻撃に気付いてない可能性も考えた明らかにレベル140のシエルが敵の攻撃が分からないとなるとそれはよっぽどレベルが離れているとしか考えられないためその可能性は無くなった。


「やばっ、まじでトワがやられるじゃん」

「これは決まったかな……」


ミズとミクがトワが負けてしまうと思ったその時だった、トワは目を開き先程のシエルの様に一言言葉を放つ。


弱雷じゃくらい 鳴雷なるいかづち


シエルはトワの目の前で攻撃が確実に決まったと思い少し気持ちが緩んだ。その時だった、少し、ほんの少しだけ力が緩んだその時流れるようにトワはその攻撃を避け寝技でシエルを地面に叩きつける。

そして背中に身に付けていた弓を取り出し1度空中に飛ぶと再び弓に雷でまとわせシエルに矢を放とうとした。

その攻撃は避けようと思えば良けれるものだが寝技により関節を外されているので動けない、そのためその攻撃は命中しフレンドにシエルはいないのでHPがどれだけあるか分からないが半分ほど減ってしまった。


「やっぱり私と同じぐらいの強さね、レベル150って所ね」


ゲームの設定上、自動的に関節は治りすぐに立ち上がり警戒するシエルはトワに返答する


「やっぱり攻撃を与えられたら分かりますか……じゃそろそろ本気で行きますよ!」

「来なさい、私も本気で行くわ」


こうして2人は衝突する。どちらも譲らぬ攻撃で技を放とうとしてもどちらも攻撃が早いためどちらも技が打てない、2人の攻撃はどちらもほぼ全て命中しHPの少ないトワが少し不利になるとシエルは更に追い詰める。


「ここまで強いとはね……でも負けないわよ」

「いやここまでです!いけぇ!!!!!」


シエルの攻撃は攻撃する度に早くなりトワは防御ばかりになってしまい攻撃が出来なくなる。だがトワも諦めずと隙を見つけてはなんとか攻撃をくり出す。

だがやはり終わりは来るものでトワのHPは残り1500とシエルの攻撃なら命中かクリティカルを出せば一撃程度で終わってしまうほどの体力である。

一方、シエルはまだ2割ほど体力が残っており

まだ何回かは攻撃を受けれそうだ。

とそこでミクの大きな声が聞こえる。


「そこまで!!!!ストップ!!!」


一瞬2人は何が起こったか分からなかったがすぐに戦闘をやめ周囲を見渡すと多様なレベルの魔物がいたのである。

実は無のダンジョンと言っても何も無い訳ではなく制限のない場所と言う意味で魔物などは沢山おりレベルの制限のも無いのでめちゃくちゃ強い敵もいるという事だ。

そしてミズ達の前に現れた的はなんとレベル300以上ある敵だったのである。

本当はギルドの集会所を建ててそこで対戦する場所を建設し戦うのが当たり前であるがそれを知らなかったため勝手にPvPの場所だと思い込み戦っていたのである。

正直今まで魔物が出てこなかったのが凄いくらいである。


「ミズ!あいつはさすがに倒せない、ダンジョンから出よう」

「分かった、ダンジョン出るね」


こうしてタップするだけの作業なのでなんとか無事に4人全員で脱出する事が出来た、もちろんミッションなどもないので攻略失敗にもならない。

結果は引き分けとなったがかなり強いシエルにミズやミクはギルドの加入を許した。

ついでにミズが好きすぎて抑えれないのもある。


「ありがとうございます!!!」

「まぁ強いしあのままいったらトワ負けてそうだったしね」

「はぁ、もっと頑張らないと!」

「まぁまぁ、トワも強いよ十分!」


こうして新しくシエルと言う仲間が攻略ギルドに加入したのである。

正直に言うとギルド設立20分程で加入するとは思わなかった。

ギルドに入った事でシエルの情報が見れるようになった。




シエル

レベル150

HP 15000+23000(摩忍鎧)

物理攻撃力 1500+2800(隠俊剣)

魔法攻撃力 1500+2800(隠俊剣)

防御力 1500+2300(摩忍鎧)

スキル

言語能力(下位) フェイク(上位) 力学(中位)

暗算(中位) 透明(上位) 忍び足(中位)

罠察知(中位)

着用装備

摩忍鎧フリスクイア レベル120

隠俊剣フリスパイラル レベル120

武器・防具スキル

魔法耐性 闇耐性 貫通耐性 闇魔術(中位)

空間魔術(上位) 暗闇耐性 クリティカル可能

マルチプレイヤー

なし

ギルド・・・攻略ギルド

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