第3話

弁護士事務所を後にした俺達

・・・・・・・・


望美は言葉を発する事もないまま

俺の手をしっかり握りしめていた・・・・・


心ここに在らずといった表情で

歩き続けている


俺は・・・・・繋がれた手を

どうしても放す事ができずにいた


・・・・・多分・・・・・

望美の身体が小刻みに震えていたからなのかも知れない


繋がれた手から感じとれる

底知れぬ恐怖と絶望


そして・・・終る事の無い悲しみ


俺は今の望美に何か出来るのか?

言葉すら出てこない

そんな自分を恥じた


それでも今の望美に

この手が必要なら


・・このまま・・・で・・・・


随分長い時間どこへ行くでもなく俺達は歩き続けていた


俺がそんな事を考えていた時

まるでとってつけた様に


突然望美の足が止まり

振り返って俺を見た


望美『ありがとう、ゴメンね・・・』


「少し・落ち着いたか?」


望美『う~ん・・多分・・・』

俺に笑顔を向けそう答えた


だが繋がれた手はまだ震えているのがわかる

「なあ、望美!」


望美『うんッ?、何?』


「空、見てみろ!!」

俺がそう話すと

望美は空を見上げた


綺麗な月と輝く星の中から

白いモノがひらひら・・・


望美『雪!、夜空は晴れてるのに?』


「風華」

望美『かざはな?、どう言う意味?』


「昼間もだけど、空が晴れているのに、どこからか雪が流れてくるんだ、それを風華と言うんだ・・・・、夜空に舞う風華は特に綺麗に見えるだろ・・・」


望美『風華が舞う、雪が踊っる・・・、月夜に舞う風華はとても綺麗だね、月と星の輝きを受けて、雪が舞う・・・ッか』


「そのようだな、本当に綺麗だ、俺は晴れた月夜が大好きなんだ、世界で1番大きなイルミネーション・・・、望美このまま歩き続ける事で望美の気持ちが解消するなら、俺は・・・いつまでも付きあっても良いと思ってる、でもな・・・時間は止まらない、だからさッここらでひと休みしたっていいんじゃないかな!!、アキラ・・・そうだね、これでお兄さんも天国へ行ったよね、こんな綺麗な夜空の中なら、お兄さんも笑顔で天国・・・へ・・・行った・よね」(泣き笑い)


望美は震える身体をひっしで押さえながらも笑ってる

そんな望美に俺は・・・


「泣きたいなら笑顔じゃなくて、大声で泣いていいんじゃねえの!、今のお前は自分に嘘を付いてる!俺にはそう見える」


望美『うんッ、そ・だよね、でも私・だい・じょ・・ぶ・だから(作り笑)』


「全部嘘だな、ウソだろ!!」


望美『うッ・じゃ・ない・よッ・・本ッ当・・・大丈夫・・なの・・・』


「俺の言葉を否定したいが為のウソだろ、お前・嘘へたなんだよ!、いっぱい泣いていいんだ!!、お前ひとりで支えられないなら俺が・・・いる・・・今日初めて会ったばっかだし、俺は変な事言ってる自覚も有る、でもなッ何も知らなかった事にはできない、今このまま望美と別れたら、俺の中でどうしようもない塊が残る・・・そんな気がする!、後味悪いだろ!けど・・・1番はアレダ・あのな俺・・・望美に惚れた!!」


望美『えッ!、な何それ・プロポーズ?』


「あッ! ぷぷろッぽーずって・・・流石にバカでも会って数時間の相手に言わないだろ?」


望美『あッ!ぷッ!、アハハハ ハハッ、だよね~私何言ってんだろうね、でも嬉しいかも(笑顔)』


「兄貴と同じ名前だから・・・とか・・・・?」


望美『ゴメン・・・名前聞いた時は、ビックリしたでもお兄さんは1年前に私の前から消えた・・・、認めたくないから絶対泣かないって決めてた、だから兄さんがいなくなってから1度も泣かなかったのに、なぜだろう、アキラって名前に安心したのかな、涙止まらなくなって・・・手・離せなくて、ゴメンね・・・手返さなきゃね』


「いいんじゃねえの、望美が俺のプロポーズに・はい・と言うだけで俺達は恋人だろ、だったら俺の手はお前専用に成るだけだし」


望美は真っ赤な目を丸く見開いて・・・・・

望美『そっか、そうだよね、ならプロポーズ受ける!(満面の笑顔)』


「あッ!?あのな~お前意味解って言ってるのか?」


おどけたポーズで望美は

『勿論!!解ってる、将来アキラのお嫁さんになるんでしょ、・ア・キ・ラ・のお嫁さん~~~』


「おっおい望美!?、あのな~嫁さんは早すぎないか、そもそも恋人は?、結婚が先きなのか?!」


望『?う~ん?、知らない!でも・・・私・アキラと一緒に居たいから、結婚も込みで恋人にして!、私アキラ見た時一目惚れだった!』


・・・・・・・あッ!俺も・だ等と絶対言わない


望『ねっ!アキラ、私はアキラが好き・大好き、だから将来アキラのお嫁さんにして!!、私決めたから!、お願い!』


俺は望美が笑顔で何度も言うから

・・・・・忘れていた事を思いだした


それでも望美の手を離したく無いと思った・・・・


卑怯者だと考えたけど

手を離したく無い!!


たとえコレが罪だとしても

望美の手を取った


「解った!!、俺の恋人にしてやるよ!、ただしひとつ約束守ること」


望美『約束?、何・・・(首をかしげながら)』


「簡単な事だ、望美は今この時点から、絶対に俺以外の男の前で笑わない事、これが守れるなら、俺の恋人試験に合格!」


望『うん、解った、絶対守る、だからアキラの恋人にして、そして将来お嫁さんにして!、約束だからね』


俺はその日

卑怯者と知りながらも

満面の笑顔を手に入れた

ーーーーーーーーーーーーーーー

その後・望美を家に送りながら

望美の事を色々知った・・・


ッにしても初対面で・・・嫁さんって・どおよ?!Σ( ̄□ ̄;)


アキラと望美の物語り

ふたりの出会いは変わってる


でもね凄く幸せな思いで包まれていた


かなり天然なお嬢様←←←望美


そのお嬢様に生まれて初めて恋をしたのは←・←・←アキラ


ふたりは同時に一目惚れ

でも望美が言ったから


アキラは(これは俺が優位?)

なんて思って黙ってる(ずるい~)

けどそんなのは全然関係無い


だって望美は

まばたきひとつの瞬時に

好き勝手にどこかに消える


アキラはそんな望美に振り回されっぱなし

ーーーーーーーーーーーー


季節は春


望美は両親やアキラの反対を無視して

アキラの通う高校へ入学

ーーーーーーー→→→→→→→


入学そうそう望美の可愛いさに

今や学校1のうわさの人物に


お陰で俺は学校をサボる事も出来ず

毎日せっせと学校へ通う毎日


でも身体がダルくて

授業はサボる


俺が授業サボッても

誰も何も言わない


成績は学校でNo.1

家は金持ち寄付金バッチリNo.1


だから教師も俺に文句言えない

俺は親のコネを最大限に利用する


ズルいと言われても

全く気にしない

怖いモノ無しの俺だったが


この春から

怖いモノがひとつ出来た


・・・・・実はマジ困ってる

まさか望美が学校中の男共に狙われる的となるなんて!!


マジ腹立たしい

要するに・・・やきもち状態の俺・・・実に情けないよな~~


それでもなぜか俺は

毎日・望美に叱られる??!


望美サイト側からは

俺は学校1のうわさの男子で


俺のウワサを聞かない日は無いと望美が怒る💣


この勝負結局・俺の負け

望美にスネラレると調子が狂う

だから毎日謝る・・・情けない限りである!!


言っとくが俺は誰が何を言って来ても全て無視してるし


コクられても断ってる!!


適当に遊んでた頃なら話しは別だが今は望美がいる


俺は今世界で1番の幸せ者だと実感してる


それほどまでに望美が好きなのに・望美の焼きもちは半端無い


酷い時は一言も口を開かず

わざわざ夜遅くに望美の家まで行く


さすがに中には入らないが

望美の部屋の窓を見上げ電話に出る迄鳴らし続ける


これじゃまるでストーカーだ!

我ながら情けなく思う事もしばしば有るドコロじゃない


ほとんど毎日だ!!


でもなぜか俺は今のこの状態が好きだと言う事に自分でも驚いている


兄貴達は俺の顔見て

『アキラ、ここ最近本当に良い顔してるね、まるで幼い頃の素直で可愛いいアキラが戻ってきたようだ!!』

なんて言ってるが


なぜかその言葉を否定しない

望美の笑顔が映った様に


笑ってる自分がいる事に気付いたからだ


別に兄貴達と仲悪いなんて事は全然無い!!

むしろ俺は幼い頃から両親が海外へ仕事に行くから

年が離れた兄貴達育てられたようなものだ


だから兄貴達が大好きだ!!


何かあるごとに兄貴達に相談もする今もそれは変わらない


両親がほとんど家に居ないって事も有り


兄貴達は俺の事を凄く大切に育ててくれた

育ての親と言っても過言じゃない


校舎の屋上

アキラは約1週間位前から頭痛が治まらず

それでも望美が入学したせいで

学校に通い続ける


そんなある日の出来事・・・


ー〰️ー〰️ー〰️ー〰️ー〰️〰️〰️

[あ~マジ頭痛い!、感覚がどんどん短く成って行く・・・、頼むからまだダメだ!、まだ生きたい・・・・・・・・!!]


A友「お~い、アキラいるのか~、アキラ~アキラ~」


うっせいツウノ!!

誰だ!!

勝手に俺の名前CMするな!!


A友『やっぱここにいた!』


「何だ!!、早く話せ!」


A友『今年の1年でNo1、やっぱ、○○望美だって!、望美ちゃん可愛いいよ~、アキラもおがみにいけばッ、絶対見とれるから!』


[あ~あッ、だから俺は反対したんだ!、この高校は進学高だ、偏差値も高いが共学だ、望美は幼稚園から大学までの女子専だから両親も反対した、それなのに言い出したら聞かないお嬢様は、俺の高校を受験した]


A友『アキラ~聞いてるのか?!、それともマジ寝てる?・・・ア・キ・ラ~~~』


「うッせ~」


A『やっぱりいるんだ、せっかく教えに来たのに返事くらい返せよ! 』


「あ~~~ッ何?」


[俺と望美の交際は、一応望美の親や俺の家族は了承、望美が自分の両親に話したらしい、父親から直接電話があり、俺はなぜか望美の父親の仕事場に呼ばれた、望美の父親は検事だ、反対されると思ったが、望美の父親は俺の事を色々調べたらしい、腹立たしい気持ちも有った、でも女の子の親なら有りかとも思った、それに昨年息子を亡くした事などが頭をよぎった、色々調べ反対か?と思ったが、なぜか俺達の交際は認められた、御家が大事なら納得もできる、俺はラッキーかも、なんせ家は結構名の知れた、ソコソコ大きな病院だからだ、それに俺の成績も学年No.1だし]


A『だから!、1年の望美ちゃん入学1週間でスゲー数の手紙やコク凄いらしい、アキラ行かねえの?』


「バカバカしい、面倒くさい」


A『マジ!ウソ!本当に?、何からしくない!!、アキラなら絶対行くって皆言ってる、まだ誰もOKもらってないらしいし、アキラならOK出るかもってカケなんかも出始めてるんだよな~、行かないなら俺行こうかな~?』


「好きにすれば!、いちいち俺の了解が必要なのか?、お前ら全員ウゼーッつうの!」


A『いやでも٤٥٦٧٨〥〨〩〤⇭⇻⇷⇻╯╰╴╱だし~~~』


[何言ってんだろ~~あたま割れる~・~・~・~!!]


「何!!、くだらねェ~事・・・、どうでも・・・良い!!、勝手にやってろ」


A『アキラ!?、見つ・・??おい!アキラ!、アキラ!!(大声)どうした!、アキラ!!』


頭痛いッ・・・・ウルサイ!!


A『アキラ~!?、気分悪いのか?、お前・顔色悪いぞ!、ヤバイんじゃないのか、(大声)アキラ~~~~!!』


だ・[から・・ウル・]・サイ!


A友『アキラ!!!』


の・・ぞ・ミッ・・頭イタッ!!

しず・か・・に・・・


A『アキラ!!!、大丈夫か!アキラ!!』


しず・かに・・・シロ~~~


A友『・・・・・・・・・!!』


━━━━━━━━→→→→→


かすかに聞こえた

救急車のサイレン


そのまま俺は夢の中・・・なのか?


・・・なぜか・・・望美の泣き声が聞こえる・・・


望美?・・・どうした?

誰かに何かされたか?


大丈夫だ!!

俺が守るから・・・


大丈夫だから・・・・・



ーーー→→→→→→→続く~



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