第2話

そんなコンナで俺は望美と言う女に連れさられ弁護士事務所に居る


[事務所の受付]

望美『あのー○○先生に会いたいんですけど・・・』


受付『どちら様でしょうか、お名前をお願いします』


望美『私は1週間前に先生に電話連絡をした、○○望美です』


連絡って?、コイツ何者だ!!


奥から来た女性

『ああ(笑)望美ちゃんね!!、随分大きく成ったわね、おばさんの事覚えてる?!』


望美『あッ!○○先生のお嫁さん!』


「えっ!・・・普通そんな呼び方しないだろ!!」


望美『え~なんで?、私がおば様に会ったのは、先生の結婚式だったのよ~』


「いやッ!それでもだな!」


奥様『かまいませんよ、望美ちゃんに会ったのは、それが最後だったし、あの頃は確か望美ちゃんが5才ぐらいだったかしらね(笑顔)、だから覚えててくれた事の方が嬉しいわ』笑顔


「そう言うものですか?」

望美は俺を見て笑ったその後俺達は応接室へ


奥様『ところで望美ちゃん、彼はボーイフレンドかしら?』


望美『はい!』

え~さっき会ったばかりだろ!!何なんだコイツわ~!


部屋へ案内されてソファーに腰を下ろした


「おい望美、俺がいつお前のボーイフレンドに成った?!」


望美『さっき、コノビルの下で!』


「だろ!、ほんの少し前に会ったばかりだやよな、それなのに何で俺がお前のボーイフレンドなんだ!、説明たのむは!!」


望美『説明の必要ないと思う』


「えェ~何言ってんだ俺は具体的な説明を必要としてるんだが、望美!!説明!」


望美『だから・・・無い!、何となくアキラと一緒にいたくなったから・・・私ね解らないんだ、だからココに来たの、弁護士の先生なら何か解るかもって思ったから』


「その言葉は俺に対する答えになって無いのは、よーく解った!!、お前マジ訳わかんないヤツだな・・・?!」


望美『うん(笑顔)よく言われる』


「はーァ~~まあいいか・・・ココまで来た俺も俺だしな、ソレに弁護士って会った事もないし社会見学ってね・・・」


望美『アキラありがとう(笑顔)』


名前呼び捨て

やけに馴れ馴れしい言葉使い

本ッ当・コイツ何者なんだ?


・・・・・・・

目の前にお茶とケーキを並べられ少し時間をおいて弁護士が入って来た


弁護士『望美ちゃん本当に大きくなったね、何歳になったのかな?』


望美『お久しぶりです先生、15才になります』


弁護士『15才か、中学3年生だね、それで私に聞きたい事ってお兄さんの事かな?、幼なじみを助けようとして、集団で殴られ亡くなった、出た判決は主犯格の青年含む4人は少年刑務所、幼なじみの青年は更生院』


望美『はいそうです!!、私ねどうしても納得出来ないから・・・、なぜ兄は殺されたの!!、幼なじみが悪い人達と一緒に居たから、ソレを止めさせる為にソノ人達の所へ行った、ただ・ソレだけなのになぜ殺されたの!!』


弁護士『そうだね、それだけで納得できるはずも無いね、お父さんから連絡頂いた、望美ちゃん、判決の後ほとんど何も食べていないって聞いた、ご両親共にお兄さんも凄く心配していたから、お父さんからは全て話して欲しいとお願いされた、だから何でも質問していいから、ただし答えられる範囲内でしか話せないけど、それても良いなら・・・・』


望美『どうして・・・兄は死んだの!!!!』


俺・・・何のんきな事考えていたんだ!!

コレじゃ俺・ただのバカだ!!


望美の笑顔の中には

俺には計り知れない程の悲しみが隠されていた

驚きよりソノ笑顔が悲しく思えた・・・・・


望美が俺の手を取りココに連れて来た意味が解ったから


望美は弁護士に質問しながら

震える手が俺の手を掴み離さなかった・・・・

俺はソノ手をギュッと握った


言葉は必要ない

今の望美に必要なのは・・・


「望美・・・俺が居るからもう泣いて良いから・・・」

俺のソノ言葉で・・・・

望美は俺にしがみつき大声で泣いた・・・


望美『どうして・・・涙って・なぜこんなに沢山・・有るのかな・・・?!』

望美は泣きながらそう呟いた


おそらく望美は今日まで1度も泣いていなかったのだろう・・・・・

望美は俺の手を握りしめ大声で泣きながらも質問を続けた


望美の兄が殺されたのは

幼なじみの親友が悪い仲間とつるみ


前かごやカツアゲで

いつもお金を盗む行為を繰り返していたが


その日は上手くお金が集まらずリーダー格の青年が

望美の兄と幼なじみの少年に


『確かお前の幼なじみって検事の息子居たよな・・・』


そこから話しが広がり嫌がる少年を拘束して携帯を奪い

望美の兄に電話した


金を要求

『持ってこないなら、お前の幼なじみ海に沈めるから!!』


その言葉で望美の兄は自分で持っていたお金を持ち約束場所に行った


幼なじみの少年は既に

彼らにサンドバッグ状態にされ気を失っていた


望美の兄が彼らにお金を渡したが

金額が少ないとモンクを言われ集団リンチを受けた


その最中幼なじみが意識を取り戻し望美の兄の上に覆い被さり助けようとした


そして二人は解放されたが

二人ともとてもじゃないが

自分で何かを出来る状態では無く


少年は壊された携帯に手を伸ばし

119に電話をして再び気を失った


幼なじみの少年が次に目を覚ましたのは病院のベッドの上だった


少年はぼんやりした濃霧の中で意識を取り戻した

何度も望美の兄の名を呼び目覚めたがハッキリと周りが見えず


ただ叫び続けた

「アキ・ラ!ア・キラ!、ドコだァ~~~」


付き添っていた母親はどうする事もできず・・・・・


ナースコールのボタンを押すと医師と看護師が駆けつけたが目は霧に包まれハッキリ見えない

言葉も遠くて聞き取れない


その中にぼんやり見える人の姿の者が微かに二人居た1人は背広姿

後1人は制服を着た警官だった


その瞬間少年は泣きながら

『あいつは、アキラは?、アキラは無事・ですか・・・』

か細く震えて声に成らない声で聞いた


警官は彼は救急車の中で亡くなった・・・と答えた


ソレを聞いた少年は涙を流しながら発狂状態と成り声を失った・・・・・


少年はかろうじて命は救われたが両目の視力と声そして下半身不随の身となった


望美は一語一句聞き流さないように

俺の手を握りしめたママ聞いていた


望美の兄は内臓破裂だったらしい救急車の中で吐血

割れた皮膚から血が止まらず手のほど超しようが無く


救急車の中で大量出血により亡くなった


望美の兄の幼なじみはその後回復して事件の全能を警察に話し

グループは全員が逮捕された


あれから1年少年達全員に判決が下された


幼なじみを含む5人の17才から19才の少年達


幼なじみ以外の少年達は全員少年刑務所へ送られた


幼なじみだけ更正施設へ送られたが

少年はアノ時・声と目と足を失った・・・・・・


後・望美が知りたかった事は

幼なじみの少年の弁護を先生が受けた理由・・・だった


弁護は望美の父親から話しを頂き引き受けたと話した


ソレを聞いた望美は目を真っ赤にした状態でニコリと笑い

「先生弁護を引き受けてくれて、ありがとうございました」っと言った


俺には望美の父親が・・・加害者に対して

なぜと言う思いがあったが


望美は目にいっぱい涙を溜めて弁護士に頭を下げた


全てはその涙と笑顔が物語たっているそんな気がした


その後・俺達は望美の涙が乾いてから事務所を後にした・・・

━━━━━━━━━━━━━━


少年達による集団リンチ・・・確かに・・・・・・


今から1年位前にテレビや新聞を賑わせていた


朧気ながらにも覚えがある


何も無い俺の日常の中で

始めての衝撃だった


俺はなぜだか解らないが

この少女を守りたいと思ってしまった


ソノ日はとても寒く悲しい日だった


→→→→→→続く~~~

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