第10話 レベル上げをしよう!

ミズはミクに大魔王になる事や自分がなぜ強いのかなどの説明をした後、ミクと共に経験値ダンジョンやアイテムダンジョンなどのマルチプレイすると多くの報酬が貰えるダンジョンに行く事にする。

もちろん経験値ダンジョンとアイテムダンジョンには基準レベルというものがあり例えば今からミズ達が行こうとしている経験値ダンジョンとアイテムダンジョンはレベルが100ごとに分かれており、一番最初はレベル100から始まる。攻略をすれば次のレベル200のダンジョンが開放される仕組みになっている。



ってか……レベル100からって無理じゃね?


ミズはダンジョン受付の所でふと思ったがミクには何かの策があるのかと思い適当に受けてしまった。

だがその選択はあっていたのかもしれない、なぜなら時間は沢山あるがクルフリードが言っていたように早くレベル上げをして職を変えないと勇者が強くなるからだ。

さっきミクと話した結果、今日中にレベル100まで行くとのことらしい。

そのためミズはミクの所までダッシュしすぐにダンジョンの中に入る事にする。


「早くレベル100にならないとね!」

「ミク、このダンジョンレベル100だけどいいの??」

「大丈夫だよ!大型マルチ討伐戦だから!」

「え……それってまさか……」


ミズの嫌な予感はミクの発言により当たる事になる。


「そうだよ!20人でやる討伐戦だよ!!」



おい、まじかよ……

私はコミ障なのだけれど、普通に会話とか出来ないのにコミニケーションとかどうやってとるんだよ


そんな事を思いながらも大魔王になる計画や私の事を知ってくれてもなお友達で居てくれるミクには何も言い返せない。

しかも結局行かないと強くなれないので行くしかない。ダンジョンの中に入ると目の前にはボスがたっており今は攻撃されないが目の前には円上のフィールドがあり、そこにおりたら攻撃の目標にされると言うことだろう。

私のレベルは今45でミクのレベルは72ということはミクだけに頼っても絶対にこの討伐戦は勝てないということである。

しかも討伐戦のルールを見たところ1度死んでしまったら初期地にリスポーンするらしい、つまりライフも1つ。


「これ勝てるの……?」

「うーん、かなり難そうだねぇ。チャット機能とかもないし、フィールドにたったらコミニケーションを1から始めてボスを倒さないといけないって結構やばいね……」



これがこのゲームが難しいと言われる原因の1つでもあるのか……

まず経験値ダンジョンが遥かに強いのとコミニケーションをとる相手との相性も良くなければ攻撃は必ず失敗する。

これはかなりえぐいなぁ……

ってか残り10秒でフィールドに立たないと追放されるじゃん……


「ミク行こ!」

「うーん、まぁなんとかなるか!」


こうして2人はなんとなくで経験値ダンジョンのレベル100のボスを倒しに行くのであった。

フィールドと降り立つとそこには10メートルほどの熊と狼が合わさったような歪な顔をした敵がいた。

その敵を囲むかのように他の18人のプレイヤーもおり、だいたいのレベルは皆一緒で50から65くらいであった。

そんな中で10人の集団がおりその中の1人、リーダーらしき人物が声を上げる。


「皆の者!よく聞け!この敵の体力は15万以上だ、攻撃力も並じゃないだろう。ここは我々10人が特攻隊となり敵の注意を引く!残っている10人は遠距離系の攻撃か負傷者の回復役になってくれ!」


この指示は簡単に言うと無謀である。

なぜならレベル100までの遠距離武器はほぼ使えない武器でありこのフィールドにいるプレイヤーの殆どは遠距離系の武器は持っていない、しかも回復系のスキルなどは持っている人は限られている、このレベル帯だと特に。

だが指示をした男とその集団は他のプレイヤーの事も考えずに特攻をかける。


「しねやぁぁぁ!!!!!」

「いくぞぉぉぉぉ!!!!」


最初に攻撃を当てようとしたのは集団の中にいる装備が整っていた男2人であり他の8人は周囲を囲もうとしている。

だがもちろん敵は攻撃を喰らわずに大きな斧で2人のプレイヤーを弾き飛ばした。


「グルゥゥゥゥ……」


弾き飛ばした後にすぐに後ろを振り向き、敵の後ろにいたプレイヤー3人を威嚇した後にまた斧を振り殺そうとする。


「シイナ!カイ!敵の斧を止めるぞ!!」


だが1人の男が2人の男女に斧を止めるぞと命令し3人で向かってくる斧を止めようとする。

見事にその斧を止める事に成功し、敵が前傾姿勢になった所で左右にいた残り5人のプレイヤーが同時にスキルを敵に向かって打つ。


「いけぇぇ!!!!!」

「さっさとくたばりやがれ!!!」


5人の攻撃は見事に当たり、かなりダメージを与えた思ったが減ったHPはたったの2000だけだった。見た感じ5人の出したスキルはミズでも見た事のないスキルでありレベル50以上のスキルという事は何となく分かったがレベル50以上のスキルでたって2000しか与えれないという事は防御力が圧倒的に高いと言う事である。

そして先程、敵の攻撃を止めた3人の男女は


「な、なんだよこいつ……」

「おいおい、こんなやつ倒せねぇーよ」


と諦めかけた時に敵はもう一度右手で斧を振りもう一度攻撃して来ると思い構える男女3人だがスキルを打ったまま敵の左肩にいたプレイヤーの1人に斧を振りかざしたのである。

プレイヤーはもちろん敵が自分の体に攻撃する事はないだろうと思っていたがそれをまんまと裏切れそのままHPが一気に0になりその場から消えたのである。


「クリが……」

「くそ!!!この雑魚クマが!!!」


仲間を殺されてしまった怒りにより左右でスキルを打っていた男が敵に攻撃するがもちろんビクともせずに斧で振り飛ばされその男もHPが0になりその場から消える。

既に2人がダンジョン失敗、もう2人が意識を失っている。



どうすればいんだろ……

このままじゃ全滅する、どうやって倒せばいんだ?

待てよ……

あの敵確か……

よしやってみるか。


ミズは何か思いついたのかミクに話しかける。ミクはミズの話した内容に納得したのか周りに立っていた残りの8人に声をかけに行く。その間にミズは敵に速攻をかけ、敵の周辺にいた集団プレイヤーのリーダーに一言話しかける。


「あの!!貴方達は今すぐこの場から離れてくたさい!わ、私たち今からこいつ倒すんで!」


やはりコミ障だと言う事もあり中々うまく話せなかったがこれを聞いた集団プレイヤーのリーダーは残りの6人に敵から距離を取るように命令する。

敵から距離をとるとミズはミクに目で合図を送るとミズは先程話しかけていた8人のプレイヤーと共に身を寄せあい敵に突撃する。


「いくぞぉぉぉぉ!!突撃!!!!」


その声に反応した敵はミズ達が思っていたよりも早いスピードでミク達に向かって走り出す。敵が早いのは驚いたがそれほど計画には関係なかったためミズはそのまま敵の後ろを追いかける。



やっと分かった、こいつの弱点と倒す方法がね。

さぁ、楽しくなっきた!!


敵はミク達の前に来ると恐ろしいくらいのスピードで斧を振り上げる。

それと同時にミクやその他の人がもっていたスキル、スモークにより敵の視界をさえぎる。更に視界をさえぎった後にミク達は敵の周りを囲むように動く。

そうしている間にミズが敵の後ろに着くとミズは敵の肩まで軽々しく飛び移り、凍剣ファブルソードで刺す。

それにより敵は雄叫びをあげる。


「ガァァァァァ!!!!!!」


雄叫びを上げると敵はミズを目掛けて斧を振り下ろしミズを真っ二つにしようとする。

ミズはそれが分かっていたため斧を振り下ろす前に地面に着地する。

それにより敵は自分の肩に斧を振り下ろしただけになってしまった。

敵のHPはなんと1万も減り残り13万となる。


「ミズ凄い……この作戦いいね!!よし!みんなこのままこれを繰り返して倒すよ!!」


そう実は集団プレイヤーが1人倒される前、スキルを打ったプレイヤーが敵の肩に乗った。

普通ならそのまま肩に乗ったプレイヤーは弾き飛ばされたりするものだがこの敵は違った、よほど自分の上に乗られるのが嫌なのかそれともそういう仕組みなのかは分からないが集団プレイヤーを倒すために容赦なく自分の肩めがけて斧を振りかざした。

そう容赦なく……

つまり敵は自分の体に敏感であり触れられると感覚が狂ってしまい自分の体にもプレイヤーがいれば攻撃してしまうのである。

そしてその斧の攻撃力は以上に高く敵の体力15万以上もあったが2回の攻撃で2万以上も減った。

つまり普通には倒せない、考えて倒さないと行けないと言うことだろう。だが敵の肩に乗って攻撃をさせるというのはかなり難しいためしっかりと敵を見てやらないといけない。


「2回目行くよ!!」


こうしてミズ達による2回目の攻撃が始まった

そして戦闘から1時間……


もう戦闘を始めてから1時間が経ち、敵のHPは残り1万となり今最後の攻撃を与える所まで来たのである。


「やっとここまで来た……これで終わりだ!!!」


最後には少し地味だが無事にレベル100のボスを倒す事が出来たのである。

普通に疲れる戦いだがレベル100に上げるためにはこれを何回もしなければならない。

正直心が折れてしまう。

だがやるしか無いのだろう……

こうしてミズ達の経験値ダンジョン周回が始まった。







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