第9話[望美・終章]

ねぇアキラ!


私達が出会った日は


クリスマスイブ覚えてるよね



あれからもう30年も経つんだよ



私は今・・・病院のベッドでカーテンを開けて・空・見てる



あの日アキラが教えてくれた


世界で1番大きなイルミネーションを見ながら・・・・・・・



アキラは私達が出会った1年後のイブの日に亡くなった



不思議だと思わない


知り会って1年だったんだよ



私には毎日がまるで玉手箱のようで本当に楽しかったよ



次のデートは・・・・・・・



ーーーーーーーーーーーーーー



アキラの葬儀が終わり初七日がたち


私はアキラの家に招かれた



家に招かれたのは初めてじゃ無かったけれど・・・何故かッねッ・・・



そこには足りないモノが有る


空気が冷たいよアキラ



そんなの当たり前だよね


今もこれからも一緒だって


言ってたけど・・・ッ!・ねぇ~



1番大切なアキラの温もりはソコには・・・無かった・・・・・



何も・ッかも全てが・・・・・


その日アキラのお兄さん達と

沢山話しをしたよ


アキラがどれだけのワガママで自己中心的な生活をしていたのか等々


ご両親が殆んど海外に居たから


アキラにとってお兄さん達が親代わりだったって事


お兄さん達はアキラがいたから

お父さんへの怒りもいつの間にか忘れていたんだって(笑)


毎日毎日どちが早く帰って

アキラの笑顔を見れるか競争してんだって


早く帰った方がアキラと一緒に眠る

それが有ったから

競いあってたんだって

笑っちゃうよね・・・・・


アキラはお兄さん達にどれだけ深い愛情を与えてもらったのか


アキラ!!!知ってたの!!


沢山イタズラして時にはお兄さん達に叱られて大泣きした事


アキラの幼い時の思い出のアルバムは沢山の愛に満ちていた


私はお兄さん達にお願いをした

アキラの部屋で少しで良いから


ひとりにしてください・・・・・


お兄さん達は優しい笑顔で

「どうぞ」っと言ってくれたから


私はひとりアキラの部屋へ入りドアに鍵を掛けた


窓から差し込む夕焼けが

時間(トキ)を教えてくれた


真っ赤な夕日が部屋に差し込み部屋中が朱色に染まる


後もう少しで朱色の部屋が

暗闇に変わる


あの日見たクリスマス・イルミネーションを見せてッと私は願った


すると嘘みたいに町が夜を迎え澄みきった夜空に雪が舞う


星が輝き

月は・・・あの日と同じ

柔らかい輝き


全てがあの日のまま

優しすぎなんだよ


その景色をアキラの部屋で窓を開けて見てた


私って多分凄く贅沢な事してるんだ


あれッ!・・・・・・


それは・・・私の頭にボンボンッと優しく触れる見覚えのある感触


「そだね、まただよね、その日が来るまで、私は絶対泣かないから!!」


私は顔を下に向けたまま

時間が止まれば良いのに・・・


そんなバカな事・・・をッ・・・


その時だったノックの音が聞こえた・上のお兄さんの声らしい


望「あッ!スミマセン、こんな時間まで」そう返事すると


お兄さんが

「望美ちゃんの家には、電話連絡を入れておいたから良いんだよ、なんなら今日アキラの部屋に泊まってくれても良いしからね、それには条件ひとつ有るけどね(笑)、夕食を食べること、まっそれは良いんだ、少しドアを開けて貰えたら嬉しいんだけどね」


望「あッ!はい、ごめんなさい」


(ガチャ)鍵を開けたそこには

お兄さん達がケーキと飲み物を持って立っていた


しかもケーキはクリスマスケーキ?


望「たしか・・・もうすぐ新年ですよね・・・なぜクリスマスって?、除夜の鐘鳴りますよ」


するとお兄さん達は

「良いの良いの、毎年彰が仕切って、めちゃくちゃな、クリスマスになるんだ、だから今年は遅く成ったけど、彰が大好きだったからね、クリスマス会、彰がいなくなって収まったが、でも年に4・5回はやらされたか?」


望「それっ本当ですか?😅」


兄「本当です!!!!!!🌠、玄関ドアが開いた瞬間、バタバタバタッと走って来て、今日はクリスマス~~~」


望「ぷッ(笑)ごめんなさい不謹慎でした」


兄「アキラは、クリスマスの夜空が大好きだったからね、月や星・花びらの様に、ひらひら舞う雪、なぜそんなに、クリスマスが好きなのかって聞いたんだよね、まだ小学校へ上がる前の事だけどね」


望「アキラはなんて・・・」


兄「いつか、サンタクロースに会えるかも・・・あの時は2人揃って大爆笑、アキラは怒ってねその後大変だった(笑顔)」


兄1「彰のそう言う部分を解ってくれる者が、自分達以外にいた!!」


兄「望美ちゃん?、質問ひとつ良いかな?」


望「はい!」


兄「なぜ彰を選んだの?、望美ちゃんは彰の病気の事、御両親から聞いたと思うけど、それでも彰の横に居た・・・・・」


望美は少しうつ向き加減に

「私達が出会ったのが、去年のクリスマスイブだった、私の事情も両親達の話しあいで、お兄さん達も知っているかと、アキラは私の手を握り、何も言わず私の横に居てくれた、真夜中最終電車までアキラは側に居て家まで送ってくれた、悪いのは私なのに、両親に何も言わずただ頭を下げてくれた、私は3日間部屋に閉じこもり、何も言えなかったばかりにアキラは警察に連れて行かれた、アキラは何も話さなず私が話まで待っていてくれた」


望美が言葉を止めた瞬間

次男「成る程~~~、じゃあ望美ちゃんにコレを・・・」


渡されたのは小さくて可愛い箱


望「コレを私に?でもどうして?」


次男「彰ね、春休み少しだけバイト行ったでしょ、バイト先に彰の所有物が、置いたままだったらしい、それを見つけ届けてくれた中にコレが入ってたんだ、誰の為にって考えたけど、望美ちゃん以外思い浮かばなくてね・・・、言い寄られたり、スカウトされたりなんてのは、日余剰茶飯事だけど、大切な人が居るから紹介したい!、あの時は流石に皆驚いたけど、彰が本気なんだと言う気持ちは伝わったし、全て初めてだらけだったけど、だからコレは彰が生まれて初めて、自分で働いてお金を稼ぎ、初めて大事な人に渡したかったプレゼントだと思う」


兄「だから~見せて!!、ねっお願い!?」


えッえェ~~~(・・;)普通言わないでしょ・・・・(望美心の声)


望「わッ・分かりました・・・⦅なぜに?⦆開けますね」


⦅二人とも兄弟だな~アキラと似てる⦆と思うのは・・・(((^_^;)


目をギンギラに輝かせ

餌を待つ犬ネコ

状態のふたり


これは失言だな(笑)


私は包装紙を開き

小さな箱の蓋を開けた・・・・・


中から出て来たのは髪飾り


お兄さん達は触らせて状態で私を見てるから

髪飾りをどうぞっと手渡した


私は箱の底に入れられていた

紙を見つけソレを手に取り広げた


ソコには・・・・・・・・・!!!!!!!🌠


アキラが作ったであろうクリスマスツリーの装飾

黒く塗られた紙に折り紙で

金銀の星が貼られていた

アキラらしい(笑)


その絵の中に男の子と女の子が小走りで駆け寄り

手を繋いだ姿も有る


お兄さん達は当然のようにジーーっと私を見る


その時思った

アキラの笑顔が優しいのは


今目の前に居るふたりのお兄さん達のたまものなんじゃないのかなって


お父さんもお母さんも殆ど居ない

沢山の使用人が居る大きなお屋敷


でも温めてくれる人が

誰もいないなら

あんなに優しい笑顔は見つけられない


アキラの笑顔はふたりのお兄さん達の心でも有るんだ


私は笑顔でお兄さん達を見ていた

お兄さん達はアキラの作った

クリスマスツリーを見ながら

何かを考えているようだった


だから私は

『どうかしたんですか?』


兄「う~ん、あのね望美ちゃん、この絵少し借りていいかな?」


望『えッ!、はァ~、構いませんけど~?、一体何?」(・・;)??


それ以上は聞くのヤメタ

ふたりのお兄さんとアキラ

(フフッ(^_^))


あれッもしかして・・・箱の底に

サイズピッタリに紙が有る?


私はソレを箱から出した


・・・・・・手紙?


小さな紙に小さな字で紙いっぱいに

〘沢山の大好き〙と紙の一番下に


〘俺達の夢は未来へ〙


そッだよね私も信じてる

必ず会う・・・・・・・・・


じゃなくて逢うんだ!!


ーーーーーーーーーーーーーーーー


アキラ

クリスマスだよ


今年も空いっぱいのイルミネーションだよ


この分じゃ明日は・・・・・


この日の真夜中望美は静かに

瞳を閉じた


その寝顔はとても綺麗で笑っていた・・・・・・


とても安らかに・・・・・



→→→→→→→→→→→→→→→まだまだ続く~~~~~~


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