第8話[二人だけの約束]

・・・・・・プルルルる(電話)


『アキラ、ありがとう、今家に帰ったよ✨』


「うん・良かった、望美、明日だけど海に行こう」


『アキラ・・・?、急にどうしたの?』


「行きたくなっただけ、11時位に迎えに行くから、お昼はいつもの喫茶店で食べて、さんぽしよう」


『アキラ・・・お昼は私がお弁当作る』


「え~~ッ!、望美・料理作れるの??」


『アキラッ!私だってお母さんの手伝いとかしてるんだから!、怒るよ!!』


「ゴメン(笑)、じゃァお弁当楽しみにしてるよ」


『まかせなさい!!(笑)』


翌日午前11時

アキラはお抱え運転手に送ってもらい望美を迎えに来た


『お待たせアキラ(笑顔)』


「待ってない、時間どうりだ(笑)、お弁当全部、本当に望美が作った作ったのかな?」


『あ~え~ッと何だっけ?』


「手伝ってもらったな(笑)」


望美は少し頬をピンク色にして

『全部じゃないよ、ほんの少しだよ!、本当だからね(笑顔)』


「(笑)解ってるよ、中身はサンドイッチかな?」

『言わない(笑)』


車はそのまま・いつもの海へ向かう


海につくまでの車中で望美は

いつもと変わらない笑顔で

日常の話を語り続ける


俺は望美の話しが大好きだ

学校の友達との話しや授業中の話しそれと家族との会話


「姫、続きは散歩しながら聞きたいんだけど、いかがでしょうか?」


『う?あれ?もう着いちゃた?、あっと言う間だったね(笑顔)』


この言葉を聞いてた運転手の〇〇さんは口を押さえ小さく笑う


ヤッパ笑うよな

望美の家から車を走らせ1時間

その間ずっと

話し続けてるんだから

でもそれが望美なんだ


いつも沢山の笑顔をくれる

俺が未来でも一緒に歩いていたいと願う


誰よりも大切で大好きな・・・お姫様


海岸を歩きながら望美は話しの続きを始める


まるで何かを悟ったかの様に

俺の口をふさぐ


ある程度歩いた先に俺達がいつも腰掛ける岩場に到着

「望美、お昼にしよう」


うん・とうなずきソコに座り

望美はお弁当を取り出し自分の膝の上にのせる

『アキラ、当たり、アキラの好きな卵焼きサンドとハムサンドにした、まずは卵焼きサンドからね』


卵焼きサンドを俺の口元へひとくちパクッと食べた瞬時に俺の顔を覗き込み言葉を待つが


サンドイッチを飲み込んだ瞬間に少し温(ヌル)めの紅茶を手渡してくれた

「うん、美味しい!」


『でしょ、アキラの好きな味に成るまで、頑張ってい~~っぱい卵焼きの練習したんだよ(笑顔)』


練習(ーー;)・・・・・・!!

作った卵焼きは今頃どうなってるのやら想像はつくが・・・

お母さん大変だろうなァ~


望美の家の夕飯・・・だよな~

下手したら明日の朝食も(((^_^;)


望美のお母さんもしかしたら今頃頭抱えてたり・・・だな

((゚□゚;))


二人で昼食をすませ望美はいつもの様に海の方へ向かった


なんとなく少し俺との距離をとっている感じだ


今日ココへ来た目的に・・・・気付いてる・・・・・かッ!!


だよな~ずっと一緒に居るんだ

会えない日は何時間も電話で話し続ける

望美の寝息が聞こえるまで

毎日毎晩時間の許す限り・・・


その時・望美は振り返り両手を上げ俺に合図する

いつもなら合図で俺の所へ戻って来るのに

今日はまた背中を向けた

・・・・・・約10分程か・それ以上か・・・・


波を眺めたり海のず~ッと遠くを見てるように思えた


そんな仕草を眺めながら俺は望美の名を呼んだ


振り向いた望美の瞳は遠くからでも解るくらい・・・・涙


そんな気がした

再び俺の横に腰を下ろし


俺の言葉を

待つかの様にうつ向き

じっとしたまま何も言わない


「望美、俺の事好き?」

『大好き!!、好き過ぎて・・・・・・』


「じゃあ俺は望美の事、世界で1番大好きだ!!」

望美の身体が少しピクリと反応したが

それでも俺を見ようとしない


「大好きだから、全部隠さず話しておきたいんだ・・・・・」

望美の身体が小刻みに震える

俺は左手を望美の左肩にのせて

ピタリとくっ付く様にたぐり寄せた


望美は震えながら俺の肩へ頭をのせ両手を俺の腰に回して抱きつく


全身の震えはどんどん酷くなり

心臓の音が脈打つ


「望美、俺ねッ・・・後少ししたら・・・凄く遠くへ引っ越すんだ、その場所は凄く不便な場所でね・・・電話も通じないし住所も無いから手紙も届かない場所でね・・・」


望美は泣き叫ぶ

『どうしたらそこへ行ける!、次の約束は・いつなの!!、いつなの!・・いッ・・・いつなの!!、お願い!教えて、アキラ!!、いつ・・・・』


涙が止まらず泣き叫ぶ望美を

ギュット強く抱き寄せた


「・・・約束は・・・ここから凄く遠い未来・・・・・」


『どうすれば!!アキラの居る未来へ行けるの!、アキラがいないなら、「望美!その先の言葉は絶対に言うな!!」・・・ア・キ・ラ・・・・・』


「・・・望美にはまだまだ来る事は出来ない、だから・・・お願いが有る、この先俺に会えなくても、望美は俺の大好きな笑顔で・・・沢山の人の心に寄り添い、もっともっと沢山の人達を幸せに・・・してくれるかな・・・・?!」


『わたしは!!、・・・いつ・いつ幸せに成れるの!!、アキラ!!お願い・・・・・教えて!!!!』泣き叫ぶ


「俺には、ある日どこからか知らないけどね、電車の切符が届いた、その切符にはドリーム・トレイン号と書かれていた、行き先は未来駅」


望美は涙いっぱいで俺を見た

全身を震わせ・それでも俺のために笑顔をつくり


『ドリーム・トレイン号、未来・駅・・・私の・・・所にも・・・いつか切符が届く・・かな?・・そしたら・・私はアキラを探しに行く、だからお願い、アキラ・・・私を忘れ無いで、必ず私がアキラを探すから・・・お願い!私を忘れ無いで!!・・・ねッ!!お願い・・・・わたしを・忘れないで・・・・!!』

泣き叫びながら何度も何度も繰り返される

[私を忘れ無いで!!]


「解った、俺も・・・探す!忘れ無い、絶対忘れ無いから、駅に着いたら迎えに行く!!!、だから俺の願いを聞いてほしい、・・・望美はその笑顔で沢山の人達を幸せにして、・・・望美自身も・幸せを沢山見つけて、・・・未来駅で出会ったら、毎日沢山の話しを聞かせて・・・後・俺が引っ越しても泣かないでほしい、必ず!!また逢えるから・・・・・」


全身を震わせ声を詰まらせ

必死で俺のために笑顔を作りながら・・・・・


『うッ!!今だけ・・・・お願い・・・今だけは!いっぱい泣かせて・・・・明日からは絶対・泣かない・か・ら・・』


「・・・・・・わかった」


今・だけ・・・・・・


そんな望美だから愛しさが大きくなり


このまま一緒に連れて行きたいと思ってしまう・・・・・


言葉を消し・・・・


もし・どこか遠い未来で・・・

出逢えたなら・・・・・


俺はもう一度[君と二人で]


PS・君が俺の愛だから


二人だけの約束


ーーーーーーーーーーーーーー

続く~~~

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