第10話[アキラ・終章]

「・・・母さんおはよう、今日も1日雨かな?」


『朝の天気予報は、午後からどしゃ降りらしいわよ、だから今日も外出諦めた方が良いとおもうけど?』


「う~~んッ、でも今以上遅れると皆も困るだろうし・・・他の人達に無理させる事になるとね・・・」


その時・部屋で電話が鳴った

「母さんゴメン、携帯持ってきて」


『は~いどうぞ(笑)』

・・・・・・・・・・・~~~


「ありがとう(ピッ)もしもし▲▲さん、おはようございます」


▲『おはよう山本くん、実は何人かのスタッフから電話連絡でね、昨日からの雨で床下浸水に成ってる地域が有るらしくて、

施工どころじゃないって連絡受けてね、先方に連絡したらあちらも同じような状態らしくて、

だから雨が収まる迄暫く様子見る事に成ったの、山本くんどうかな?』


「あッはい、先方がそう言うならその方が良いと思います、ところで▲▲さんの家は大丈夫ですか?」


▲『幸いな事に家は今の所大丈夫、スタッフからの電話で豪雨の事聞いてびっくりしたの、そう言う訳だから山本くんの家も気を付けてね、用心の為に避難は早めにね!!』


「わかりました、連絡ありがとうございます、▲▲さんも気を付けて下さいね」電話終了


母『で、仕事休みって事かしらね~??』


「あッ、うん、中止、豪雨で床下とか、すでに避難してる場所も有るらしい、その為に身動きできない人達が多数だって、家も考えなきゃ」


母『そうなのよね~~~、大変な事に成ってるのね~、天気予報では午後から豪雨に成る可能性が有るって、テレビが話してたわよ~、やはり早めに避難したほうがいいのかしらね~~~?』


母ーさん・・・テレビは話さないから( ̄▽ ̄;) (心の声)


「・・・そッそうだね、父さんや姉さんは大丈夫かな~??」


母『父さんは昨夜から事務所に居残り・だ・か・ら~~大丈夫でしょ、まさかビルの10階まで水がくるとは思わないから~、ただ電話が繋がらないのよ~、お買い物頼めないから、本当に困ったわね~、(母さんに聞いた僕が悪かった(^_^;))、香からは電話が有って??家にくるって、だから買い物頼もうとしたのに、電話切られちゃって、もう繋がら無いのどう思う??!』


「都市部の方はやはり危ないって事か・・・・、なら父さんも・・・・・!?!」


母『香は電気止まったって言ってたわよ~、お風呂に入れないのは嫌よね~~~』

かっ母さん・・・またズレてるよ~~~??!!


「姉さんの事だから、大丈夫だよ!!」


母『そう~約2時間ぐらいだから、もうソロソロ着いても良い頃かしらねッ!(笑)』


「?・・・母さん、俺、部屋で図面の再確認するから、何か有ったら呼んで」


母『解った・・・アラッ車?、香かしら・・・?!』


父『ただいま!』


「お帰りなさい、父さん??」


母『あれッ!、お父さんなの?、香が来るって言ってたのにまだ・・・??!』


「父さんよく帰ってこれたね、都市部大変だって・・・一緒に!?!」


父『ああ、香から電話もらって、途中で待ち合わせして帰ってきた、都市部は酷いモノだよ、とてもじゃないがいつまでも滞在できる状態じゃない、だから事務所の者も昨日の昼から順次帰宅させたけど、電車やバスも動かないから心配だったけど、全員から連絡が来たので、私も帰る事にしたんだが、香に電話がつながらなかったら、今もまだ歩いていたと思うよ、本当に助かったよ!』


「成る程・姉さんらしいね、良かった、でもこの分じゃ仕事どころじゃ無くなるかな・・?」


香『ただいま~、父さんゴメン!、シャワー先使うね、母さんお願い、私の着替え』


母『ッ!仕方ないわね、お父さんゴメンなさいね』


父『いやっ(笑)私ならかまわないよ、所で仕事はどう成った?』


「うん、仕事は順調だよ、ただ日にちがね、でもこの雨で伸びたから、僕としては良かったような悪かったような、複雑な気分だよ」


父『そうだな、まだ被害が広がる可能性も有るからな、香から聞いたよ、どうやら剛君の病院直撃らしい、アソコは剛君の提案で避難所認定されてるから、かなりの人が避難して来てるらしい、香は剛君から電話をもらい、どうやら豪雨がコチラに向かう可能性を考えて、剛君にこっちへ向かう様に言われたらしい!!』


「さすが剛兄さんだね、所で父さんの事務所はどうなの??」


父『どうなるかな?・コンピューターは中のファイルを全てコピーしたし、電源も落としてきたからね、後は帰った者達の自宅の方がどうなっているかが心配でね、しかし同じ都内なのに都心とこの辺じゃ全く違うからびっくりしたけどね!!、ただ剛君が台風の進路はこっちに向かってるからって心配していたらしいよ、だから香にこっちに行くようにと言ったらしい!』


「そうなんだ剛兄さんらしいね、やっぱり避難考えなきゃだね!」


父「お前の仕事はどうなんだ!!」


「仕事は順調だけど、あっちこっち大変だって電話連絡有ったから、今できる事は図面の再確認ぐらいしか出来ないよ!!」


父『そうか、仕事が順調なら良かった!』


「うん、今の会社には馴染んでるからね、仕事も家で出来るし、やっと俺に合った会社に出会えたかもね(笑)」


雷ゴロゴロドッカーン((゚□゚;))

母『キャー、イヤーッ!!』


父『また・・・落ちるな(母さん)!!』


「父さん・・・母さんの声で遊んでる?!(笑)」


父『嫌っ!、別に~ィ いつもの事だろ!!(笑)、さ~て・・・母さん母さん!、かくれんぼはどこだッてね?!(笑)』


やっぱり遊んでるプッ(笑)


姉『あ~始まった、母さんの雷ギャーー!!、雷よりうるさい御近所迷惑!!』


姉『にしてもこんなに成るなら昨夜帰れば良かったわ、本当に酷い状態でさ、後少し出るの遅れたら、車使えなかったかもって感じ、ギリギリセーフ(笑)』


「都市部はそんなに?!!」


姉『うん・・・そうね、テレビつけて見れば解るわよ』 


「それもそうだな・・・(^_^;)」


姉『本ッ当~アンタ、テレビ嫌いだよね?』


雷母『ギャー・イヤー(爆声)!』


雷母『ヤメテー・ギャー!!』


「別にテレビが嫌いとかではないけど、面倒なんだよね、CM とかCMとか~~大丈夫か?!、毎回アレってマジ近所迷惑??」


香「アンタそこ!強調!必要無いから(笑)、分かりやすいし、皆知ってるから、ねッ(爆笑)!!』


「別に姉さん笑わせるつもり無いから、でもやっぱ面倒くさいんだよCM 見るの!!」


姉『それッて、ただの視聴者のワガママだよね!!』


雷母『ギャー・キァー!!』


「ワガ・ママですか?、今のアレ?、でもさァ~だから見ないじゃん、リアタイムテレビ、ドラマや映画は全てCM カット録画だし、コレが俺のワガママって言われてもね?!」


香『まあね、どんな風に見るかは視聴者側の自由だしね、でも今の状況はやはりリアでしょ!、母さんカナリヤバイ!!移動できるかな??!』


「まあね~、一応認めます、だからCM 有りでニュース見ま~す!!」


姉『はいッ!、素直でよろしい、ではテレビスイッチON!・えッ!!マジ?!!』


「かなりヤバくねえ!!!、コノ感じ!!」


姉「カナリ・ヤバイね!!、逃げなきゃダメでしょ?!!」


「逃げるって何処へ??!」


香『だよね~(母ギャー)、母さんは動けないから、取りあえず二人で避難具・・・ッても、バンには全て入ってんだよね?』


「うん、バンにはね、2・3日分ね、ただし2・3人分ね、あれだけじゃ足りないよッ!!」


香『そだねッ、家の中に有る分は?!』


「避難具好き母さんだから、3・4人様1週間分、でも!全部バラバラだし~、母さんだし~!!、ドコに??!解らないから!!」


姉『だよねェ~母さん(アレ)だし~~~!!』


「嫌ッ!、姉さんまで母さんに並ばなくていいから!!」


姉『いい~やッ!、どう考えても、雷母さん避難させるの、カナリ難しい問題だよ~~~!』


「うん!!それは理解できるけど(母ギャー又)、まずは母さんが家の中の、どこかに隠してる避難具探しする?!!」


姉『そだね~~~始めましょうか・・・(母ギャァー)始め!!』


「取りあえず適当に探すか・でも何で母さんは・いつも・いつも・避難用品買っては、何処か解らない場所に隠すのか!!」


香『母さんだからでしょ!!』


「えッ!それ意味不明!、姉さ~ん、避難用具見つけた?!」


香は手をパンパンと鳴らし

『こっちの物置には、カセットコンロの・ガスがイチダース、とッなぜかレトルトカレーが45Lのゴミブクロに数えキレないぐらい有る、でも重くてもてない、後レトルトご飯は無い、カセットコンロも無い?!』


「俺の方は缶詰だらけだけど、後大人様の紙オムツが大量生産状態・・・??、意味は解るけど、大袋が30ぐらい有るけど、コレどうやって持ち出すつもりなんだ?・缶詰も重くて?、殆どミカンだし~~~??!」


雷ドカ➰ン、ゴロゴロドーン!!

雷母『ギャー・イヤー・助けてー死ぬ~~~!!!!』


「落ちたなッ(母さんも雷も)・電気非常用に変わった・・・、姉さん大丈夫??!!」


香は走って1階へ

『・・・・大丈夫??!、母さんも落ちた様だし、父さんも解放されるから、少し休もう!、どの位持つんだっけ非常用電力わッ!??』


「あ~~多分家の中の電気全て付けっぱなしだと、36時間ぐらいが限度だったと思う!!」


香『大変じゃん、ムダな電気は全て消す、アンタ1階お願い、私2階の電気消して来るから、早く動け~~~!!』


「はい!行動します!!」


「・・・さ~て節電・節電・節電、冷蔵庫どうする?」


香『まだ切らないで、冷蔵庫の中の温度を2度ぐらい上げて』


「了解、レンジにオープンは切る、給湯器とエアコンに電気ポット、あっトイレの座椅子、お風呂の水ためる、後は取りあえず母さんが買った、ビニール製の水タンクに水溜めるか、明かりとりの電気はキャンプ用のランプ、・・・家ってなんだろ、

母さんの趣味の避難具が半端無く有りすぎだと思うが、取りあえず生きてはいけそうだけど、こんなので良いのか?」


姉『~~~終わった?』


「・・・うん、こんなモノかな」


香『カセットコンロ2階の押し入れに3台有ったから、お腹すいたから(ゴソゴソ)、見つけた!パイン缶詰、アンタも食べるでしょ??!』


「あッ、うん食べるッ、でコノ後どうする??」


香は缶詰を開けながら

『車3台に必要な物は乗せるけど、停電たしね、避難のタイミングは考えなきゃね・・・、はいパイン、私考えたんだけどアンタだけでも先に避難する気無い??!』


「俺だけ先に、どこへ?!」


香『だよなー、アンタひとりで避難っても問題だよな➰、父さん解放されるまで、待つだけだね、・・・どうするか、父さんカムバッ~クだね!』

(ガブリッとパインにかぶりつく)


お腹すいたで・なぜパインなのか少し気になる弟だが


家の女性陣は凄く両極端な存在だと父さんが言っていたのを思い出した


・・・パインを食べながら思いを巡らす弟かな~~~



香『良くないわね!!、テレビ見る!!、雨は注意報が出てる!!、風は警報だよ!!』


「雨注意報・風警報・・・ダメじゃん!!、この前のまだ修理できてないし!!、姉さんヤバヤバだよ!!!!」


香『だからテレビって言ってたろ!!、アンタね!!、気付くの遅い!!、避難場所は小学校だよね!!、あまりゆっくり出来ないわよ!!』


「その様ですね~~~(ヤバッ)」


姉『何を呑気な!!、台風から逃げる手段なんかないんだからね!!、情報は的確に!でしょ!!このバカヤロー!!』


「そうでした!(苦笑)ゴメン!」


姉『雷がおさまったね、雨音が大小に変わった、父さ~ん!』


父『警報は?』


「父さん解放!!」


香『父さん、母さんは?!』


父『声の出しすぎで疲れたようだ、落ち着いて眠った、ところで台風は?!!、(テレビ)成る程こっちに来るなウ~ン、前回のがまだ修理できてないし、やはり今回は避難が必要だな!!』


香『だよね・・・で問題なのは母さんのアレ!、雷鳴ったら周りに迷惑だしね~~~!!』


父『そうだな、でだ実は私の車だが・・・』


香『私がガレージに取りに行く』


父『ああッ、いやッ、あのなバンでなきゃ無理だから私が行くよ』


「でも母さんが起きたら?」

香『・・・???バン!?!』


父『今なら大丈夫だ!!』


香『父さん?何でバンが必要なの?、車2台ひとりで無理でしょ!、まさかと思うけど前から言ってたキャンピングカー、皆に内緒で買った?!!!』


父『あァ~~~でも母さんと相談してだから問題無い!!』


姉弟顔見合せ・ア・ゼ・ン!?


香『母さんもですか・・・(ニタ~笑顔)、家の親達って・・・母さんの非常用具はメチャクチャだけど、父さんの今回の買い物は許す!!!!』

「うん、俺も」


父『だろ➰、いやー色々迷ったけど、バンは牽引できるから、部屋だけにしたんだよ、だから早く取りに行こう、必要な物を運び入れて避難場所は?』

「小学校だよ」


父『じゃあ全て整えてから、皆で避難だな!?!』


香『了解(笑)!、早く車取りに行こ!、アンタは缶詰やカレー、後ご飯??!』


「床下収納にガッチリ詰め込んでた!!」


3人揃って『さすが母さんだわ!!!!(大爆笑)』


香『父さん早く行くよ!!』


俺は時々思う

家の家族っていつも笑顔で溢れてるってね


父さんは頼りに成る多くを語らず肝心な事を決める

[何事にも動じずどっしり構えてる]


姉さんは作戦参謀役かな

ビシバシ話しを進めて次々と決をだす

[物事をはっきり言う行動派]


母さんは・・・家族の事を・やはり縁の下の力持ち~・~なのだろうね


母さんの買い物もやはりこう言う時には役立つしね

[家族全員が認めてる天然(笑)]


俺は何だろう・・・生まれつき両足が普通の人の

太股の半分から下が無い

後左腕も肘までしか無い


家の家族は全員

俺を障害者だからって特別視しない!!


家では何も不自由な事は無い

けど一歩外に出れば・・・色々馴れたけど


理解者と不理解者の反応は両極端だ


でも俺は25年間この身体で普通に生きてきた


コレから先もこの身体のまま

変わる事無く生きて行く


何不自由無くなんて人間は

この世に存在しない事を

俺は家族から学んだ


両足が無くてもそれなりに動ける


それは家族が俺を特別視しなかったからだ


年齢ごとに必要な事を普通に学んだ


それに俺はラッキーな事に

右手は他の人と何ら変わり無く存在する


だから手で物を持つ書く動かす

その他出来る事は沢山有る


お陰で俺はインテリアデザイナーの学校へ行き


卒業して少しずつだが仕事もさせてもらってる


暖かい家族に囲まれ

俺は幸せ者だと胸を張って言える


家族に感謝そして・・・・

ありがとうだな(*^^*)


ただひとつを除けば普通!!

実は俺モノ心付いた時から

時々不思議な夢を見る


誰かが夢の中で俺の名を呼ぶ

『アキラ、どこ?、アキラー』

誰かが俺を探してる?


とても不思議な話しだけど

俺を呼ぶ声に聞き覚えが

有る・・・??!!


でもそれが誰なのかは解らない??!


不思議な声は今も変わらず

1年間に3・4回の感覚で夢の中に出てくる


でも今もその声の主が誰なのかは解らないままだ!!


だが確かに俺はその声を知っている・・・・・・??


不思議な声はとても懐かしく優しい


俺の大切な・・・の・そ・・?


ーーーーーー→→→続く!!


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