吉屋信子の戦前長編小説について(20)昭和5年から支那事変までの作品(18)~白き手の人々

 さてこの小説は一応新聞なんですが、探索する際の吉屋千代さん作の年表に「地方紙四紙」という非常に曖昧な書き方しかなく、……不明どす。

 何せ新聞も統合前で、地方紙というともう、何処が何処やら。しかも一応12年と書いてはあるけど、「蝶」の時、その記述自体が間違いだったこともあって、実際のとこわかんない。一応12年。日付わからず。

 それにこの話自体、吉屋信子の作品の中でもマイナーで、何でこの時期にこれ? という感はあるんだよな。

 社会問題も基本的にこのひとの話においてはデコレーションだから、まあいつ書いたっていいと言えばいいんだけど。


 で、だからというわけではないけど正直あらすじも↓で書き留めなくては記憶にないのですね。

 前回の「良人の貞操」が「不倫ばなし」ともの凄く端的に言えるのに対して、なあ。

 一応「左翼かぶれした金持ち坊ちゃん」だの「会社争議」は出てくるんだけど、なあ。


https://plaza.rakuten.co.jp/edogawab/diary/201806230005/


 12年かそれ以前に書かれたとしても(物語や人物の散らばり方からすると12年と考えにくいんだよな……)新潮社の「全集」や「選集」に入っている様子もない。

 自分が入手したのも戦前の版ではないから、正直何かしらの記述違いがあるのかもしれないけど、その前に発行部数が少なかったのかもしれないし。


 そういう調べるのに厄介な話でした。

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