第3話 陰キャ女子に何故か嫌われている
自己紹介も終わりこれからテストが始まろうとしていた。
隣の水原は何やら机の中やカバンを確認している。
(もしかして筆箱を忘れたんじゃ)
俺は二つペンと消しゴムが予備にあるため水原の机に置いた。
「ペンと消しゴム忘れたんでしょ?貸すよ」
俺は優しく微笑み言った。
水原は俺に軽く頭を下げて俺が置いた消しゴムとペンを返してきた。
「いいよ使って別に俺の分あるし」
俺が言うと顔を横に振りペンと消しゴムを俺に渡してきた。
「い、いや本当にいいから使えよ!じゃないとかけねえだろ!」
それでも強引に差し出してくる水原。
なんでそんなに使いたくないんだよ。
まさか、俺の使ったら他の女の事に睨まれたりとかされるからとか?。
「なんでそんなに使いたくないんだよ」
「...」
水原は黙りながらペンと消しゴムを返す。
はたからみたら俺らは綱引きをしているように見える。
俺らは言いあっていると前から足音が聞こえなにやらジャークな空気になっている。
俺はゆっくりと前を見るとこのすらっとした足そしてこの白衣のようなものを着ている人はもう一人しかいない。
「よお、お前ら入学初日から仲良くなっているじゃねえか」
俺と水原は動揺をして恐怖を感じ体が震えている。
「あ、いや先生俺は水原にペンと消しゴムをかしてただけで」
水原は顔を横に振った。
(おーい!なによこ振っているんだこの陰キャ女!!)
水原は震えた声で「嫌がらせされました・・・」
(こ、こいつ!!!なに言いだしているんだ!!)
先生は頷き「なるほどなこんなか弱い女の子をいじめてたってわけか」
「ち、ちがいます!!」
「少しいい顔してるからって調子乗っているんじゃねえだろうな」
先生はますます機嫌が悪くなる。
「私はか弱い女の子をいじめるのは嫌いでね~」
「だ、だから違いますから!!」
クラスのみんなは俺のほうを向き見てくる。
「おい、黒沢後で職員室だ」
「はい...」
(こ、この女少し可愛い顔してるからって!)
俺は水原の顔をみて睨んだ。
水原はぷいっと横を振る。
ますます、イライラする俺は絶対に水原がなにかあっても助けないことにした。
「よし、それじゃあ入学テストをする、お迎へテストってのをするからな!」
先生は声を大きくして話した。
「まぁ、せいぜい頑張ってくれよ!」
先生は前の席の人にプリントを渡して後ろからプリントが配られる。
俺は気になり水原はどうやって書くのかを見ていたのだが普通にペンと消しゴムを使っていた。
(あるのかよ!!!なら、ちゃんと言えよ!!)
俺は自分のもらったプリントを見てテストを始める。
テストも終わり前の人に渡した。
やっと終わったと思い俺は首を回した。
かなり難しかったため考えさせられた。
先生はプリントを回収した。
「よし、お疲れ~今日はもう終わりだ」
「明日からも頑張れよ~」
「それと黒沢は後で二人で話そうな~」
先生は俺の顔をみてにやけながら言った。
俺はため息をした。
先生は教室を出ていきクラスのみんなは騒ぎ始めた。
「おい!水原あるんなら最初っからあるって言えよ!」
俺が強い口調で言うと水原は俺の顔をみたあとすぐぷいっと顔を横に向いた。
(この女最初っからおかしいと思っていたがもしかして俺の事嫌いなんじゃないのか?)
(だが俺は嫌な思いさせたつもりないし、会ったきよくもない)
そのまま帰りのホームルームまでが終わり俺は玄関に行き外靴に履き替えた。
「黒沢く~ん」
なにやら俺の名前を後ろから読んでいる声が聞こえた。
俺は振り向いたときそこには元気の良い鈴原さんがいた。
これから彼女はクラスのリーダーとしてさぞかし期待されるだろう。
「なに?鈴原さん」
「今から私も帰るから一緒に帰ろうと思って」
鈴原は笑顔で俺に言ってきた。
まぁ、別に帰るのはいいが俺が鈴原と帰ると男子の目線が怖いんだよな。
どうやら鈴原は俺と同じ道らしい。
「ねぇ、黒沢くんさっき先生に怒られてたよね?」
「ん?まあね」
「なんで怒られてたの?」
「別にただ話してたら怒られただけの話」
俺はさりげない嘘をついた。
鈴原はそれを見抜いたのか俺の顔をずっと見てくる。
「な、なんだよ」
「別に~」
鈴原は俺の顔を見ずに前を向き始める。
(な、なんだんだこの人)
「黒沢くんって普通にイケメンだよね」
次は俺にイケメンと言い始める。
「別に、普通だよ普通」
「え~そうかな?みんな言っているよ?」
「へ、へ~」
俺はそんなことしらないふりをした。
「黒沢くんもしかして嘘下手くそ?」
俺はビクッとしてしまい、鈴原はニヤッとした顔をしている。
「あ〜やっぱりそうなんだ〜!」
「べ、別にー下手くそじゃないけど〜?」
「どうかな〜」
(こ、こいつやっぱり苦手だ)
ここで左右別れてる道がある。
「じゃあ私こっちだからまた明日ねー!」
鈴原は笑顔で手を振って右側の道に行き帰っていった。
「あれ?兄さん?」
俺は後ろを振り向くと美琴がいた。
「ん?美琴?どうしてここに」
「買い物行ってたんですよ今日久しぶり両親帰ってくるので」
「あ〜そうだったな良し荷物持つよ」
「ありがとうございます」
俺らは家に帰ってきたのだが。
「おかえり〜〜我が息子と娘よ」
この踊りながら出迎えてきたのは父さんと母さん。
「今日は久しぶりに帰ってきたわよー!」
「見ないうちにまたカッコよくなって美琴は私に似て可愛くなったわね」
美琴は苦笑いし俺はため息をした。
久しぶりににぎやかというかうるさいというか。
どうしよも無い父と母だ。
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