第12話[番外編・父と母・香と剛]

山本 香(かおる)

今から25年前の3歳の夏

弟が生まれた


生まれた直後には弟に会えず

母が弟を連れて家に戻ったのは1ヶ月後だった


その当時住んでた家に沢山の大人達が集まり

凄く怖い顔してベビーベッドに寝かされた彰を睨み付けていた


私が彰の頬をさわると目を開けて

私の顔を見てニッコリ笑った


凄く可愛いいのに

なぜ集まった大人達が彰を怖い顔で見ているのか理解できなかった


彰が産まれて1週間がたった頃だったと思う


お父さんとお母さんに大切なお話しが有ると言わた

私はその時初めて彰の身体の事を聞かされた


母が『彰には足が無いの、左手も無いの、それでも香の弟は、とても可愛いのよ』ッて母が言った


父は『姉弟仲良くしてくれるかな』っと私に聞いた


私にはまだ父と母の言葉を理解できていなかった!


ただ私に弟ができた事が嬉しくて『はい!』ッと答えた記憶はある


そしてあの日を迎えた


沢山の大人達が彰を睨む

その時私が言ったらしい


母から聞いた

『彰を怖い顔して見る人は、皆家から出て行って、彰はこんなに可愛いのに、どうして皆は彰に怖い顔を見せるの、皆大嫌い!!早く出て行って!!』


3歳の私は泣きながら

何度も何度もそう言っていたらしい


その言葉で優しかったお婆さんが

私の腕を引っ張り

引き離そうとした

あの時の腕の痛みはなんとなくだが覚えている


あの優しかったお爺さんとお婆さんは私に言った

『香ちゃんは化け物と一緒に暮らしてはダメなのよ、周りのお友達も香ちゃんの事を嫌いに成るから、お父さんと香ちゃんは、お爺さんとお婆さんの家で一緒に暮らすのよ』


母は泣いた

父は私と母と彰の間に入り凄く怒った


その事はハッキリ覚えてる!

「私はどこにもいかない!、お父さんお母さんと彰と4人が良い!!、いっぱい泣きながら何度も何度も言った!」らしい・・・・・?


騒ぎが修まりひとり二人と帰って行った


私はお母さんに抱きついて

いっぱい泣いた・・・・・


一緒が良い・一緒が良い・

何度も・繰り返し・繰り返し・泣き続けた


そしたら彰も連られて泣いた

私は慌てて彰の所へ行き

香「大丈夫だよごめんね、お姉ちゃん泣かないよ」そう言って

小さな弟の半分しか無い左腕を持って頭を撫でた


彰は凄く可愛いい

まるで天使みたいな笑顔を

私にプレゼントしてくれた


そんな彰に私は

『ずっと一緒に暮らそうね』っと笑った


するとそれに答えるように

彰が又笑顔をくれた!

それが弟のアキラとの出会いだ!?


1年2年3年・・・・・・・

彰といっぱい遊んだ・・・


確かに見た目は他の人とは違うけど

彰はいつも沢山の笑顔を私にくれる


沢山努力して3歳で両足の太股の残っている足に

丸くてクッションがある器具をはめた


底が少し平らな部分が有り

彰はそれをはめてから

普通の人の膝部分の高さで立つ事ができるようになった


沢山歩く練習して

その器具を装着して歩けるように成った


勿論話しは普通にできるし

右手でスプーンやホークを持ち自分で・ご飯も食べる

トイレだって台が有るからひとりで行く


何も変わらないんだよ!!

それなのに彰を化け物と言った人達がいる


あれ以来その人達とは会わなく成ったが・・・・・


ある日の事

突然アノ嫌な出来事を思いだす出来事が再び始まった!!


私が幼稚園に通いだして直ぐ

園へ突然お婆さんが来て

私を連れ帰ると言った


園長先生が閉まった門の所で


お迎えの通行書が無ければ

中には入る事はできませんッと!!断った


すると次の日・・・・

待っていた様に迎えの時間に

沢山のお金と弁護士を連れ

お婆さんが又やって来た!!


私はおぼろげながら

あの日の出来事を思いだした!!


怖くて泣きながらお母さんに抱きつき

「ドコにも行かない!!」

そう言って泣いたアノ怖い日


でもその時丁度お母さんと

ベビーカーに乗った彰が迎えに来てくれた


怖かった!!

本当に怖くて泣いた!!

『おばあさんもこのおじさんも大嫌い!』

泣きながら大声で叫んで

お母さんの所へ走って行った


その時は彰が私の頭を撫でて

『お姉ちゃん、大好き』っとにっこり笑顔で言ってくれた


その笑顔につられて私も笑顔に成る


母は言葉無く

お婆さん達に軽く頭を下げ

先生達に挨拶をして

『帰りましょ』と言った


ところがお婆さんは

迎えに来ている他の父母の人達に聞こえるように

『この人は義理の母である私に、孫娘を合わせてくれない鬼です!、だからバケモノを生んでも平気な顔ができるんです!、皆様の前で化け物を晒し者にして、孫娘がバケモノと同類だと晒し者にしています!、友達を作らせ無い為の虐待です、車椅子に乗ったバケモノを見て理解シテ下さい、どうか孫娘とバケモノが一緒だなんて思わないで下さい(泣)、孫娘は鬼母が怖くて、毎日隠れて泣きながら私に電話をかけて来ます、どうか解って下さい、孫娘は鬼に虐待されています、だから私と主人と父親との4人で暮らすはずでした!!、それなのに鬼は全ての約束を守らず裏切った!、孫娘を救うために協力して下さい、お礼として謝礼金をお渡し致します、どうか皆様ご協力をお願い致します。(嘘泣き)嘆願書を父兄に手渡した!!』


そんな酷い事を園の皆が居る前でしたのだ!!


私は・・・その時近くまで走って行き・言った!!

香「恥ずかしのはそんな事を言ってる、お婆さんだ!!、小さい時から何度も言った、アキラの悪口を言う人は大嫌い!!、お母さんは鬼じゃ無い!!、アキラはバケモノじゃ無い!!、私に沢山の笑顔をくれる天使だよ!!、鬼はアキラをバケモノと言うお婆さんだ!!」(大泣き)


母が止めるのも聞かず

私は何度も何度も泣きながら大声で言った!!

「私の大切な弟・アキラは天使だよ!!、お婆さん大嫌い!!、もう二度と会いたくない!!」

涙が止まらなかった・・・・


そう話した時

アキラが車椅子から降りて私の側に来た

「お姉ちゃん大好き❤️」

満面の微笑みで私の頭を撫でてくれた


それを見ていた園に居た皆が

『本当だ可愛いね、天使みたいに可愛い❤️』

皆揃って言ってくれた🎶


それを見ていた保護者や先生達も

『本当に癒される笑顔ね~、天使みたいに可愛いい笑顔をくれるのね🎵』

笑顔がいっぱい集まった(笑)


誰もが皆・アキラを見て

天使みたいだと言ってくれた


それを聞いた母は涙を溜め笑顔で

『皆様お騒がせして・・・』っと謝罪して私を抱きしめてくれた


それを見たアキラは

笑顔いっぱいで

「お姉ちゃんだけズルい!、アキラも~(満面の笑顔)」

そう言ったんだ


そしたらね皆に笑われた

でも私は幸せだと思った


アキラを天使だと言ってくれたのが

たとえお世辞だったとしても凄く嬉しかった


彰は私の天使だ!!

笑顔が大好きで頑張り屋さん

私の大切な弟・・・・・


いつも一緒に沢山遊んで

沢山勉強して二人で沢山の事を学んだ


彰は他の人と何も変わらない

時にはケンカもする

どちらが悪い訳でもない


私が先・僕が先そんなケンカはしょっちゅうだった


母はそれを見て笑いながら

『二人ともいい加減にしなさい!、一緒にしたら!』ッと言うから

私もアキラも笑った


ケンカも沢山したけど

最後は笑顔

私達には大切な思い出の日々が沢山有る


お婆さん達は幼稚園騒ぎの日から二度と来なく成った


お父さんが言った

『もう2度とお婆さんや親戚の人は、誰で有ろうと私達には近付けないから、安心して沢山外で遊んで良いよ(笑)』


その言葉でお母さんは少し泣いた・・・・・・


今だから解る

お父さんの両親は彰を認めない


お父さんとお母さんを強制離婚させようとした


私をさらいお父さんを家に戻すバカな話だ!!


父さんの家系は検事や裁判官と言う世間ではエリート

父さんは3人兄弟の長男で跡取りだったらしい


でも父さんは検事では無く

家族の大反対を無視しで弁護士を選んだ


結婚相手も自分で決めた

それが母さんだった・・・・


私は高校卒業を目前にして

部屋で泣いていたのを母に知られてしまった・・・・!


母『泣くほど辛い事が有るなら、独り言でいいから、言葉にした方が楽だと思うわよ、香が泣いてるとアキラが学校から帰ってきたら、母さんが泣かせたのか!、って誤解されそうなんだも~ん』


独り言・・・・・母さんの言う通りだと思った!!


だから独り言

香「高校を卒業する時、小中校と一緒に過ごした、幼なじみの事を好きだと気付いた、一緒に過ごす時間はここで終わる!!、お互いに目標が有り同じ大学には進め無い、一緒に居るのが当たり前だと思い込んで・い・た・、11年間も自分の気持ちに気付けなかったなんて・・・ねッ!、正直自分でもどうすれば良いのか解らなくて・・・、どうにも出来なくて・・・気付いた時には自然に涙が溢れだしていた・・・、その時母さんが来た、独り言おわり~~~」


すると母さんも独り言を話すと言いだし

本当に話し出した・・・・


母『父が大学2年の時、海の家でアルバイトをしていた、

母(私)が高校3年の夏、友人達と海に遊びに来て出会った

出来事・・・・、母(私)は海岸で落とし物をした、友人達には『行く所が有る』と話し海岸で別れ、ひとり夕日の中

この辺だろうと探していた、当時海の家でバイトをしていた父が、砂だらけになって砂浜で何かをしている母(私)を見ていた、バイトが終わり海岸に人が居なくなっても、ひとり這いつくばってる母(私)が気になったらしく、懐中電灯を持ってコッチに来た、懐中電灯の明かりを向けられ、母(私)はビックリして振り返り父を見た』


その時父は

『女の子がひとり、こんな暗い中何してるのかなッ!』


母『母(私)に声をかけた夏の海岸は危ないと思うどッてね?!』


だから母(私)は言ったの

『じゃッあなたは危ない人なのね、私は今忙しいから、あなたの相手はできないの、外の人を探した方が良いと思う、私みたいな子供に用が有るように見えませんよ!!』


父『そうだな~、でも君が今何をしてるのか気になってね、暗いし明かりが必要かと思って!』


母(私)は目に涙をためながら

『母の形見なの、ペンダントのトップ・・・偽物だけどダイヤが無いの、この辺だと思うから・・・・・、父は何も言わずに海の家へ走って行った、母(私)は震えながら涙を流した、すると何人かの足音!、砂がキシム音と沢山の明かりが近付いて来た!!、5人位の若者達が来る!!乱暴される!!、のかもッと諦めた・・・・・、でも~違った5人の若者は、突然本当にこの辺?、もしかしたら海の中とか?、もう一回り範囲を広げよう!!』


母『父と友人達だったの、アリッタケノ懐中電気持って来た、〇と〇と〇は上から明かり頼む、お嬢ちゃん大きさは??』


母『母(私)は声がだせずペンダントを見せたの、そしたらね父にお茶とパンとタオルを渡されたの?!!』


父『泣かなくて良い、必ず見つけるから、君はほんの少しだけ休憩をしなさい』


母『母(私)は渡されタオルで涙を拭き、その中に居たお姉さんに支えられてその場を離れた、夜10時お兄さんやお姉さん達が家の事を心配してくれたけど、父と二人暮らしで、今日は夜勤だからッと素直に話していた』


皆『解った、でも夜中の12時で終了、もし見つからなくても大丈夫、そのお姉さんに連絡先教えておいてね、僕達が引き続き探すから!!』


母『母(私)は涙が止まらなくなり、お姉さんに抱えられ声を出し泣いたてしまった、母は(私)は小学校入学直前に母親が病気で亡くなり、小学校へ入る準備が・・・・・、父親は働きながら不器用にでも、母(私)を愛し育ててくれた、父親は不器用だけど家事をこなし頑張ってくれていたから、母(私)ら何も話せなくて、でもね父親は母(私)が知らない間に、全ての準備をしてくれていた、母(私)はある日その事を知った、それはとても素敵なサプライズだったわ(笑)、明日荷物が届くから出かけない様にと言われたの、次の朝起きて見ると部屋の一ヶ所が開いてた、何が届くの??本当にそんな感じだったわ、昼1時ドアのノック開ける約束、『どちら様ですか?』聞く、『お父さんの注文の品を届けに来ました』、紙に書かれた父親の約束の返事でドアを開けた、ソコには大きな荷物を持った二人の男性が立っていた、二人は荷物をほどき組み立て終了、ビックリ!!』


店『出来上がり、ガンバレ1年生』


母『母(私)は涙が溢れて声が出なかった、でも父親との約束のメモには・・・』


店『(笑)ココに名前を書いて下さい』


母『言われたら・・・自分の名を書く事・・・だったの、母(私)は涙声で『はい』と言って自分の名前を書いた、届け物は勉強机と椅子、その夜に父親に言われた、次の休みにランドセルとか一緒に買いに行こうって、母(私)は父親の愛情の意味を知り笑顔で居ると決めた・・・・』


母『結局その日ダイヤは見つからず諦めた・・・・・でも優しいお兄さん達とお姉さん達に会い感謝したの、しかも帰りはお姉さんが車で送ってくれたし~、皆さんの優しい気配り本当に嬉しかった、でもね帰りの車の中でお姉さんに叱られたの、誰もが皆良い人とは限らないから、もう絶対夜遅くの外出はダメよ!!ってね、そう考えると後で恐怖を感じたわ、お姉さんの言う通りだものねッ(笑)』


香[母さんだわ~天然!!]


母『それから2週間後8月の半ば、お姉さんから携帯に留守録が入ってたの、見つかったわよって、あの時はマサカって感じだった、信じられなかったし諦めもあった、母(私)はバイトが終わり留守電を聞き、お姉さんに半信半疑で電話したの、あのッ本当に?!ってね、本当だって言われての、アノ後毎日皆で休憩時間に交代で探してくれてたらしいの、見つけたのは父君だって言われて、お姉さんがね砂浜でジャンプして大声で海の家に走って来て、店に居た皆で大喜びしたと教えてくれてね、お客様にビックリされたようだけど、オーナーさんには事情説明していてくれたらしく、その日の夜9時ぐらいに届けるからって言われた時は嬉しくて、後あのダイヤ本物だったって聞いた時は・・・、父親って凄いって思った、だって父親には偽物だって聞いていたから、』


母『偽物はチェーンだけだ、トップ部分は本物って、聞いた時は本当にビックリ、それとねお姉さんが教えてくれたの、指輪だったようだって、指輪をペンダントにした、だからトップは本物で偽物はチェーンだけ、ご両親の結婚指輪だったんじゃないかな?って言われた時、両親は本当に心の底から愛しあってたんだって、思ったら涙が止まらなく成って・・・、母(私)は再確認したわ~、親の愛情の深さ、母(私)は父親から沢山の愛情をもらい生きて来た事が嬉しくて・・・・・』❤️🎶


母『母(私)は泣きながら、ありがとうございます、としか言えなかった、丁度その時仕事から帰った父親は、電話で泣いてる母(私)をみてビックリ!!、父親が電話を取り上げ事情を聞き、何度も何度もありがとうございますって、繰携帯に頭を下げてたから、母(私)それ見てたらなんか面白くって笑ったの、そしたらね電話きった父親が、それに気付いて一緒に笑っちゃって、最後には二人で笑いが止まらなく成って・・・・』


母『母さんの独り言終了~~~(笑)』


香「え~~~そこで終了なの、結局父さんとの出会いだけ!、その後の結婚までの経緯は??!」


母『母さんだって、心にしまっておきたい思い出が有りますからね~(笑)』


香「母さんらしいわね、1番大切な思い出は心にッ・・・か!、私は・・・・・」


母『何悩んでるの!、香はいつも元気な行動派でしょ、自信持ちなさいよ、それが1番、香らしいから・ねッ!』


香「私らしい??・・・私らしく・・・?!、私らしくって何・・・?!、確かに行動派なのは認めるけど、何だろう?、私らしい・・・とか・らしくって・・・言われても、自分を外から見れるなら解るかもだけど・・・、自分の事なんて今まで考えたことも無い!?、だいたい当たって砕けろ!!、だもんな~、約束事とかは必ず証拠!・残しとくからな~ッ・・・あれッ!!?」


母『香?!何かひらめいたのね!!、頑張って・ね~~~(笑顔)~~~』

母さんはそう言って部屋を後にした


香「母さんありがとう、みつけた!私らしい!!、絶対大丈夫・・・だよッ・ねッ!!(笑顔)」


それにしても

お爺ちゃんって本当に優しい人だったんだッ・・・!


私が産まれる前に病気で亡くなったって聞いてるけど

会いたかったな~~~


きっと優しい笑顔だったんだろうな(笑)


母さんの笑顔は昔から変わらないから好き

アキラの笑顔は母さんに似たんだろうな~


それでも私はアキラの笑顔が大好き

あれは本当に癒される!!

(ひとり頷く)


なんか母さんって恵まれてるかも~~~(笑)


父さんは凄く母さんが好きなの解るし

浮気とか無かったのかな?!

知りたい~~~(笑)


父さんに聞いてみょッかな~

でももしそんな事が有ったとしても・・・秘密㊙️だよね!?


ー→→→→もう迷わない!!

私だけじゃない・・・二人の秘密㊙️・・・大丈夫・・・だよ・・・ね~~~!?


私が小学校へ入って直ぐだった

それが始まった!!


入学式に両親と子供用の車椅子に乗った彰が来てくれた


御近所に同世代は居なかった

幼稚園の同園生は2・3人居たかな?


でも同じクラスの人は居なかった


次の日から学校へ

最初の2週間だけ

朝は近くの上級生と一緒に行き


帰りはできるだけ固まって近くの人と一緒に帰る


母さんはクラスの名簿を見ながら

母『途中までなら・・・・、この子と・この子かな?』


母さん成りに考えてくれていたが

事態はそんな単純なモノじゃ無かった


帰り所か朝も私はひとりで

考えていたのを母さんは知らない


ワザワザ話して心配させたくなかったから


ひとりで行くと決めたのは

学校へ入学前からだ


近くの上級生が嫌いだった

理由は・・・・・


何も知らないのに

彰の事をキモイとかバケモノと言ってるのを聞いたから


入学式の日クラスの保護者達のささやきも聞こえてきた


[可哀想・事故とか?・生まれつき?、あんな子供を見世物みたいに連れてくるなんて・・・虐待でしょ!!]


[何考えてるのかしら酷い親だわ、子供達だってビックリしてるじゃない、どうにかならないのかしら?、本当に気味が悪いわね!!]


言い方はサマザマだけど結局

全て彰の悪口!!


何言われても家の両親はヒルマ無いし堂々としてる


私も同じだ!!

入学式が終わり皆で帰ろうとした時だった


大声で彰の名を呼び駆け寄る

姉『アキラ~~~』


彰は笑顔で私に抱きつき

「お姉ちゃん、おめでとう」100点満点の笑顔をくれた


姉「ありがとう~~~」

私も100点満点の笑顔を返す


姉『アキラ、お姉ちゃんの歩いてる所見てくれた?(笑)』


「見たよ、練習通りだった、お姉ちゃんが1番カッコ良かったよ~(笑顔)」


姉『でしょ~、お姉ちゃんが言った通り、アキラに見えるように歩いたからね(笑)』


私とアキラが話すのを見て

又ヒソヒソ話は続く


??[練習ってつまり皆の前で障害者家庭をアピールって事かしら~(クスクス)、最低ね同情集めかしら、あんな子供が同じクラスに居るなんて、家の子大丈夫かしら一緒にされたらどうしましょ]


その時だった

あの~山本先生ですよね?!


??[あの人達誰?先生って言ってるわよ、何様なの?]


父『はい!、〇▲先生じゃないですか、お久しぶりです、その後どうですか?お代わり有りませんか?』


〇▲『はい、お久しぶりです先生、その節は色々とお世話に成り、本当にありがとうございました』


〇妻『先生!お久しぶりです、あの時は大変お世話に成り成り、本当にありがとうございました』


父『いいえ私は何も、極当たり前の事をしただけですから、全てはご主人と奥様の努力のたまものだと信じています(笑)』


〇▲『いいえ、あの時先生が居てくれたお陰で決心が付きました、私に勇気が無かったばかりに、待たせてしまいましたが、後少し遅かったら私達は大切なモノを失う所でした(笑)』


父『そうか・・・もうそんなに、息子さんも新入生ですか、何組かな?、家のはあそこに・・・・』


〇▲『香ちゃん、彰君大きくなりましたね、僕が会ったのは1歳過ぎ迄でしたから、もう私や妻の事は覚えてないでしょうね』


父『香、彰、母さんこっち』

母『あッ!、〇〇先生!!』


〇▲『奥様お久しぶりです、彰君も元気そうで嬉しいです(笑顔)』


彰「・・・?、姉さん誰?」

香『アキラの先生だや!!』


〇▲『香ちゃん、先生の事覚えてくれてるの?!』


香『(笑)アキラの先生は皆覚えてます!、私アキラのお姉さんだから、アキラ、この先生ね、前の家の時に通っていた病院の先生だよ、覚えてないよね、アキラまだ赤ちゃんだったから、でも忘れないでよ、アキラの先生だからね(笑)』


彰「解った、忘れない、え~ッと〇〇先生?」


香『そうだよ(笑顔で)、先生のお嫁さんは、看護師さんでね、ずっと彰を見てくれていたの!!』


〇妻『香ちゃん凄い、おばさんの事も覚えてくれてるの!?』

香は笑顔で『はい』っと答えた


〇妻『奥様、あの時はありがとうございました』


母『いいえ、こちらこそ、ありがとうございました、もしかして!後ろにかくれんぼしてるのは息子さん!(笑)』


〇妻『ダメなんです内気で、学校行かすのが心配で、香ちゃんも3組なの?、香ちゃん、剛(つよし)って言うの仲良くしてくれないかな?』


香『アキラの先生と看護師さんにお願いされなくても、大丈夫ですから!、つよし君、私は香(かおる)、お友達になって下さい、こっちは弟のアキラ、生まれつき足が無いの、後左手も無いの、それを助けてくれたのが、つよし君のお父さんとお母さんなんだよ、だから剛くん、私とアキラのお友達になって下さい!!』


香が手を差し出した時

剛が母親の後ろから手を出し

『よろしくお願いします』

ッと小声で言って握手をした


それが香と剛の出会いだった

その後2人は

小中校と同じ学校へ通い幼なじみとなる


そして・・・・・

香と剛の家族は長い長い付き合い相手となる


剛は香の登下校のナイトと成った


ひとりでと考えていた香は

次の朝途中で剛が待っているのを見てビックリした


その時は剛の母親が話してた

引っ込み思案の話しを思いだし

待っていたのだと思っていた


でも・・・それは違った

剛が香の家族の事を両親に聞き自分で決めた事だった


だって剛は香に初めて会った瞬間に恋をしたから❤️


クラスの中で当然のように香は弾きだされた!!


本人は法定内の事だと納得してはいたが・・・・・


あまりにも沢山の中傷に陰口

落ち込まないわけが無い!


でもそんな香にも

ただひとりだけ話し相手がいるそれが剛だ!!


剛の存在は大きな助けになった


香がクラスの人にアキラの事で悪口を言われたら

香よりも剛のほうが怒っていた


影で香やアキラの悪口を聞いたら香に内緒で

ようしゃなく言い返していた


剛はただの引っ込み思案ではなかった


父親が医師であることから

他人の悪口や中傷する言葉が大嫌いだった


医師は全ての人に平等で有るべきだっと言う事を

父親の行動が物語っている


剛も自然に心の中にそうで有る事を心掛けていたからだ!


他の人が香に対して攻撃体制で話しをしてきたのを耳にすれば!!


おとなしい剛が相手を呼び出し豹変して

話すべき事を相手に伝える!


それら全て香のいない場所で続けいていた!!


いつの間にか皆が剛の事を

怖いと言うように成るが

香だけが何も知らなかった


剛は大好きな香を影でずっと守っていたのだ


お陰で香への攻撃は3年生までにほぼ収まりつつあった


香はとても勇敢だったにもかかわらず

剛の行動にはまったく気付いてもいなかった


そういう形で剛に守られ

長い時間を一緒に過ごしていたのだ


香は剛が居るお陰で

学校でのストレスを抱え込まずにすんだのも事実だ!


香が嫌だと思った事を顔に出せば剛は自然な形で

剛『香ちゃん何か有った?』質問する


そんな剛の言葉に

香「う~ッ、またローカ歩いてたら、アキラの悪口言ってるの聞こえた!!、何も知らないくせに・・・・!!」


剛『香ちゃん、今日学校の帰りそのまま香ちゃん家行っても良い?』


香「良いよ、でも剛君のお母さんには話してないんでしょ?」


剛『うん、だから香ちゃんのお母さんに話して電話掛けてもらうから(笑)』


香「解った、でも遊ぶのは宿題終わってからだよ!」


剛『解ってる、アキラも帰ってくる時間だからまたキャッチボール出来るし(笑)』


香「剛?、結局アキラと遊びたいんだ!!、でもアキラも喜ぶから良いけどね(笑)」


剛『うん、ありがとう(笑)』


香「でもいつも思うけど、剛君の弟だってアキラと同じ年でしょ、遊ばないの?」


剛『遊ぶよ、夜お風呂一緒に入ったりもしてる、でも今日お母さん仕事だし、弟と妹は夕方お母さんと一緒に帰って来るまで、僕ひとりだから』


香「あっそっか!、今日は剛君のお母さん仕事なんだ、そうだね、家にひとりより、私の家にいる方が楽しいよね(笑)」


剛は香の笑顔に笑顔で返した


剛は自分が養子だと言う事を知っている

その事も香には隠さず話していただが結して家で孤立等はした事は無い


両親も甘やかす叱るは弟妹と同じに接した

剛は香と一緒に居たいからアキラを口実にしただけだ


剛の両親も香の両親も理解していたが

なぜか香だけが気付けず


香は剛の事を1番の友達だと思っていた


だがその気持ちが変わり始めたのは

高校に入ってからだった


剛も香も学校で1・2を争う成績だが

その事はお互い認め合っていた


でも高校生に成り香にも同性の友人が出来た

二人が学校で話すのも減っていった


香は剛が沢山の女子にコクられている事を

友人を通して初めて知った


そんな事が続き香は剛に対して距離を取ったが

剛は昔と変わらず香の家に行く


そして相変わらず香に届く全ての物を寸前で止めていた


香の下駄箱や机に入れて有る物は

1早く見つけ全て回収していた


相手が解る物は本人に会い

二度と香にこんな物を渡すなと突き返していた


時には喧嘩に成る事も有ったが

剛は幼い頃から空手を習い黒帯を取得していた


それらは全て香を守る為に必要だと考えての行動だった


そんな事が裏で成されていた事等

香は全く気付いていなかっのだ


だから卒業を前にして

今まで剛の存在がどれ程大きな存在だったかを

初めて気付いた


卒業後それぞれ違う大学に進学が決まり


剛とは一緒に居る事ができないと実感した時に

自分の気持ちに気付き悩んだ


なのに剛はいつもと変わらず香に接してくる


今さらだけど剛の優しさに甘えていたと気付き


自分は剛が好きなのだと気付いた事で

香はしだいに不安な気持ちに成った


剛は香の気持ちも知らずに

他の学友達といつもと変わらず話しをしているのを見て


そんな剛を見るのが辛く成る


しだいに剛の横から離れていったが

自分に対して苛立ちも

制御不能になる


剛が香に話しかけて来ても

聞こえなかった振りをしてその場を離れる


卒業式を控えたある日

香は色々な男女が告白する姿を見たりしていたが


そんな中偶然

剛が何人かの下級生や同学年にコクられて居るのを見た


香はたまらずその場から逃げ去った


香の気配に気付いた剛は

相手にハッキリ大切な人がいるからと話し

香の後を追いかけた


香が逃げた理由は・・・・

当たり前だと錯覚していたと勘違いしたからだ


香の大丈夫と思った事すら

自身を失くしかけていた


そんな時に香は男子にコクられた

答える気力を失っていた香は・・・・・


相手を目の前にして何も言えなく成った・・・・・


その時だった香の後を付けていた剛が香の前に立ち相手を遮断した


剛『あァ~~ダメだめ!!、俺と香は大学卒業したら結婚するから!!、だから香にコクるのは禁止だって皆に話してたんだけど、君知らなかったの?!、香には2度と近寄るな!!』


〇男子『いつからそんな仲に?』

クラス中がビックリして声をあげた


勿論1番ビックリしたのは香だったが

香の大丈夫がよみがえった!


香は剛が約束を忘れていなかったのだと納得した


剛『小学校3年の夏休み、家の家族と香の家族が一緒に旅行に行った時、香と約束した!!、その時香と両方の家族の前で約束の承諾書を書いた、だから俺と香は両家が認める仲って事だ!!、解ったらコレから先も香にコクるなんてバカな事絶対許さないから・・・・!!』


二人でした約束

[大きくなったら、僕のお嫁さんに、成った下さい]


私の返事は?・・・・

確か剛が一生私を好きだっていうなら・・・お嫁さんに成ってあげる!!


香は席を立って剛に言った

「剛が側に居ないから、私こんな嫌な目に合ったんだよ!!、罰として今日帰ったらパンケーキおごってよねッ!!、返事は?!』


いつも通り威張ってたけど

涙目で剛に言った


剛『香ゴメン怖い思いさせたね!!、帰ったら着替えて迎えに行くから、パンケーキでも何でもご馳走するから、、機嫌治して下さい!!』

いつもの様に弱々しくそう言った


すると香は目をウサギみたいに真っ赤にして

香「帰りにアキラの好きなチーズケーキも買って!、それなら許す!!」


剛は香には絶対頭が上がらない・先に惚れた弱みなのか弱々しく話しをする

剛『解ったって!、今日香の家で卒業祝いと大学合格祝いだもんな、人数分買わなきゃな!!』


香「そうだった!忘れてた!!、卒業式前しか都合のつかないから今日だ!!、こんなバカげた事してる暇ないよ!早く帰ろう!!」


剛『そうだな香、早く帰ろう(笑顔)』


それぞれ違う道を進む二人だが

大学卒業後に結婚する事をその夜

両家の家族の前で告げた


香は弁護士

剛は外科医


剛には籍だけは先に済ませたい理由が有った


それは剛が願った事だった

山本家の婿養子に成ると決めていたから


剛は両親と弟妹を集めその話しをしていた


両親の実子で無い事を理由にした訳では無い


本当両親は剛が4歳の時に事故で亡くなった


その時運ばれた病院が

今の剛の両親が働いていた病院だった


アキラを出産しその後のケアを担当してくれたのが

剛の両親だった


父親は小児科医

母親は看護師


実の両親は剛をかばうように覆い被さり

奇跡的に剛だけが助かった

病院側から親族に連絡を


その時慌てて救急へ飛び込んで来たのが

今の剛の両親だった


剛の実親と〇▲先生は同じ孤児院で育ち

剛の実親は〇▲先生を兄と慕っていた


だから〇▲医師が自分の弟夫婦だと話した


その当時〇▲先生の奥さんが出産し半年

やっと看護師に戻ったばかりだった


剛の実親とは親戚として付き合っていた

それぞれの理由も有ったが


剛が目覚めた時引き取り手が無ければ当然・剛は孤児院へ


〇▲先生はそれだけは絶対に嫌だと考えていた

自分達3人は孤児院で育ち

やっと普通の暮らしを手に入れたのに


その子供をまた孤児院へ


妻と何度も話しいっぱい悩み

そしてアキラの父親が弁護士だと知り相談をした


養子・・・生まれて半年の我が子と

妻の仕事復帰・・・悩むのも当然だ!


〇▲の妻はひとり悩む夫に上手く説得が出来ずにいた


だからあの日〇妻は弁護士事務所を訪ねた

〇妻『先生お願いです!、主人の迷いを経ちきる方法を教えて下さい!!』


奥さんに話しを聞き香とアキラの父親は


弁護士ではなく自分がアキラを受け入れることができた理由を話した


父『家は香から学んだんです、香はアキラを見て世界一可愛いい弟、そう言ったんです、子供って不思議ですね嘘が無い、可愛いいモノを可愛いいと言う、花を見て綺麗だと思えば綺麗だと言う、私達夫婦は子供達に思い知らされました、大切なモノはその周りにある全てを大切だと思わずには、本当の意味の大切だと言う事に気付けなかったかも知れない事を、私達夫婦は私の両親に大反対されました、その時妻は私の側を離れようとしましたが、私はその手を握り、恥ずかしい話しですが、絶対離さないと言いました、妻以外の人を愛する事は絶対に無理だと自覚したからです、だから私は自分の家と縁を切りました、そして香が産まれ彰が産まれました、

私達は全て子供達に教わったんですよ、私に出来るのは剛君をあなた方御夫婦の養子にする手続きだけです!』


〇妻はその話しを聞き決心したように

『ありがとうございましたた言い』事務所を後にした


家に帰り夫の帰りを待ち話した

『私、今日、看護師辞めてきました!!、家には子供が二人居るんですよ、専業主婦をさせて頂きます!!、あなたどんどん仕事してお金稼いで下さい!!』


〇▲『えッ!!』

その言葉で〇▲先生は弁護士(香の父)の所を訪れる決心をした


〇▲『弟夫婦が事故で亡くなりました、残された弟夫婦の大切な宝物を我が家に迎えいれたいのですが、先生引き受けて頂きませんか?』


父『解りました出来るだけ早く手続きをさせて頂きます(笑顔)』


剛は叔父夫婦の養子になり

幸せに育てられ弟妹とも本当に仲が良い


だからこそ両親と弟妹達を集め皆に話した


剛『僕は香と結婚します!、でも今はお互いする事があります、その事をお互いの両親や家族に認めて欲しくて、僕は香の家に養子に成りたい、どうかお願いします、認めて下さい!!』

剛は両親に深々と頭を下げた


剛の父親は

『剛の事だから、多分そう話すだろうと母さんと話していたよ、だからひとつ約束してほしい、香ちゃんを絶対

幸せにする事と、山本家の皆様と当然家の皆を笑顔にすると約束できるなら、剛の思いを受け入れるよ』


弟妹はビックリしたが

それでも両親が解っていた事なら何も言えなかった


剛の思いが本物だと皆知っていたからだ


剛『父さんは、約束します!!、絶対に香を皆を幸せにします!!、父さんが言った通り、病院も僕が後を次ます、認めて頂きありがとうございます』

剛は再び両親に深々と頭を下げた


剛父『病院を次ぐと決心してくれたのか、決意は変わらないと言う事で良いんだな!!』


剛『はい!!、父さんの後を僕が次ます、でも1年間は海外で勉強させて下さい、お願いします!』


剛父『解った、では帰ったら必ず、約束は守ってもらうからな!』


剛弟『父さん・・・まだ隠居の年齢じゃ無いでしょ!、何かズルくない?!』


剛妹『確かにズルい!!』


剛父『母さんと世界中を旅行するのが、私達の夢だったんだよ、これ以上年を重ねると体力が持たないだろうからな(笑)』

剛達は全員で大爆笑した


大学卒業前なお正月

山本家に挨拶に行った


山本家当主は

『ありがとうございます、剛君のお気持ちを受けさせて頂きます』短くそう話した


その後剛と香は

満開の桜を見ながら

内々だけで結婚式をあげた


剛は香のウェディングドレス姿を見て

目を真っ赤にした


僅か6才の時満開の桜の下で夢に見た未来


その人と

これから先も一緒に・・・・


幸せにすると

改めて決心した日も満開の桜が咲いた日だった


1年間は別の病院で勉強して

その後海外の病院へ1年


当然香は父親の弁護士事務所に入った


ふたりの契約書は今も大切に香が隠してるけどね(*^^*)



台風は剛の病院を通り道にして

山本家に進路を進めている最中だと香に電話を掛け

剛は香を実家に帰らせた


まさか孤立状態に成るとは

予想外だったが・・・・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー〆



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