第6話 回復

「ふぁぁ……」

眠い。

眠たい。物凄く眠たい。

こういう時に学校を休みたい。

熱は…

ピピピピピッ!

36.8……。


「行かないといけないかな?」

母に問いかける。

母は

「あんたが行きたくないなら行かなくてもいいんじゃない?」

と笑いながら言う。


やっぱり学校行くか……

「やっぱり行くよ。」

母のあの言葉には地味に圧がかかっている。

だからなぜか「行かなくては」と思ってしまう。母は強し。この言葉は本物だろう。


今日も母さんに「行ってきます。」と言って、返事のない部屋をあとにして、学校に行く。


彼女がこっちを振り向き声をかける。

「おー…やっほ」

僕は

「おはよう」

それだけ言って彼女と仲直りをした。

彼女もそのように思ってくれたのか、ニコッと微笑んでくれた。


帰り道。

彼女に呼び止められた。

「ちょっと」


振り返ると


「え」


彼女の顔が

すぐそばにあった


「あの考えもいいかもね」


そう言って。

彼女は僕がいる反対方向に向かって帰っていった。


どきどきした。



どきどきしてしまった。



僕は家に帰って、日記を書いた。

「指が、顔が震えてる。思い出すだけであの感情が蘇る。体が熱い。これは」




「なに?」

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