第9話 なぜ最弱なのか?

今、私は絶賛ダンジョン中である。

もうゲームをして1時間30分が経ち、私は今レベル30地点のボス面にいる(詳しく言うとね)。


「ぴーちゃー、ぴーちゃー!」


普通に可愛い声だ……

こんな声なのに見た目は30代のオッサンである。正直こんな大人は見たくない、まぁゲームの中だから仕方がない事……ではないなー

これはさすがにキモすぎる。

まぁそんな事はいいや


ミズはこの後レベル30のボスを10秒で仕留めてしまった、今のミズのレベルは31だとこの小説を読んでる貴方は思うはず。

だが実はこの前にも経験値ダンジョンなどの経験値が多く貰えるダンジョンなどに行っておりすでにレベルは45である。

装備はゴールドがまだ十分に溜まってないのでそのままの装備になっている。

今現在、このレベルでの追加要素などは何も無くひたすらレベル上げである。

この時点で飽きそうな人もいるが普通の画面越しのゲームではなく先程のボスみたいなキモ要素などがあるためかなり楽しく遊べている。

私はこのレベル30のダンジョンをクリアするとすぐにゲームをログアウトし友達であるミクに連絡する。

その内容はもちろんそろそろゲームに来る?という連絡である。幸いすぐに既読がつき、後10分くらいで行くー!との事だったので私はこのとりあえずゲームにログインしさっき急いでお金を払い泊まらせてもらった宿屋に戻る。



そういやー言うの忘れてた。

新しい機能2つくらいあったわ……

1つは宿屋!宿屋に居ないと普段いる街でもプレイヤー同士がログアウト中の人を狙った殺人事件的なのが起こってるから宿屋は必要!ゴールドは宿屋に応じて変わるらしい。

もう1つは拠点!宿屋と性能は似ているが拠点は少し違う、自分の好きな家や宿屋などを形成できる、その代わりゴールドはバカ高い。

拠点は自由な空き地に建てられる。

拠点は他にも能力があるらしいが今はこのくらいの情報でいいや……

いつか魔王城作りたいな。


そんな事を1人で語っているとフレンド一覧からメールが来た。

内容は……

ミズへ

やっと起きて色々済ませてきたー!

最初の街にいるからとりあえず合流しよー!

ミクより

という事なのでとりあえず短い間だったが宿屋を出る事にする。



この宿屋意外と安かったな……

またいつか会いに来るよ。

宿屋さん


そうしてミズはミクが待っている最初の街に移動する。

最初の街に着くと人がやはり多いためかなりつめつめで移動する。

だが意外とミクが近くにいたのでむさ苦しい男たちに囲まれる事もなくすぐにミクと合流出来たのである。


「ミズおっはよ!!!」

「ミクおはよ!!」

「ってかミク装備とか揃えたんだ!ステータスはどれどれ……は?強くなりすぎじゃん!」

「いや……まぁうん。頑張った!」

「やっぱりあのゲームを攻略した人は違うねー!」


べた褒めしているミクにミズは「あのさ、ミクに聞いて欲しいことあるんだけどいい?」と言い魔王についてミクの協力無しには無理だと思い話す事にする。

ミクはいいよと言ってくれたためクルフリードが話していた魔王について隅々まで話す。


「……って事なんだよね。それで魔王になるって言っちゃった……」


ミズはミクに「なんで勝手に決めるの!?」と怒られるかと思ったが意外な反応が待っていた。


「ミズがそう決めたなら私は反対しないよ。だって友達でしょ!しかもミズが頼られるのも仕方ないしね!」

「いいの?2人でゆっくりゲーム出来ないのに……」

「私は別にいいよ!ミズが大魔王になるなら私はその下の魔王になるよ!家来になれるだけでも光栄だよ!」

「ミク……ありがと……」



とても嬉しかった。

今までネット上の人にしか頼られなかった、しかも強さだけでしか求められなかったから……

いい友達を持ったなぁ……


ミズは感動に心を踊らせるが時間はそれを許してくれない、今にもレベルを上げて魔王にならないと勇者はどんどんレベルを上げていき魔王でも倒せない敵になってしまうからだ。

だが、友であるミクにこの事を話した事によりミズの大魔王計画は少し進んだ。

まぁ簡単に言うなら仲間が増えた。



ミクにはそろそろ言わないといけないかな……

私はなぜ皆に強いとは思われているけど実際は何も知らない無知の最弱ゲーマーなのか……


ミズは重い話をした後に更に重い話をミクに持ちかけた。

嫌われると思った、なぜならこの話は私がほぼチートしていると言う話だからだ。


「ミク……私ね、実は皆に強いって思われてるだけで本当は強くないんだ……」

「どういう事……?」

「私はね、親がめちゃ有名な会社の社長とかなの。しかもゲーム専用の、だからゲームの情報ならなんでも手に入るの」

「別にそれだけならいいんじゃない?」

「他にもあるの……私はあの100万回の塔を攻略したけど実際私は攻略してないの」

「えっ……?」

「私は多重人格なの……1つ目の人格はゲームが出来ない最弱でコミ障なミズ、2つ目は圧倒的PCで全てのゲームが攻略できるミズ、3つ目は圧倒的会話能力で全てのゲームの人望を集めれるミズ、この多重人格のおかげで私は100万回の塔を攻略出来たの」


この話はさっきとはレベルがまるで違う話、嘘だと思われるのも仕方がない。

なぜなら多重人格などはっきりとした症状でもなければこの世に多重人格はさほど存在しないから、ただカッコつけて言っているようにしか聞こえない、そうか厨二病だと思われるだろう。

だが今はそんな事は関係ない、一番信頼出来る友達に自分の事を話さなければ今後の攻略にかなり支障がでるからだ。

その話を聞いたミクは少し理解に苦しんでいる様子だったが私の答えになるべく早く返答してくれた。

しかも最高の返答だった。


「私は別にミズなら何でもいいよ。さっきもいったけど私の友達なんだからさ!」

「ミクはいい人すぎるよ……」


私が泣きそうな顔になるとミクは焦ったようにして私に質問してくる。


「ミズ!ミズ!どうやったらその多重人格というか攻略型とかコミ弱型とか人望型とかになれるの?」

「えっ……なんかね、敵が現れた時とかは心の中でもう1人の自分が、私が出てもいい?って許可をとってきたりするんだよ。で最弱でコミ障の私が、いいよって言ったら人格が変わって敵を倒してくれるの」

「なんかすげぇー……ってかそれなら前の戦闘とかは攻略型の人格は出したの?」

「いやこのゲームはなるべく使わないようにしてるの。私自身が強くなりたいからね」

「いい心がけじゃん!」

「少しずつ強くなってる感じはあるんだよね」

「なら続けよう!私は隣でずっと応援してるよ!」

「ありがと……助かるよミク」


何千万人といるこのゲームでこんなにも悲しく嬉しい話があっただろうか。

この話の意味は今後、色々な所で役にたってくれる。

いや役にたたなくともこの出来事はミズとミクにとっての大きな大魔王への一歩である。








《あとがき》

皆様、ここまで読んで頂きありがとうございます!

ランキングでは毎回30位程をキープしておりこれからも頑張りたいなと思う日々

そんな中、少し見出しの内容を変えたいと思います。

最弱から最強という風に書いていると思いますが今日をもって変更させていただきます。

そして小説の投稿は2日に一回とさせて頂き、量も少しだけ増やさしていただきます。

これからも応援よろしくお願いします!







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