初めて出る安全圏
うんうん。我ながらほれぼれする出来だ。
玖羽ちゃんの両耳の脇から生える鉱石に、メイド服の首元から覗く鉱石化した肌。これぞチラリズムだね。
紫焔ちゃんのほうは、猫耳と同じ色のチョーカーと燕尾服から覗く尻尾。罪ずくりな可愛さだ。ああ、この二人にお世話してほしいものだね。
それにしても二人とも女の子っだったとはね。燈火君から何も聞かされていないから調べたけど。二人ともほぼ100㎝なのを考えると、ちゃんと食べれていなっかったんだろうね。六歳の平均身長が112㎝くらいのはずだから。
それにしても燈火くんがこの二人を連れてるとどうしても犯罪集がしてしまうな~。今日みたいに女の子なら違和感ないんだろうけどね。さて身長とか測ったデータは帰ってきたら渡そうか。
「「おねえさん。おかしのおかわりちょうだい」」
「もちろんだとも少し待って行ってくれ」
玖羽ちゃんのほうは落ち着いてるけど体揺れてるし、長い前髪の隙間から赤と黄色のオッドアイがこっちをじっと見てと可愛いな~。ご機嫌な紫焔ちゃんの耳と尻尾はアホ毛と一緒に揺れに揺れてるし、こっちを見るダークブルーの瞳はキラキラしてて若さを感じるな~。
さて、燈火くんは今頃検問所についたころかな。
任務当日、時刻は七時。俺は安全圏唯一の出口検問所に向かっていた。こんな時間に出て学校に間にあうわけないんだが、須摩さんがこの時間に行けというんでこの時間になった。
ちなみに紫焔と玖羽は須摩さんに預けてきた。すごくうれしそうにしてたから迷惑じゃなさそうでよかったが。変なことされてないよな?
学校にいくから制服はちゃんと着てきたがそのままで出歩くと絶対変に思われるんで、仕事用のコートを上に着てきた。めっちゃ熱いけどな!でも人外変化してるんで、アーツでコートの中に冷気出してるから見た目よりは涼しい。まぁ……腹減るんだけどな、制服が汗で透けるよりいいだろ。
検問所のほうには須摩さんから連絡言ってるって聞いてるけど、不安だな。検問所って言っても、こっちから出ていくのはウィシュリー鉱石を積んだトラックだけで感染者は近寄らないからな。気づいてくれるとは思うけど。
「すいません」
「なんだ。ん?お前か連絡のあったここを通る感染者は」
「あっ、はい」
「通行証と、タグ見せてくれ」
「どうぞ」
事前に何確認されるか聞いてるから、通行証にタグを見せる用意はできてる。てか聞いてないとここで手間取ってた。タグは首からかけるものだ。いつもなら何の問題もないけど女の子の姿だと、タグが胸に埋まって取り出すのに苦労するんだ。チェーン引っ張ってもひっかっかるから簡単に抜けないし。この姿で日常生活してもいいことないんだよな。
「よし、確認できた。街までの移動手段が倉庫にあるんでな」
「はい」
街までの移動手段ってなんだ。そんな話聞いてないんですけど!いやでもないとおかしいか、街まで歩いていすぐ着くような距離じゃないし。
職員について行った先には、二輪のバイクが置いてあった。社名とかバイクの名前は分からないけど、これ大型じゃね?俺須磨さんに取らされた普通二輪のしかないんだけど。
「排気量は400ccだ。普通二輪で乗れるのを用意しろって言われたんでな、ここにあるので一番いいのを用意した」
乗れるギリギリのを用意するとか。須磨さんも須磨さんだけど、ここの職員も容赦ねぇな。操作に関しては問題なさそうだな、鉱石変化のおかげで身体能力は上がってるからな。
「大丈夫そうだな。通行する道は鉱石運搬用の道路をそのまま使ってくれ」
「大丈夫なんですか?運搬用の車来たら道幅足りませんけど」
鉱石運搬用の道路は、AI操縦の運搬トラックしか走らないから避けようとしたら道路の外。整地されてない地面の方に出ないといけないんだが。
「そのバイクに、トラックが1キロ圏内に入ると知らせる装置がついてる。音とランプが点灯するからそれを見て避けてくれ。対向車には反応しないから後ろから来たのだけ避ければいい。まあ、さっき出発したばかりだから気にする必要はないと思うけどな」
「分かりました」
「それじゃあ気をつけろよ」
職員に見送られて俺は安全圏を出た。
街に着いたのは安全圏を出て五十分経ってからだった。街の周りには壁なんてものはなくて、安全圏がどれだけ特殊なのか理解させられる。こっちの検問所について出迎えたのは当たり前だが人間だった。
「ようこそ
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