第4話

・・・・・・・暗い・・・・?

ここ・どこ・だッ??!


・・ピチャ・・ピチャッ!!

どこからか落ちてくる・・・水滴?


違う!!

これは・・・俺の顔に落ちてくる・涙か・・・


泣き声が聞こえる

この声は・・・・・のぞみ!!


なぜ泣いてる!!

誰かに何か言われたのか??


泣くな!!もう大丈夫だから

俺が・側にいる・から・・・

何も・心配・・しなくて良い!


俺が・お前を・守るから・・・

泣かないで・・・望美!!


(そっと望美に手を伸ばしたが、なぜだろう?、望美が遠い!)


ここはどこだ?

見覚えの有る天井や壁

大きな窓硝子


ココは親父の病院かッ!!

何で俺・・・ココに??


俺は今・凄く不思議な出来事に遭遇している様な?


理由は・・・多分・・・・・


上から部屋の全てを眺めてる

俺自身は部屋の中のベッドで色々な機械に繋がれ寝ている?


俺の側で望美が泣いてる?

オーイ望美!!

なぜ泣いてる・・・・!!


!!そうだった・・・理由は・全て俺のせいだ!!

泣かないで・・・・


望美『??!、アキラ!、アキラ!!?、どこ?!、アキラ・・・お願い目を開けて、私を見て!!・・・(涙流)アキラ』


望美・・・・・ゴメン・・・

俺の為に・・・泣かないで!!


・・・・・望美・・・

全部俺のせいだ!!


解ってたのに・知っていたのに

俺が・・・望美を・・・好きに成ったから・・・・・ゴメン


・・望美本当に・・・ゴメン!

俺なんかの為に・・・泣かなくていいから・・・・


俺は自分が居る病室内

全てを見ている?!

こんな変な事は初めてだ!?


普通ならパニクってもいい状況だろうが何故か凄く冷静だ?


しかも自分やその他のモノを

眺めてる


望美がベッドで横たわる

俺を見て泣いてるのが見える


俺はウソつきだ!!

しかも望美を悲しませているのは俺だ!!


だがら早く目覚めたい

全て話さなくては成らないのに

話す勇気がない!!


ズルくて卑怯者で

ウソつきだ!!


でも俺はなぜベッドで眠っているのか?

・・・・・思い出せ!!!!


あッ!!・・・そうだった

・・学校の屋上で誰かが・・・


あァ~~~望美の事を話してて

なんか頭にカチ~ンときて


ここ最近続いていた頭痛が酷くなり・・・その後の事は・・・


・・・うすら覚えだが救急車のサイレンの音がウルサくて

頭痛が酷くなった・・・覚えてる


頭がヅキヅキからガンガンに変わった

目が覚めたらぶん殴ってやりたい・・・・アイツ誰だっけ?


ところで・・・俺はいつまで眠ってる・・・なんて俺に話してもなァ~~~


いつまで泣いてる望美を見てなきゃいけないんだ!!

今のこの状況って・・・何?

これって幽体離脱っつとか?


それとも・俺・・死ぬのか?!

願ったのに・・・もう少し生きていたいって!!


望美泣きっぱなしだ!!!

ダメだろ・・・

早く何とかしてしなきゃ!


お~い望美!俺はここだ!!

だから泣くな!!っても通じないよな~~~^_^;


望美『!!アキラ・アキラ!!どこ、お願い声を・・・聞かせて!、目を覚まして!!、私をひとりにしないで!!!、アキラ~~~!!(泣)』


・・・・・望美!?

俺の声聞こえるのか??!

まさか・ね・・・!!(苦笑)


望美『アキラ!!』(泣き崩れる)


「・・俺・・・大丈夫・だから、死なないから・・・ゴメン、心配させたな!」


望美『!アキラ、アキラ、アキラ!!(泣)』


「望美・くっ苦しい・・・息が出来・なッ!!」


望美『アキラのバカ!!、心配したんだよ!!』


「俺?どうなったんだっけ、覚えてないんだよな!??」


モニターで見たんだろう

兄貴が部屋へ駆け込んできた


長男『アキラ気分はどうだ?、望美ちゃんゴメン診察したいから少し外してくれるかな?』


望美『・はい・、お兄さん・アキラ・大丈夫ですよね!!』


長男『意識が戻ったんだ、もう大丈夫だよ』


望美はその言葉にほっとしたのか力が抜け座り込んで大泣き


後から来た看護師に連れられ

部屋を後にした


長男『アキラ、いつから自覚が有った!!』


「・・半・年・かな・・・」

長男『自覚がアルのに、なぜ半年も黙ってた!!(怒)』


「時々だし・薬飲めば、頭痛は治まってたから・・・ゴメン」


長男『素直に謝っても、自覚が有るならなぜ黙ってた(怒)、1週間入院して検査をする!!、勝手に帰らない事、今後の事は検査結果で考えるから・・・』


「解った、本当にごめん、俺後どのぐらい・・・・」


兄貴『1日たってる、頭痛の痛みに耐えられなくなり気絶したようだ!!(怒)』


「解った・・・、でも・俺いつまで・・にい・さ・ん・・・」


長男『望美ちゃん、アキラの側から離れようとしなくて、こちらからご両親に連絡を入れて、夜10時に家に送ったから泊まりじゃない安心しなさい、今朝は9時に来た、今日も送るから望美ちゃんの両親には話してるから大丈夫だ・・・・』


アキラは・・・

「兄さん!・・・答えろよ!、俺にだって解る!!・・・だから・お願いだよ兄さん!、ハッキリ言ってよ!、オレ!!」


次男が入ってきた

『アキラは死なない!!、絶対死なせない!!、認めない俺が俺達が必ず助ける!!、だから黙ってろいいな、アキラ!!返事は!!(怒)』


「解った・・・もう何も聞かない・・・ゴメン兄さん・・・」


長男『アキラ!謝るな!!、謝らないでくれ!!』

「解った、もう絶対謝らないから!!」


兄達『うん、それでいい、夕飯何食べたい?』

「う~ん、そうだな、うな重かな(笑)」


兄達『解った、家に連絡して持ってきてもらうから、望美ちゃんと一緒に食べなさい』

「ありがとう兄さん達」笑顔


兄達『じゃ早く望美ちゃんを安心させてあげなさい』


そう言って兄さん達は部屋を出た

わずかだが兄さん達の声が震えていた・・・・

〰️ー〰️ー〰️ー〰️ー〰️ー〰️ー


入院3日目の朝

毎日学校からこの部屋へやって来る望美を待ってる


その間も俺は兄達に色々な検査をされている


兄達は俺を頭のてっぺんから足先まで

毎日検査をしてくれている


病名は変わらず・・・・・

[脳腫瘍]


どうやら頭の中の腫瘍が・・・

俺の頭痛の正体だ!!


そのせいで細胞や神経が上手く繋がりにくくなって来てるようだ


手術の話し等も出ているが

場所が場所だけに

手術には多大なリスクを伴うらしい

要するに誰も手を出せない


俺は不思議なくらいソレらの話しを冷静に聞いてる


何故だろう・・・?

自分の事なのに実感が無い?

コレって当然なのだろうと思う


俺はすでに死を受け入れてしまっているのか?


だったら死を受け入れた後に

望美を選んだ事になる!


普通ならそんな状態で

誰かを好きに成る事は罪だと知っている


俺が自分の我がままで

望美を選んだ・・・卑怯者だろ


自分の病気の事を話せば望美は俺の所には来なく成るかも


このまま黙っている事は許されない事だと知りながらも


今の俺は望美を失いたくない!

自分の病気の事は

何となく気付いていたのに

何も言えなくて・・・・


俺は・・・・恐れている

望美の居ない今を・・・未来を一緒に観てみたい


俺のせいで望美を泣かせる

ぐらいなら・・・・・

今別れを・・・でき・ない・・


望美は俺の中に住み着いてる

別れるなんか絶対できない!!


全て俺のワガママだ!

このままだと俺は望美を縛り付けてしまう


それが解っていても・・・・・

側にいたいと望んでる!!


俺の気持ちで望美を縛り付ける事が

どんなに罪なのか理解している

それでもダメだ!!


今になって気付くなんて・・・

解っていたことなのに

望美との時間は病気の事を忘れさせてた


俺・・・・バカじゃんか!

悪魔だよ!!


自分の私欲のために望美を騙してるなんて・・・・ただの卑怯者だ!!


俺は俺を憎い悪魔だとこの時

初めて認識した


いくら願っても時間は戻らない

望美と出会わない時間へと修正できるハズもなく・・・・・・


俺・死ぬのが・・・悔しい!!

イヤだな!絶対イヤだ!!

なぜ今なんだ!!


望美を泣かせてたくないのに


一緒に居たいと望む事が罪だと解っているのに・・・・・・・


ーーーーー→→→→続く~~~


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